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2011年 上海:上海上陸編(クールピクスS600)


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上海の地下鉄網は想像以上に発達していた。


 出発当日に中部地方に上陸する予定だった台風は、予定より若干早く訪れた。勢力が衰えて熱帯低気圧に変わった事もあって何とか飛行機は飛びそうだ。幸い、自宅近郊も雨は上がっていた。9:05のフライトだから、出発にも余裕がある。最寄駅の改札を抜けた瞬間に肝心のローライ35SEを忘れたことに気付くが、もう、どうにもならないな。

 チェックインカウンターで計ったら、カーゴ預かりの着替え等を積めたリュックサックが5kgで、機内持ち込みのカメラを積めたキャリバックが10kg超えなのは我ながら呆れてしまうな。呆れてしまうといえば、クレジットカードは妻のものを1枚持ってきただけなのだが、クレジットカードと言うものは本人名義のものしか使えないと出国ゲートをくぐった後の海外旅行保険のカウンターで知る。仕事にしろプライベートにしろ海外で過ごす機会が多い割には抜けているのがわれわれ夫婦である。それはそうとして、手持ちの現金しか都合がつかないとなると資金は心細い。聞けば出国ゲートの先はATMも無いそうだ。手元にあるのは4万円。3泊のホテル代で半分は無くなる。まあ、現地でカメラは買わないので、平均的な上海の食費から換算すると不足はないのだが、もし不幸にもタクシーを使う羽目になって、おまけにぼられたら途端に苦しくなる。いや、そもそもホテルについたら没有(有りません)攻撃と言う可能性だってあるのだ。そうなると、正規値段に極めて近い価格帯でホテルを探さなければならない。そうなると、いかにもクレジットカードが無いのは辛い。それに、まあカメラは買わないのだが、念の為に上海市内のカメラ市場の場所もプリントしてあるのだ。

 そうは言っても、今更どうにもならない。中国国内には友人もいるし、日本の妻に電話さえ繋がれば何とかなるだろう。潔く機上の人となる。

 フライトは順調だった。三列シートの真ん中というのはなかなかストレスを感じたが、これは出発期日を先伸ばしにしていた拙僧が悪い。早く予約をすればよい席が取れたのだ。白ワインを頂きながら今更ながら図書館で借りた上海のガイドブックを読む。飛行機は10:45に到着の予定である。入境審査に時間がかかっても11:30より大幅に遅れるとは思えない。空港からメトロで上海市内へ入っても1時間半くらいか?リニアモーターカーを利用すれば早く着きそうだが、どうも上海のどの辺りに着くのか分からず、結局メトロに乗り継ぐ必要があるだろうから、話のネタ以上のメリットが無さそうだ。上海の交通インフラの正確な情報が掴めないのは気持ちの良いことではなかったが、何せ目覚しく発展するのが中国の都市部であるから、あてになるソースが事前に見つからなかったのだ。上海には今年になって妻も訪れているのだが、何分、三河に住み出して10年になって、やっと「名古屋からみて東京があるのは東」と言うのを知った方向感覚のない妻だから、まるであてにならない。それでも、この発展した上海で空港から市内ヘ向かう足が無いとは考え辛いから、特に不安には思わなかった。まあ、常識的に考えて13寺までには市内に入れるだろう。そう考えると15時のホテルのチェックインまでには時間が余る。10kgのキャリーバックを引きずりながら観光地を歩くのは気が引けるから、遺憾ながらバックの重さが足かせにならないカメラ市場で時間をツブサざるを得ないな。無論、カメラを買うつもりは毛頭無いのだが。


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到着早々、ファミリーマートでコーラを補充。
買えるときに買わないと後で後悔するのだ。



メトロマップを見る。
リニアを使わなくても、スムーズに市街に行けそうだ。



地下鉄2号線で上海市内に辿り着けるのだが、直通が無く広蘭路駅で乗り換える必要がある。


世紀大道駅で地下鉄4号線に乗り換え、カメラ市場のある魯班路駅へ向かう。

 入境審査はとてもレベルが高くなっており、顔の画像をデジカメで撮り込んでパスポートの写真とマッチングチェックを行っていた。どうも、入国時に取り込んだ画像は出国の際にも再びチェックするようになっているらしい。プチ整形の方はもめるかもな。

 空港で手持ちの4万円を人民元に代えたら3000元弱だった。1円13元くらい?後に妻に話したら空港はレートが悪いのだと怒られる。しかし、言わせてもらえれば言葉も通じず土地感も分からない海外の地で、いかにも入国間も無い姿を晒しながら荷物を引きずって銀行を探すのは避けたいのである。いや、実際には円のほかに300〜400元くらいは手元に有ったから、まっすぐホテルに向かって換金すれば問題なかもしれない。常識的には中国の外国人が泊まれるホテルなら換金は可能な筈である。しかし、今回は国内人向けコンテンツで予約を入れた上に、実際に部屋があるかどうかも分からないのだ。そういうの外国人ならでは事情を4ヶ国語を使い分ける妻には理解できないようだ。

