コダック DC3200について


DC3200
典型的な北米型安普請カメラである

☆ジャンク度☆
電池室液漏れ(修正済み)
撮影可能


DC3200 DC3200
 レンズはライカ判換算で39mmF3.6の単焦点。レンズ名なし。エクタナーとかつけてもいいのに。
 コダックのデジカメは伝統的に足が付いている。


DC3200
 起動は遅い。内蔵メモリ2MB付き


DC3200 DC3200
 インターフェイスは簡素。
 必要最低限の機能しか付いていない。


DC3200 DC3200
 複雑な階層メニューは無し。これで充分である


DC3200
 記録媒体はコンパクトフラッシュ。128MBで366枚撮れる


DC3200
 単三型電池4本使用。
 

 本カメラは典型的な北米向けのカメラである。アメリカ人の特性についてはBISONさんのコンテンツに詳しい。BISONさんは拙僧などより文章構成能力が遥かに豊かで、知的でぴりりとしたコンテンツは実に楽しいので一読いただきたい。拙僧の壮観ではアメリカ人は面倒が嫌いでけちで貧乏だ。要は購買力が無い上に向上心が無いから多機能カメラに興味が無いのである。拙僧の住んでいたのはカナダだけど似たようなものだろう。彼らが求めているのは簡単で安いカメラである。この点は多機能に傾倒する日本人とは発送の出所が違うのである。かと言って別にアメリカ人が劣っているのではない。むしろ悔しい事に世界をリードするのはアメリカだ。この点、BISONさんは上手い事を書いていらっしゃって、つまり「アメリカ人は特別な発想を無から作り出す才能には長けているが、それを効率よく量産する能力が無い。」。現在(2008年12月)アメリカのビックスリーの危機が叫ばれているが、悔しいなら壊れない車を安く提供してみればよいのである。カナダでは日本車の評価はBMWの中級クラスくらい高い。値段も高くて10年落ちのカムリが80万円くらいする。それでもポンティアックの安車を買うよりよっぽどマシなのだ。
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 兎に角アメリカは・・・、と言いたいところだけれども拙僧が住んでいたのはカナダのバンクーバーなのでバンクーバーの話になるのだけれども、多分、アメリカも似たようなものだと思う。もしかしたら日本と中国を一緒にするが如しかもしれないけれども。兎に角、彼らの購買能力は乏しい。国が貧しいのである。正確に言うと富が一局に集中していて殆どの人が貧乏なのである。例えば、カナダの(ブリティッシュコロンビア州の)保険は歯医者は適応外である。だから、本気で治そうとすると1本辺り10万円近くする。だからみみんな払えないので歯の無い人が多い。これは大げさに言っているのではない。実は歯医者にも利く国民健康保険があるのだけれども高いので国民の80%程の人は入れないのだ。これは歯医者の受付の女性が言っていたのであり、彼女もその保険には入っていないと言うことであった。カナダが社会福祉に優れているなどと頭の暖かい事を言っている連中は一度歯医者に行くとよい。
 そんな国の人々の為に作られたのが本カメラ。コダックのDC3200である。繰り返すが北米、いや南米の人々にとって求められているのは、価格、簡単、耐久性である。登場したのは2000年の11月。直接のライバルはファインピクス1300辺りであろう。双方とも受光素子は130万画素級、単三型電池4本を使用しレンズは固定焦点(パンフォーカス)異なるのは記録媒体がファインピクス1300はスマートメディア、本カメラはコンパクトフラッシュだと言うことだ。この点、当時はどの程度の差が有ったのかは解らないが、スマートメディアは不器用な白人には扱い辛かったのではないかと思う。この二つは全く性格が異なっているのが興味深い。まず、デザインはファインピクス1300の方が遥かに洗練されている。優雅なディラインと円弧を描いたグリップ部はよく考えられたものだと思う。翻って本カメラは余にも無骨で気が利かない。しかし、プラスチックの外装はいかにも分厚そうで丈夫そうに見える。分厚いボディも北米人には使いやすいのかもしれない。また、ファインピクス1300はマクロモードを搭載しているが、そんな物は本カメラにはない。そんな物があったら切り替えレバーを戻し忘れる危険性があるので無いほうが都合が良いのであろう。
 スライドレバーを右にスライドさせると電源ONになる。起動は約8秒と結構重い。内部メモリ使用だと約6秒ほどに縮まるが現実的ではないだろう。撮影感覚は流石にAFレスの固定焦点だけあってレスポンスは良い。ただ、液晶ビュワーが晴天下で殆ど見えないタイプで反応も遅く発売時期を考えてもイマイチである。既にクールピクス880が登場した後のカメラなのだ。現実的には光学ファインダーで撮影するのがベターかもしれない。
 肝心の写り具合だけれども可もなく不可もなくである。当倍で鑑賞するとちょっとしんどい。同じ固定焦点のファインピクス1300に比べてもイマイチである。恐らくレンズをケチっているのであろう。しかし、これはWebに掲載するサイズまで縮小すると大きな問題ではない。発色はコダックのそれと期待していたのだが以外とあっさりである。コダックのデジカメはDC210AにしろDC280Jにしろちょっと黄色じみたポップな感じに仕上がるのだけれども、本カメラは比較的落ちついている。原色系はそれなりにポップな仕上がりになるのだけれども、空の色がコダック特有のカルフォルニアブルーにならないのだ。また、本カメラの長所はホワイトバランスが優れているのと、意外と室内でも粘ることである。この点、ファンピクスは1300にしろ後裔機のA101にしろ、少し暗くなると途端に馬脚が流れるのであった。また、ファインピクス1300にしろファインピクスA101にしろメニュー表記は英語のみであったが、本カメラは日本語表記がデフォルトであった。どの程度、日本ではけると思ったのかは微妙だが、それなりに本気で発売したようである。ちなみに作ったのはチノンであろう。<BR>                   ☆              ☆
 本カメラは北米の安い、簡単、そこそこ写るが具体化したようなカメラである。高機能思考の日本や東アジアではちょっと受け入れ辛いところもあるが、今ならジャンク1000円で購入するのも可能なので、ちょっとロンドンドラッグかSEARSで買い物する雰囲気を味会うのも悪くは無いかもしれない。
 しかし、こういうカメラを見るたびに何故100円ショップやヨドバシが北米に進出しないのかと思うのだけれども

   では、撮影結果を見て下さい。

(了:2008/12/14)

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