ペンタックス オプティオE70について


OptioE70
程よくまとまったデザインだが記憶に残るようなものが無いなあ

☆ジャンク度☆
不具合無し
撮影可能


OptioE70 OptioE70
 とうとうジャンク駕籠にも動く1000万画素級デジカメが転がるようになった。
 ライカ判換算で35〜105mmF3.1〜5.9の光学3倍ズームレンズを搭載。

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 単三型電池仕様にも関わらずスリムなボディは立派。

OptioE70 OptioE70
 公式HPでは大き目な操作スイッチをアピールする。

OptioE70
 本カメラの欠点らしい欠点は再生モードでの起動が出来ないことだ。
 レンズを沈胴したまま、再生ができないのである。

OptioE70 OptioE70
 大きく美しい大型液晶ビュワー。
 親切丁寧なヘルプガイダンスを表示する。

OptioE70
 記録媒体はSDカード、単三電池2本使用で使いやすい。


 久しぶりにペンタックスの公式HPを見てびっくりした。ワタシ色の小型一眼がアート志向のカメラ女子に評価されているとは知っていたのだが、ポップな着せ替えカメラとかフロントボードにブロックを積み上げるカメラもあるのだ。男子向けにはG−SHOCK顔負けのハードユースカメラが用意されている。あっしが図書館で読むカメラ雑誌のバックナンバーで登場するペンタックスは645DやISO51200だから、ペンタックスがいつからこんなに商売が上手くなったのか分からない。既にペンタックスというブランドは拙僧が思い描くものとはかけ離れていることは理解できた。ペンタックスとしても自社の製品を載せてほしいのはコンサバ系やガーリー系のファッション雑誌なのだろう。645Dなんて広告を打たなくても買う方は買うわけだ。
                ☆           ☆
 本カメラのコンセプトは「廉価ながらも高画素数・高機能、単三型電池使用で長持ち。」であろう。オプティオM20の子孫にあたる。オプティオM20はボディが緩やかにカーブしてグリップを形成していたが、本カメラはエッジを丸めて軟らかい雰囲気を出しているものの、出っ張りを極力減らしたフラットなボディを演出している。現行機のオプティオS1にも面影は残っているので、ペンタックスの指向性なのだろう。嫌味のないスタイリングだが、一方で記憶に残るような特徴に欠ける。
 本カメラは2009年月に北米から先行発売した。モデル名のEはエントリーでもありイージーでもありエコノミーでもあるだろう。廉価で高機能なだけでなく、大型のボタンと表示を採用し操作性の向上をアピールした。手に取ってみると従来の物に比べて飛躍的に向上したとも思えないのだが、楊枝の頭みたいなボタンやレバーを詰め先で操作する酷いカメラが多い中では大健闘だろう。ソニーのサイバーショットTシリーズとか、不器用な白人はどう操作するのか不思議である。大型アイコンに親切なヘルプガイドを添えているので操作は誰にでもわかりやすい。価格は$139.95というから、当時のレートは知らないけど1万円+αくらいだろうか?日本で発売を開始した当初は2万円ほどだったらしいが、直ぐに1万円を切っている。
 撮像素子は1000万画素級でライカ判換算で35〜105mmF3.1〜5.9の光学3倍ズームレンズを搭載。手振れ補正機構を搭載しているが、これは電子式手振れ補正というもので、どうもソフトウェアの処理で撮影画像を補正するものらしい。撮影場所が暗いと記録に時間が掛かるから、何かしらの演算をしているのだろう。これに感度のゲインアップを組み合わせてブレを抑える。感度はマニアルでISO6400まで設定できる。手振れ補正の他にも実に多彩な機能が満載である。同時に32名までの顔を認識し、顔を明るくするなどの補正を行う。笑顔を探知し自動でシャッターを切る「スマイルキャッチ」の他、目をつぶった場合にアラームを表示する「まだたき検出」を搭載する。拙僧は実感できないのだけど。
 ペンタックスらしい「オートピクチャー」を搭載。カメラが被写体を判断して理想的な撮影モードを選択する。撮影モードは全部で7種類。何れのモードもセンター付き十字キーの下(MODE)を押下し、表示したアイコンを選択し遷移する。各アイコンにカーソルを移動させると、同時に丁寧なヘルプガイドを表示する。他に初心者向けの「グリーン・モード」を搭載する。パナソニックでいうところの「かんたん」である。グリーンモードは独立したボタンを割り振っており、積極的な使用を実現している。
 起動は無論素早くフォーカシングも待たされない。フォーカスモードにはパンフォーカスもあるの。電源OFFでもフラッシュモードを覚えていて助かる。晴天下では、やや液晶ビュワーが見づらくなる。他の同年代のコンパクトデジカメに比べて特異に劣るものではないのだが、新世紀も10年になっても解決できないウィークポイントなのだなあ。メモリ内蔵機だが、今どきSDカードなんて数百円以下だろうから内蔵メモリだけで撮影する方はないだろう。撮影しようと思ったらSDカードを挿し忘れていたという経験はあるから、そういう為の予備なのかもしれない。もしかしたら、SDカードの画像を内蔵メモリに退避させて、友人のSDカードにコピーするのかなあ。
 本カメラの数少ない欠点レンズを伸長しないと再生できないことだ。つまり、撮影モードで起動してから再生ボタンを押下する必要があるのだ。思う以上に不便で電池も惜しくなる。但し、(補足:ちくわいぬ殿より、オプティオシリーズは再生ボタンを押しながら電源を入れると、再生モードで起動すると指摘有り。ご指摘ありがとうございました。陳謝)本カメラは電池消耗に強く、他のデジカメで使えなくなった電池でも当面動する。
                ☆           ☆
 ペンタックスの公式HPを見ると、ビビットなカラーで構成されたキャッチ―で魅力的なコンテンツとなっている。アイドルやスポーツ選手などと言った子供だましを一切避け、商品の魅力を前面に打ち出しているのは好ましい。はじめは着せ替えカメラを見てAKBの着せ替えデータを配布したら売れるのではと思ったが、本質的な勘違いに気付いた。本来、アート・デザイン系の学生やサブカル系の若い連中はアイドルやドラマなんか見ないのだ。ラインナップに本カメラの後裔機が掲載されていないのは、ペンタックスの差別集中戦略を明確にしているだろう。デジカメをライフスタイルと組み合わせたい層は少なくない。オモカメでは満足できないし、パナやデジペンのパンピー臭さは物足りないのだ。パンピー臭さというのは言葉が悪いが、優秀な大人が完璧に作った隙の無さがある。今のペンタックスの製品には、コンセプトの1つでも琴線に触れればそれで充分と思わせる若い魅力がある。葬式に出ることまで考えて地味な車を買うのはまっぴらだ。安い高画素高機能デジカメは作れるだろうが、そんな物は他社ブランドに任せておいた方が良い。「ニコンでもソニーでもない、他のカメラとは一風変わったビビットなカラー(ルックス)をワタシだけが発見した。」というが理想的なブランドイメージだと思う。
 従来のペンタックスの魅力は基本機能を支える技術や適正な価格帯では開花していたが、感性に訴えるような突き抜ける魅力には乏しかった。ホヤにとって現在のペンタックスのニッチャーな市場が美味いのかどうかはわからない。しかし、マイクロフォーサーズに戦前レンズを付けるような爺趣味にかまける真似だけはしてほしくない。新生ペンタックスブランドは未来志向でいてほしいものだ。

 では、撮影結果を見て頂きたい。

(了:2011/4/4)

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