パナソニック ルミックス DMC−FX7について


DMCFX7

☆ジャンク度☆
無し
撮影可能


DMCFX7 DMCFX7
 ライカブランドの光学3倍ズーム。


DMCFX7 DMCFX7
 この爪型のグリップがFX系ルミックスの特徴。


DMCFX7 DMCFX7
 スリムなボディ。
 撮影に必要な操作系はボディ上部に集約されている。


DMCFX7
 諸設定を行うセンター付き十字キーと2つのボタン。


DMCFX7 DMCFX7
 「DISPLAY」ボタンを押下するとヒストグラムを表示する。


DMCFX7
 撮影時にもヒストグラムを表示する。


DMCFX7
 小型の専用電池に記録媒体はSDカード。


 本カメラは同じく2004年8月に登場したパナソニックの400万画素級デジカメのルミックス DMC−FX2の受光素子が500万画素級になった物である。主従関係で言えば本カメラが主であろう。端的に言うと本カメラは「浜アユ」の手ブレ補正付きライカレンズ搭載コンパクトデジカメである。しかし、本カメラにはブランド指向だけではない完成度の高さがある。旧世紀では煮え切らない態度をとっていたパナソニックは新世紀になり、DMC−F7を出した辺りから本気になっていた。一説によるとDMC−F7の心臓部といえる画像処理システム「ヴィーナスエンジン」の出所はビクターらしいが、CMに疎い拙僧も覚えているのだから相当の入れようだったのだろう。しかし、どちらかと言うとライカブランドや高倍率ズームといったミーハーな路線で評価を受けていたものの、カメラのうるさ方からは軽く見られていたところがあったと思う。少なくても拙僧はそうだ。例えば、ルミックス DMC−L20は小気味良い200万画素級デジカメの秀作であるが誰もがひきつけられるような魅力には欠けている。DMC−FZ1DMC−FZ10等の高倍率+手ブレ補正のシリーズは、確かにそれが必要な方やスペックマニアの心をくすぐる様な魅力はあるが、やはりそれを必要と感じるのは限定的なユーザーであろう。
 そんな中、2003年11月に登場したのがルミックス DMC−FX1/FX5であった。これはそれぞれ300万画素級、400万画素級受光素子を搭載した常識的な3倍ズーム光学レンズ搭載コンパクトデジカメに手ブレ補正機能を加えた物だった。それまで高倍率ズーム機に手ブレ補正を組み合わせたカメラは幾つも登場していたが、標準的なコンパクトカメラに手ブレ補正を組み合わせたカメラは意外と無かったのである。実は、そういったベーシックなカメラの購買層こそ手ブレ補正は必要な者で、これは市場に一定以上の評価を得たようである。平面を基調としたスレンダーなデザインと3種類のカラーバリエーションもスタイリッシュだった。本カメラはその後裔機とされ、ボディサイズは一層スリム、コンパクトになってルックスも冴える一方、液晶ビュワーは大型化され、ボディ背面の殆どの面積を占めるに至った。拙僧などは耐衝撃性が心配になるが、この強化された樹脂性の液晶ビュワー表面は実際に割れたジャンクを幾つも見かけた物である。最近になって、あまり見かけなくなったのは、一つは素材の向上もあるのだろうがユーザーの意識が高まって事故が減ったのではないかと思う。
 本カメラの緒元を紹介すると、受光素子は536万画素でレンズはライカ判換算で35〜105mmF2.8〜F5.0。感度はオートとISO80/100/200/400相当が用意されるので、手ブレ補正と合わせるとなかなか暗い場所でもノーフラッシュで撮影できるだろう。最短撮影距離はノーマルで50cm、マクロモードで広角側5cmで望遠側が30cmである。なかなか力強いマクロ機能である。フォーカスポイントは最大9点で強力。以下3点、1点、スポットに切り替えられる。1点とスポットが何が違うかと言うと1点の場合の方がワイドエリアでフォーカシングを行うようである。メカニカルな仕組みは全く分からない。基本的にはプログラムAEのみのオートカメラでポートレート/スポーツ/風景/夜景/夜景ポートレート/花火/パーティー/雪/自分撮りの9種類のシーンモードが用意されている。
                             ☆                    ☆
 では、撮影に使ってみよう。と言っても本カメラのような近代的なカメラはあまり特異な点は無いので記述に困るところは有る。
 電源スイッチはボディ上部にレバー型で配置さており、使いやすい。電源オン後は素早くレンズは伸長し液晶ビュワーを表示するが、実際に撮影可能状態になるのは撮影枚数などの諸情報を液晶ビュワーに表示してからで、約1秒ほどの時間を要する。「DISPLAY」ボタンを押下する事でヒストグラムや日付時刻の表示、格子の表示、諸情報の非表示を切り替えることができる。レリーズボタン周辺に配置されたズーミングレバーはややせせこましく、使い勝手もやや神経質である。カメラを構えて親指に位置するコマンドダイヤルは適度なでっぱりがあって使いやすい。「再生」「通常撮影」「かんたん(ハートマーク)」「マクロ撮影」「シーンモード撮影」「動画撮影」の6種類のモードを備えている。基本的には「通常撮影」で問題ないが「かんたん」に設定すると逆光時など補正を指示するヘルプ機能を搭載しているようである。また、「かんたん」設定時にはマクロモードに設定しなくても5cmまで寄れるようだ。レリーズボタンを半押しすると、9点フォーカスモードの場合は合焦エリアを緑色の四角いブロックで表示する。大抵3つのブロックで表示されるようだ。何れのモードでも合焦時には液晶ビュワー上部に緑色の円を表示する。
 光学ファインダーは無い。カメラの諸設定はボディ背面のセンター付き十字キーで行う。ボタンは小さくややちまちまとしているが、この点は大型液晶ビュワーと引き換えになるので致し方ないだろう。階層メニューは分かり辛くはないが、設定項目が多いので真面目に設定しようとするといろいろな事を覚える必要がある。
                             ☆                    ☆
 DMC−FX2のコンテンツでも指摘したが、ボディがスリムになった引き換えにバッテリーが小さく、実際撮影可能枚数は少ないようだ。公称150枚と言うのは2004年時のデジカメとしては控えめだろう。パナソニックも重要だと思ったらしく、後裔機ではバッテリーは大型化されている。
 スタイリングには非の打ち所が無い。バリオエルマリートと冠されたライカレンズがどの程度効くのか等と言うのはナンセンスだろうが、撮影結果を見るとラチュードが狭いのだろうかハイライトが白くつぶれた画像が見受けられた。もっとも、この時、同時に撮影に使ったエプソンのCP−800やカシオのQV−R4に比べて劣ると言うことはないので欠点と言うには値しないだろうが、当時の標準的な500万画素級デジカメとしての出来具合は分からない。何れにしろ、不満が出るレベルではない。
 手ブレ補正は実際に室内で撮影した場合に効くようである。今回は薄暗い動物園のコアラ舎にて実感した。また、以前父親がディマージュXtにて撮影した画像がちょくちょく手ブレしていたところから見てもベーシックなカメラこそ手ブレは必要な様である。これはコニカがベーシック層のジャスピンコニカでAFを実現させた例にも違える物ではないようだ。
 もっとも、万人に受けるだろうと北京っ子の姪に本カメラの後裔機を薦めたら、レンズが良いと言うので頑なにソニーを選んだから、パナソニックや浜アユの眼光も万人には通じないようだ。
 

 では、撮影結果を見て頂きたい。

(了:2009/10/30)

クラデジカメ系列メニューへ戻る 「意してプラカメ拾う者なし」へ戻る

inserted by FC2 system