シャープ VN−EZ3について


VN-EZ3

☆ジャンク度☆
電池蓋破損
撮影可能


VN-EZ3 VN-EZ3
 レンズは180°回転する。

VN-EZ3
 マクロモードつき固定焦点レンズ搭載。

VN-EZ3 VN-EZ3
 グリップにはレリーズボタンが配置され、操作感は良い。

VN-EZ3
 旧世紀デジカメらしく、起動時間は長い。

VN-EZ3
 一応、サムネイル表示などできる。

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 操作系はシンプル。

VN-EZ3
 電池蓋の強度は構造的欠陥といっていいほど脆い。

VN-EZ3
 塗装は酷く弱い。

 本カメラは長い事欲しいカメラだった。一度、Hオフで転がっていた事があったのだけれども、それが類稀なるインターネットビューカムだとは知らなかったから35万画素級デジカメに1980円も払えぬと思いスルーしたのだ。あっと思ってからはもう遅い。その後、トンと見かける事は無かった。いや、一度大佐殿と秋葉原でゲリラ戦を展開した際にイラン人(推定)のバザールで見つけた事はあったのだけれども、「5000円」とふっかっけられたので速やかにスルーしたのであった。全く、ディスカウントするつもりにもなれない。それで殆ど忘れていたのだけれども、過日、大佐殿から宝物が届いたのだ。それが本カメラVN−EZ3なのである。しかも元箱取説専用ソフトつき。全く感謝に尽きない。それで早速撮影してコンテンツ作りをしようと思っていたのだけれども、仕事が死ぬほど忙しくて、結局辞めてしまったりして心のショックも大きく、なかかなか手が進まなかったのである。大佐殿には深くお詫びしたい。
                  ☆               ☆
 それは兎も角、本カメラを紹介しよう。メーカーはシャープだ。旧世紀、様々な分野のメーカーがデジカメ戦線に参戦し駆逐されていったのだけれども、シャープという家電メーカーがデジカメに参戦するにはそれなりの背景があった。今では撤退してしまったみたいだけれども、シャープというメーカーはデジタルビデオカメラで一時代を築いたのだ。拙僧もminiDV時代のものを幾つか持っている。そのシャープの送り出すデジカメであるから当然動画に強いMPEG4デジカメとなった。勿論、受光素子は35万画素級だから記念切手みたいに小さい画像になるのだけれども、それは1999年当時のネット環境ではかえって都合が良かったのである。で、ついた名前がインターネットビューカムらしい。同期にはC−2020やファインピクス4700Zがあたるから、そろそろデジカメの方向性が固まってきた頃だ。動画デジカメと言うのはユニークな登場のさせ方だっただろう。
 電源をONすると起動に呆れるほど時間が掛かってしまうのだけれども、これは時代的に仕方がないだろう。180°回転するレンズは下に向けるとPLAYモードで回転させるとCAMERAモードになるのはよく出来ているとおもう。グリップは十分な大きさで不足はない。自然に親指が十字キーにかかるのもよく出来ていると思わせるが、撮影中は殆ど使う機会はないだろう。液晶ビュワーは晴天下で殆ど見えなくなってしまうタイプ。拙僧の固体は電池蓋が壊れてしまっているが、そもそも素材の強度が充分でなく、構造的にも問題があるレベルだと思われる。また、塗装も非常に弱く、簡単にはがれてしまう。当時、流行った半透明のiマック調の外装はおしゃれだが、どうも安普請に作られているような気がしてならない。インターフェイスレイアウトなど非常によく考えられているのだけれども、素材がプアでこのあたりでコスト削減を図ったように思われるのは惜しいな。そのくせ、3脚座は鉄製だったりしてすこしお金の賭け方がちぐはぐなようだ。
 まず、ムービーモードでの撮影である。兎に角、液晶ビュワーが見え辛いので初めは戸惑うのだけれども、慣れてくると「○REC」の文字が読み取れるので撮影は楽になる。画像は少しカクカクするけど、時代背景をおもんぱかれば騒ぎ立てるほどではない。
 再生画像は記念切手サイズで鑑賞するにはよく出来ている。ポケットにはいるムービーカメラとしてはがぞも滑らかでエッジもシャープ。色再現が少し眠いのと高照度に弱いのを除けば及第点だろう。もう少しましなレンズを搭載してくれれば良かったのだが、この辺もコスト減の元になっているのだろうな。ただ、ウィンドウズメディアプレイヤーで再生するとおせっかいにもフルサイズで表示されてしまうので画像の荒さが目立ってしまう。昔のバージョンではそんな事はなかったので、なんでも大きく表示すれば良いのではないとマイクロソフトも解ってほしいものだ。
 本カメラの本質は動画撮影にあるため、スチル撮影には必ずしも適したものではない。レリーズボタンを押下すると一瞬だけ「○REC」の表示が出るのだけれども、そもそも液晶ビュワーが見辛いので難渋する。せめて撮影画像を数秒間表示する等の工夫が欲しかった。もっとも、本カメラで撮影したスチル画像のクオリティはイマイチである。プアデジカメにありがちな高照度の弱さで、快晴下での撮影画像は露出多過で真っ白になってしまう。あくまでもスチル撮影はオマケだと思ったほうが良いだろう。
                  ☆               ☆
 安普請なボディがイマイチおしいけど、本カメラはよく考えられたカメラだと思う。シャープは後裔機としてVN−EZ5が発売されたきりでデジカメからは撤退してしまった。当時の実勢価格はしらないけれど、肝心なところにもう少しお金をかけてくれれば秀作カメラになったかもしれないと思うのに残念だ。
 もっとも、あまりシャープではない小さな動画を鑑賞する楽しみもあるので、今後も気が向けばつかってやりたいものである。折角の大佐殿からの供給品なのだから。

   では、撮影結果を見て下さい。

(了:2008/05/09)

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