フジフィルム ファインピクス1300について


Finepix1300
かなりの美品。
ジャンクで専用ソフトケースが付いているのは珍しい。

☆ジャンク度☆
無し
撮影可能


Finepix1300 Finepix1300
 本カメラの面構えで特長となっているのが、黒い半月状の指あてである。
 これはカメラを構えたときに、丁度、中指と薬指があたるようになっていて、良好なホールディングに貢献している。
 恐らく不器用な北米人でも扱いやすかろう。

Finepix1300 Finepix1300
 マクロモード付き固定焦点(パンフォーカス)レンズを搭載。
 マクロモードでは8cmに焦点が固定される。
 ボディ側面のレバーで切り替わる。


Finepix1300 Finepix1300
 電池を抜くと日付を忘れてしまうので、設定しないといちいち聞いてくる。
 もっとも、ボディを開けないと内蔵ボタン電池が取り出せないカメラも有るのだから、腹立たしいほどのことではない。
 メッセージは全て英語。多分、輸出用に開発したナローモデルなのだろう。


Finepix1300 Finepix1300
 日本語は一切使われていないが、取り立ててて機能が多いわけではないので問題は無いだろう。

Finepix1300
 セットアップ画面。
 言語を英語とフランス語に選択できる。恐らく北米からのニーズに答えた廉価カメラなのだろう。

Finepix1300 Finepix1300
 ジョグダイヤルには「撮影」「再生」「設定」の3種類の機能が割り当てられている。
 かなり、思い切った限定された機能だが、撮影・再生には充分である。
 主な設定は十字キーとOK/MENUボタンでお行う。

