カシオ エクシリム EX−Z80について


EX_Z80
男子系メーカーの送り出した女子カメラ

☆ジャンク度☆
不具合無し
撮影可能



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画像では分かりづらいが従来のエクシリムシリーズに比べて1回りは小さい。


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光学3倍ズームレンズを格納するとは信じがたいスリムなボディ。

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エクシリムブランドのレンズ。撮像素子は800万画素級。


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大人の男性が操作するには小さい電源ボタン。


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フォーカスエリアを示すアイコンを選択できる。


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階層メニューも親切で見やすい液晶ビュワー。


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カシオ自慢のベストショット。


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専用電池もスリム。

 電卓・電子手帳・ポケコン・G−SHOCK、カシオの製品のカテゴリーはどこか男臭さを感じるものだ。実際には事務の電卓は女性が使っているのだろうが、製造業三次請負の工場で男社会の中で喘いでいるイメージを粉飾できない。レディースのG−SHOCKもあるだろうが、あれも男物を女性が着飾るところにチャームポイントがあるのだろう。そんなカシオがカメラ女子をターゲットに据えた女子カメラが本カメラである。
                    ☆             ☆
 まず目を引くのが鮮やかなビビットピンクである。そしてボディが薄く小さい。フラットはパネルを上下でカービングし、エッジを残すことでスマートで品のある仕上げになっている。女性向けだからと言って安直に曲線を多用した可愛い路線を嫌ったのは賢明だったと思う。下手をしたらエプソンCP−80Zのような悲惨な目に合うところだった。それに応じてボタンやレバーは小さいが、タッチングは良好で細い女性の指には合うのだろう。
 本カメラの特徴はカメラとしての基本的なパワーよりも「あたし色のカメラ」の演出が叶うよう、細かなカスタマイズが可能なことである。これは、やれ「画質はナチュラルに」だとか「シャープネス強」とか男の汗汁とは無縁であり、メニューのカーソルの色や起動音、そしてフォーカスポインタのアイコン等を変更できるのだ。つまり液晶ビュワーを見た時に感覚的にわかる部分に力を入れている。本カメラを紹介するコンテンツで取り上げられるのはハートマークのフォーカスポインタで、これは合焦しなかった場合にハートが割れるのである。こういうのをカメラ女子は可愛いと思うのだろう(多分)。人形や花びらがフォーカスポインタの場合、「X」マークを表示する。細かなカメラの諸設定は、カシオの宝刀であるベストショットが搭載されているからチマチマした専門用語を覚える必要はない。ベストショットとは一種のシーンモードで、特徴的なのは自分で撮影した画像を定義し、その時の諸設定もモードの一つとして選択できるのである。このベストショットの配置も女性に好まれるモードを優先して配置しているようだ。
 液晶ビュワーは晴天下でもそれなりに見えるのだが、はっきり言って精彩を欠き、何を撮ってもどこにフォーカスが合っているのか分からない。画像を転送してPCでみると、それなりにフォーカスも合っているので安心なのだが、もう少しマシな液晶ビュワーを搭載してほしい物だ。画素数モードやISO感度モードなど、諸設定は画面の右側に縦のメニューバーとして表示している。スーパーインポーズでゴチャゴチャとヒストグラムまで表示するのはSF志向の男子の趣向は満たせるものの、女子にはうざいのだろう。メニューバーはメニューボタンを押さずとも十字キーで選択・変更できる。
 カメラの基本的な機能も優れていて、起動は素早くレリーズのデュレイもほぼ感じない。フォーカシングも素早くマクロ域まで正確である。顔認識の類も搭載しているのだが、拙僧は使わないので評価できない。特徴的なのは「ブレ検出オートシャッター」機能を搭載しており、これはカメラを構えて手振れが収まったことをカメラが検出して自動的にシャッターを切るものだ。本カメラは手ブレ補正機能を搭載していないが、感度のゲインアップと組わせて案外役に立つ。但し、相手が静物の場合にしか効果はないだろう。店先のアクセサリーや今日のランチを撮影する機会は多いだろうから有効な機能である。
 一応、仕様を紹介すると、撮像素子は810万画素級。ライカ判換算で38〜114mmF3.1〜5.9の光学3倍ズームレンズを搭載する。かつてはペンタックスブランドのレンズを搭載していたエクシリムシリーズだが、近年の物はエクシリムブランドになっている。最短撮影距離は40cmでマクロモードだと10cmまで寄れる。専用電池はボディに合わせて薄い小型のものだが1日に100枚程度の撮影なら充分である。
                    ☆             ☆
 カシオのインタビュー記事によると、本カメラの開発に当たって企画部に初めて女性を起用したそうだ。こんなところからもカシオの男権志向が見え隠れして、田嶋陽子が聞いたらヒステリーを起こしかねない。
 本カメラのビビットでシャープネスな誰が見ても綺麗と思える画像はレンズのパワーというよりは画像処理の秀悦さが効している気がするが、カメラ女子にしてみれば最終的に手元に綺麗な画像が残ればいいのであって、レンズの数値的な性能など興味はないだろう。
 実際に拙僧も小気味で軽快な点が気に入っており、手元に残したいのだが懐も寂しいので、そういうわけにはいかないだろうなあ。

   では、撮影結果(岡崎桜祭り編)を見て頂きたい。

(了:2011/04/23)

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