 もっとも、だからと言って比較的手荷物の管理に気を使わず済む中古カメラ市場に寄って、買わないと言っていた中国製中古カメラを買ってしまった理由の正統性にはならないが。上海の中古カメラ屋事情については後述させていただきたい。

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大抵の駅はプラットホームと線路の間にガードがある。


大きなタンクを運ぶ自転車。
やはり中国の自転車乗りは気合が違うなあ。



虹橋駅で地下鉄5号線に乗り換えて、ホテルのある豫園駅に向かう。
この乗り換えには渡り廊下をちょっと歩く。


豫園に着いた。それらしい街並みに辿り着くまで、駅から5分もかからない。



何はともあれ、マックでビバークである。


勇ましいスローガンが国家の性格を表しているなあ。
このビルの向かいがホテルである。


ホテルに着いた。


部屋はそれなりに綺麗だが窓の外の景色は価格相応である。
家事の時に逃げやすいか。

 拙僧が選んだホテルは「上海興寧大酒店」である。最寄り駅は豫園駅でYahoo地図では駅からも近そうに見えた。同様に肝心の外灘にも近そうである。外灘には夜景を撮りに行く予定で、基本的に海外では夜間に一人で出歩かない拙僧としては速やかにアクセスしたい場所であったのだ。ホテルを決めてから妻に聞いたのだが、豫園は上海では鉄板のスポットなのだという。実際に最終日の時間に余裕の無い午前中に堪能できたのでラッキーだった。メトロからのアクセスも歩いて10分かかるかどうかの好立地であった。建屋が服装品のデパートを兼ねているので一瞬分かり辛いが、大きく看板が出ているので迷わないだろう。早く着き過ぎたのでマックで軽食する。チキンバーガーのセットで28元だかと安くはないが、ひとまず安心してコーヒーが飲める。

 ホテルの建屋はすぐ見つかるのだが、駅から歩くと入り口が裏手になるのでちょっと焦る。裏路地は標準的な上海市民の生活が展開されており、その喧騒は久しく中国に触れていない拙僧は少々緊張してしまった。入り口の回転扉を潜っても何も無いので不安になる。ホテルマンが1〜2名は待機しているようだが、西側のサービスを期待するとがっかりするだろう。フロントは8Fにあって、ホテルマンもエレベーターのボタンくらいは押してくれる。荷物を持ってくれるとそういうサービスはないが、一泊400元だかのホテルの入り口で積極的に荷物を持とうとする人物には一応警戒した方がいいだろう。その他、公共機関なら論外である。

幸いなことに部屋は用意されていた。後で聞いたが、その日の早い時間帯に妻も確認の電話を架けてくれたようだ。困ったのはデポジットで2000元の前払いを請求されたことだ。手持ちは既に3000元を切っていたのでいよいよ資金が怪しくなってきた。先のカメラ市場でヤシカFX−3とゾナー135mmF2.8を査定してもらったら、1400元で買い取ると言うので、本当にお金に困ったら処分も検討せざるを得ない。もっとも、今回は高額な入場料を払う博物館や公園の類や市外へ出るようなバスに乗る観光は予定に無いので、食費以外にはかからない筈である。 。


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裏路地から外灘が見える。
こんな取って付けたトライクが方々で転がっている。

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黄金色に輝く上海のビル群。


人通りは多い。超有名スポットだからねえ。


まるでやる気のない売り子。





あちこちで記念写真を撮っている。








外灘近くにユースホテルを発見。







 荷物を展開して早速シャワーを浴びる。拙僧は基本的にはホテルでは全裸で過ごすことにしているので、空港で買ったスコッチを軽くやってベットに横たわった。時刻は15:30で、寝るには早いがパワーをチャージするのだ。1時間半ほど横になったが、当然眠くもないので買い出しを兼ねて散歩する。外灘から近いのを期待して選択したホテルだが、確かに歩いて5分も掛からないで辿り着く。裏路地が上海人の生活感が溢れていて海外に久しく接していない拙僧の肝を冷やすが、2日もすれば慣れるだろう。

 外灘は流石に人通りが多かった。思ったよりも治安も良さそうで夜景を撮るのも不都合はなさそうだ。観光客がいたる所で記念写真を撮っているので、カメラをぶら下げていても不自然ではない。1時間ほどの散歩の後にカップ麺とビールを買ってホテルに戻る。初日からカップ麺というのは寂しいものだが、この界隈に外国人が気軽に入れそうなレストランが無かったのだ。妻に電話して早々に寝る。

カメラ市場へ続く。

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