Finepix1300 Finepix1300
 パワーソースは単三型電池4本、記録媒体はスマートメディア。

 フジフィルムがファインピクスブランドを立ちあげた98年はデジカメ時代がカンブリア紀からジェラ紀へと大きく変わり始めた年だ。勿論、その先陣はファインピクス700で、これは武田勢のように火の如くデジカメ陣営を戦塵で覆った。それまで、薄らでかい「ガリバーズIXY」でお茶を濁していたキヤノンや、戦闘能力は誰でも認めるものの、上に湯飲み茶碗や蕨餅の小皿を置きたくなってしまうクールピクス900のニコンにも大きな衝撃となったようだ。もっとも、拙僧はこの頃にはスズキGSX400Rインパルスで、いかに九州や四国の峠でステップなどを削ろうかと思っていたのでよく解らない。
 それはさておき。ファインピクス700の精密感のある上品な金属製外装(当時)や専用リチウム電池採用による携帯性の高さ(当時)はよく理解されていたが、いかんせん、値段がちと高すぎた。予備のリチウム電池とメディアを買えば、簡単に12〜13万の出費となるのだから、かなりの勇気がいただろう。ちなみに、拙僧がその頃に買ったKDX200SR(程度上)が14万円代だから、そうそう、簡単に手の出る代物ではない。そのフジフィルムの回答がファインピクス500だ。簡単に言うとファインピクス700をベースに当時並みの薄らでかい樹脂製外装にし、CPUをデチューンしてパワーソースを単三電池4本で起動し、購入時にも運用時にもコストダウンを図った代物であった。どうも、東芝が丸投げされていて作っていたという噂もあるけど、例えばファインピクス700の不満として大きく上げられていたむき出しのレンズにもカバーが付いたし、逆光時の調光なども若干向上しているような気がする。兎も角、ファインピクス500はファインピクス700の廉価版としての地位を与えられたのである。その後、フジフィルムは次々とファインピクスシリーズを出陣させるのだけれども、どうも一定の採番ルールが存在するようだ。つまり、主力の縦型シリーズは700番系。標準スタイルズームコンパクト系は600番系。700番系のパワーソースを単三型に変更し、廉価モデルとしたのが500系って感じだな。この後、採番の4桁目が画素数を表すようになって、例えばファインピクス2700なんてのが発売されている。その頃にはフジフィルムの超本気モデルのファインピクス2900が登場して、フジフィルムのデジカメの採番は、世紀を跨いでルールがFとかAとかに分かれるまで踏襲されていく。
                 ☆              ☆
 さて、では本カメラ「ファインピクス1300」はどの立ち位置なのだろうか?実は本カメラの登場前にファインピクス1200という見た目はファインピクス500を踏襲しているのだけれども、受光素子は130万画素級でAFユニットを初めとして機能をごっそり削ったGMみたいなデジカメが発売されている。これはこれでファニー系デジカメとして微笑ましかったのだけれども、200系というファインピクスシリーズは踏襲されずに消えてしまったようだ。実は、本カメラは固定焦点の廉価デジカメには違いは無いのだけれども、登場時は2000年の後半であり、各社のデジカメの性能対価格もこなれた頃に登場した。その数ヵ月後には本カメラの200万画素バージョンのファインピクス2300が登場している。これは拙僧の想像なのだけれども、130万画素級の本カメラは、そもそも、海外、それも主に北米の需要で開発されたものなのではないかと思う。大体、大抵の北米人は大した購買力が無いので、こういう「海外向けデチューンもの」は、別にデジカメに限らず日本製品には常に存在する。或いは、200万画素級の固定焦点デジカメの需要と言うのは当時はかなり国内には有り、それに答えて開発した200万画素級のファインピクス2300の海外向けデチューン版が本カメラなのかもしれないな。それが証拠にメニュー表示は全てアルファベットでまるでインベーダーやブロック崩しを思い浮かべるな。
 固定焦点(パンフォーカス)というと、それだけで背筋にノイズが走ってしまう方もいらっしゃるかもしれないな。でも、デジカメの場合は受光素子の面積なんて8mmフィルムのフーテージのの一コマとどっこい程度だから、必然的に焦点距離が短くなり固定焦点でも、被写体深度も深くなって都合が良いのだ。その頃、本気でデジカメで撮影した画像を六つ切り以上に引き伸ばして鑑賞しようと思ったら本気で普通自動車が買える位の出費が必要だったし、逆にメールやコンテンツに掲載する画像は35万画素でもいいや、というので世紀末だと言うのにカシオのLV−10の様な、単三電池2本で動いて液晶ビュワーを持たない35万画素級デジカメが送りバントで塁に出たりしたのだ。これらは、プアーながらもそれなりのクオリティで、いわゆる「おもちゃカメラ」とは一線を隔した方がいいだろうな。本カメラは、そういうピュアなライトウェイトスポーツに比べると単三電池を4本使用し、液晶ビュワーを搭載する代わりにかなり大柄だけれども、結局、スポーツもしたいけどヒーターもエアコンもラゲッジスペースも必要だから、家族で1台を賄うにはこの程度のエクステリアもインテリアも必要だと言う事になる。恐らく、フジフィルムは後に発売したファインピクスA101/A201のようなデジカメを考えていたのだろうけど、この頃のテクノロジーではパワーソースを単三電池2本に抑えることができなかったと言うことなのだろう。
                 ☆              ☆
 改めて本カメラで撮影してみよう。当時、既にフジフィルムは例のハニカムCCDを世に唄っていたのだけれども、ファインピクス4700Zのときに勇み足で「4.3メガピクセル」と言ってしまったのでユーザーの反感を買ってしまった。それはそのとおりで400万画素級だと思って大枚10万を払ったら実は200万画素級だったら誰だって怒るだろう。このファインピクス4700ZやそのCCDは同世代の200万画素級デジカメの中では割と良い感じなので、初めからそういえば良いのに。フジフィルムは後々までこの過ちに気づかなかったのか認めなかったのか後を引くことになるのだけれども、まずは本カメラだ。本カメラはハニカムCCD系ではない受光素子を採用している。この受光素子は数々の130万画素級ファインピクスに搭載されているものらしく、画作りも似ている。というか、拙僧は900系と一眼レフ系のファインピクスは知らないけれども、ファインピクスシリーズの作る画の方向性はクラスを超えて同一性がが有った。つまり、ナチュラルな色調とナローな諧調、淡いエッジである。うがった見方をすると肌色と桜色、それに空色が妙に綺麗に再現される。画を弄っていないかと言うと弄っていると思うのだけれども、メリハリ系の画像に傾倒するデジカメが多い中でファインピクスシリーズは比較的、穏やかな綺麗さを再現していた。ルノアールの名を出すのは風呂敷を広げすぎかもしれないけれども、少なくてもゴッホやモネとは違うような気がするな。
 ボディ上部にオフセットされたスライドスイッチで電源ONである。電池を入れ替えたばかりなら日付を聞いてくるけど、次回からは3秒ほどで撮影状態に至る。AFユニットは非搭載だからレリーズ後のタイムラグは殆ど無い。時間が掛かるフォーカシングより、ずーっとありがたいと思うシーンは多いだろうな。実際、現在入手可能なクラデジカメのAFは結構外れたり首を傾けたりする場合が多いので、いっそのこと固定焦点にしてくれたほうが何かと便利な場合がある。例えば、スナップフォトのように被写体が中央にいるとは限らない場合だな。フラッシュも流石に単三電池を4本も抱えているからチャージもクラスレベルにしては良好だ。液晶ビュワーはフォーカシングに使える代物ではないので、マクロ撮影時にはストラップを使用するなど工夫が必要だろう。ちなみに8cm固定でちゃんとその距離に被写体がいれば中々使い物になる。
 感度は資料が見つからなかったので解らないのだけれども、多分ISO125固定でゲインアップは無しだろう。なんでそう思うかと言うと、正統な後継者のファインピクスA101/A201がそうだからだ。
                 ☆              ☆
 拙僧が本カメラを見て思うのはレンズ、光学ファインダー、液晶ビュワーが後のファインピクスA101/A201にそっくりだと思うのだ。反面、コマンドダイヤルや電源スイッチはファインピクス500辺りを髣髴させる。つまり、既に既述したけれども、技術の向上と言うのは、別に数値を上げる事ばかりではなく、こういう結果も含まれているのだろう。

   では、撮影結果を見て下さい。

(了:2006/06/21)

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