フジフィルム ファインピクスA202改オリンパス38mmm搭載型について(改造編)


FinepixA202

これが改造前の母体

☆ジャンク度☆
レンズをオリンパスのコンパクトカメラ「ピカソAFL」の38mmF2.8に換装
ひとまず撮影できないこともない


FinepixA202
 とりあえず、さくさく分解する。
 大抵のカメラはリアパネルから外れる。


FinepixA202 FinepixA202
 基盤のフロント側。
 レンズユニットが露出する。

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 レンズは固定焦点の2枚玉。
 絞り・シャッター機構を弄りたくないので、フレームを残してレンズだけ外して戻す。


FinepixA202
 ドリルとニッパ―でフロントパネルの開口部を広げる。
 元々のレンズ固定フレームでは接着力が弱いので、プラ板で下駄を履かせた。


FinepixA202
 AF単焦点コンパクトカメラのレンズだが、焦点調節は前玉の回転で行う為、フォーカスリングとして残した。
 

 本カメラは液晶ビュワー付きデジカメとしては最廉価のカメラ、ファインピクスA201の記録媒体をxDピクチャーカードに変更したもので2002年に登場している。コンテンツもまとめてあるのでご覧いただきたい。肝は固定焦点(パンフォーカス)なのである。今回はこいつのレンズを取り外して、他のカメラのレンズに換装してしまおうというのだ。起動時にレンズが繰り出したりAFユニットを搭載していると、レンズを外した時に「レンズエラー」とか「AF!」とかおせっかいなエラーメッセージが出て、何かと都合が悪いのである。その点、本カメラなどはレンズを駆動する機構は全く存在しないので、ヘリコイド付きのレンズなら液晶ビュワーを見ながらMFだってできる塩梅なのである。最も、フジフィルムのライナップでも底辺のカメラだから、液晶ビュワーの精度もそれなりで、過度な期待は禁物である。
                   ☆            ☆
 実は、この企画は以前にも実践したことがある。それで他の固定焦点カメラも含めて2〜3個の個体をつぶしたのだが、学んだのはレンズユニットを完全に外す必要は無いのだ。外すのは光学系だけでいい。鏡筒基部に残っているシャッターや絞り機構はそのまま生かすことが可能である。また、当初は感電を怖がってフラッシュユニットを外したり、コンデンサーを絶縁したりしたのだが、これは全く効果が無かった。むしろ、この簡素デジカメは電源起動時に最初にフラッシュをチャージしようとするので、起動が中断してしまう。要するに改造は最小限がベストなのだ。
 換装するレンズはオリンパスのフィルムコンパクトカメラ「ピカソ AFL」の38mmF2.8を選択した。このレンズは日東光学製と噂があり、関心を持っていたのだがボディに決定的な欠陥があって、半ダース以上の個体を手に入れたのだが1台たりともマトモに稼働したものは無かった。なのでレンズだけでも使ってやりたいのである。問題は本来5mm位のレンズが付いてライカ判換算で36mm相当なのだから、38mmのレンズが付いたらかなりの望遠になってしまうのだけど、まあ、そういうことは気にしないのだ。ピカソAFLは単焦点レンズだし、設計の合理化もほどほどの時期のものだからレンズ単体を取り外すのは大した手間ではなかった。それに上手いこと前玉回転の焦点調節がそのまま使えそうなので、MFレンズとして使用できそうだった。手間がかかるのはファインピクスの方で、ピカソAFLはレンズ以外は破壊しても何の問題もないのだが、ファインピクスはフレキ基盤を切るとか僅かなミスも許されないのである。それでも、やはり高度に合理化されたデザインではないのでボディの分解、レンズの取り外しは簡単にできた。面倒なのはピカソAFLの方が遥かににレンズが大きいから、フロントパネルに大穴を開ける必要があるのだ。しかし、拙僧の師団には既にDIYショップブランド物のモータードリルが就役しているので作戦は着々と進んだ。当初はガイドの穴を空けて糸ノコで切断しようと思ったのだが、ニッパーで切る方が遥かに簡単であった。本来はここでピカソAFLのレンズのバックフォーカスをファインピクスに合わせる必要があるのだが、不思議なことにそのままポンづけしても無限遠も出るようだった。この種の作業は根気がいるのでラッキーである。
 作戦の順調に支障が出始めるのがレンズの接着である。当初、ピカソAFLのレンズ基部はアルミだと思ったのだが、グラインダーで削ったら樹脂だった。それはそれでいいのだが、この手のエンジニアリングプラスチック同士の接着はなかなか難問なのである。最近では便利な世の中だから、込み入ったプラスチック同士を接着する接着剤も100円ショップで手に入るのだが、粘着性があって光学レンズという付着が致命的になるブツの接着にはとてもナーバスである。現に拙僧は1つレンズをダメにしてしまったが、なにしろストックが豊富なので困らない。上手くいかない原因は光学系を外したファインピクスの鏡筒とピカソAFLのレンズボードの大きさが合わないのだ。つまり、ファインピクスの鏡筒の直径よりもピカソAFLのレンズ後玉の開口部の方が大きいのである。これは結局、鏡筒に薄いプラ板を接着して下駄を履かせて解決した。プラ板とピカソAFLのレンズとの接着は両面テープで行った。これは下手に接着剤を使って、再びレンズを汚すのを避けたのと、相性がうまくいかなかった場合に取り外しを簡単にするためだ。幸い、強度的にも問題は少ないようである。勿論、過信は禁物であるが。
                   ☆            ☆
 電池を詰めるとそれなりに稼働したので一安心である。以前は火花が飛んで胆をつぶした経験がある。それで満足な撮影ができるかと言えば、勿論、甘くは無いのだが。

   では、実戦運用を見て頂きたい。

(了:2012/3/31)

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