コニカミノルタ ディマージュX1について


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鳴り物入りで登場した手振れ補正付き屈曲系レンズを搭載したのだが・・・

☆ジャンク度☆
外観傷あり
撮影可能




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薄型ボディなのだが、エッジが丸めてあってもっさりとした印象である。


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光学3倍ズームレンズはカバー付き。


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コニカミノルタ合併後のキーモデルとなる筈だったのだが。


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液晶ビュワーは大型で美しいが、晴天下では芳しくない。


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インターフェイス周りのデザインは精錬されているが。


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フジのNP−40より若干大きくかまぼこ型の専用電池採用。


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本来はクレードルに対応する。


 ディマージュX(初代)から始まったディマージュXシリーズは、ミノルタから登場した画期的な屈曲光学系ズームレンズを搭載したコンパクトデジカメである。光学系をプリズムやミラーで屈曲させるアイデアはフィルムカメラ時代にも存在し、全く新しい物というわけではない。デジカメでもオリンパスのC−1が実現している。それでも出っ張らないズームレンズは新しいジャンルを確立し、フィルムコンパクトカメラとは一線を画すスクエアなデザインで市場に効果的に受け入れられた。しかし、この分野もソニーのサイバーショットTシリーズのようなライバルが登場し、ミノルタのブルーオーシャンをたちまち赤く染めてしまう。ミノルタとしては単三電池使用でプラボディの廉価なディマージュX31で市場の裾の根を広げる努力をしたようである。実用面では秀作だったが、ブランドイメージの誇示の点ではソニーに水を空けられた感が否めない。そこで、合併してコニカミノルタとなり、起死回生の思いで登場させたのが、奢った800万画素級撮像素子に光学手振れ補正機能を搭載した本カメラなのである。
                    ☆             ☆
 ざっとスペックを紹介しよう。撮像素子は800万画素級でコンパクトデジカメとしては大振りな1.8型。これにライカ判換算37〜111F3.5〜3.8の光学3倍ズームを搭載する。最短撮影距離は広角側10cm望遠側40cmである。更にスーパーマクロモードで焦点距離は62mm相当に固定されるが5cmまでの接写が可能である。
 屈曲光学系ズームレンズの割には望遠側が明るいのはコニカミノルタの気合が感じられる。しかし、感度がISO200相当なのは使い勝手が限定的になるな。その為に手振れ補正機構(アンチシェイク)付きなのだろうが、拙僧のようなオールドタイプは騙されている気になってしまう。まあ、それは被害妄想なのだろうけど、それにしてもどうもAFのレスポンスがイマイチな気がする。手ブレ補正は撮像素子とレンズユニットが一体になって動いて補正する。拙僧は良くわかっていないのだけど、そうするとレンズのイメージサークルも小さくて済むのだろうか?もっとも、撮像素子が大きめなのでレンズは奢ったものになっている筈だ。
 ボディは800万画素級かと思うと感心するほど薄いが、表面積は意外とあってあまり小型な感じはしない。エッジが丸くなっているのももっさりとした印象である。なんだか最中みたいな感じだ。高級感を演出するはずのアルミボディも、ジャンク駕籠を経由して拙僧の手元に届くと、細かな傷が痛々しい。液晶ビュワーは大型である。フラットで美しいガラスでカバーしていて、それを四隅にヘキサゴンヘッドのビットで止めてある。ワイルドな感じを演出しているのだろうけど、件のアルミ系の素材でできたフロントパネルが繊細なのでアンバランスだなあ。カバーガラスは丈夫らしくてフロントパネルと対照的に傷一無い。
 早めに総括してしまうと、本カメラのポテンシャルは高くない。先ほど述べたが、フォーカシングをはじめとしたレスポンスはイマイチだし、書き込みにもかなり時間が掛かる。画像も条件が良いと発色は良いのだが、どうも眠い感じでイマイチシャープネスに欠ける。快晴下では白とびもナーバスで、液晶ビュワーもかなり見づらくなる。拙僧は液晶ビュワーが明るくなって快晴下でも見やすくなるという「ハイブライトLCD」を発見できなかったのだが、そんなことで劇的に改善するとは思えないな。
                    ☆             ☆
 薄型コンパクトデジカメと手振れ補正機構を組み合わせは市場的には早い導入だったが、ちょっとカメラとしての基本性能の煮詰め方がイマイチのようである。レスポンスの悪さは運動会で出待ちの小学生を撮るのにもヤキモキするほどである。確かにスーパーマクロ撮影での接写画像は美しいのだが、そういうのは常識的な撮影にプラスされて嬉しいものである。手ブレ補正機構が付いていてもISO200が上限なのとか、性能がチグハグに感じる。手振れ補正機構が付いているから感度が低くても安心だという気分にはなれないな。
 なんでもコニカミノルタのコンシューマーカメラ事業の寿命を速めたという噂があるが、残念ながら、これではねえという感じである。

   では、撮影結果(自転車散歩編)を見て下さい。

(了:2011/06/10)

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