本カメラはスリムなボディに手振れ補正機構を組み合わせてヒットした
ルミックス DMC−FX7の弱点を改新したモデルである。その弱点とは電池の持ちで、FX7は大型液晶ビュワーと手振れ補正機構の駆動にパワーを必要とするせいか、かなり燃費が悪いうえにバッテリーも小さかった。拙僧の見立てでは電源周りの稼働時間の向上くらいしか分からない。全モデルのFX7の完成度が高かったというよりは、明確なコンセプトとカメラから発するキャラ色が市場に評価されたのだろう。
これでも拙僧がコンテンツを綴るのに気を使っている。例えば冴えない評価であったカメラの歴史的な位置づけとか、使い勝手の個人的な評価・思い入れ・思い込みを主軸に文章を構成しているつもりなのだが、このシリーズはコンセプトにブレが無く、世代を経るにしたがって微調整のレベルで完成度を高めているので、あまり思い込みとかネタが少ないのである。電源周りの更新の他にはレンズと撮像素子は基本的に踏襲しているし、実は回路周りにも省エネ設計を組み込んでいるらしいのだが、そんなのは目で見えない。撮影モードやAFモードも豊富になっているらしいのだが、あっしは標準モードにマルチAFか中央一点AFか、どちらかしか選択しないしなあ。ちょっとびっくりしたのは、一応、スペックに間違いが無いようにメーカーHPの仕様を再確認しているんだけど、本カメラは感度の上限がISO200なのだ。余程、手振れ補正機構に自信があるのだろうな。もはや忘れられた
ディマージュX1も上限だったが、本カメラの方が遥かに完成度が高い。流石にそれは何だということで、後裔の
ルミックス DMC−FX9ではISO400に拡張している。丁度、時期的にフジフィルムの
ファインピクスF10がライバルになるから、手振れ補正と高感度の戦いが、やはりガジェット好きの間で行われたようだ。
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案外、パナソニックのデジカメを選択した連中の動機に「ライカレンズ」は響いているらしい。拙僧などはへそが曲がっているので何やら言いたくなってしまうのだが、まあ、それはそれで幸せなことだろう。拙僧が峠の下りなら2st250ccのオフ車でも勝てるのではと、夢を思うのと同じだろう。もう、40にもなるのに、未だにマークXを追いかける羽目になるとは夢にも思わなかったなあ。
難点はFX一桁モデルの共通の欠陥として、液晶ビュワーのバックライト切れはすこぶる多い。なんでもフレキ基盤を90度に折り曲げる設計になっており、ストレスの具合によって、高い確率で断線するようだ。もう一つは電源不良で、勝手に電源がONになったり、OFFに出来なかったりする。拙僧も複数の個体でそのような現象が起きた。分解できる方はスイッチに接点回復剤を吹いて直したりするらしいが、これもつまんないところで安部品を使っているのだろう。
まあ、そういうところも含めて家電屋のノウハウがほとばしっているのだろうな。
では、
撮影結果(名古屋散歩編)を見て頂きたい。
(了:2011/10/20)