リコー R10について


R10
GRを思わす硬派スタイル

☆ジャンク度☆
液晶に若干シミ有
撮影可能



R10 R10
焦点距離はライカ判換算28〜200mm、最短撮影距離は1cmと強力な破壊力を持ったレンズを搭載。


R10 R10
エッジの効いたボディが男子心をくすぐる。


R10 R10
「7.1xOPTICAL WIDE ZOOM LENS」の文言は刻印である。
ダイヤルの節度も適切で、品質の良さを感じる。


R10 R10
考えられた操作系で親和性が高い。


R10
大型で見やすい液晶ビュワーだが、晴天下では少々暗くなる。
残念なのはシミがついてしまったことだ。

 驚いてしまったのが、本カメラの発売開始が2008年の8月なのである。既にコンパクトデジカメが1000万画級になってから、もう5年が経過しているのだ。拙僧はキタムラに行っても、新品カメラには殆ど関心を持っていないから、現在はどのような状況になっているのかはよくわからない。
 リコーの「R」シリーズはリコーのラインナップの中でもベーシックに位置するようだ。とはいえ、ライカ判換算で28〜200mmの光学7.1倍ズームレンズを搭載し、最短さ吊距離は広角側で1cm、望遠側で25cmだというから、近代的な戦闘に堪えるパワーを備えている。この強力なレンズの仕様はキャプリオR7を踏襲している。キャプリオR7も強力なパワーを持ったカメラだが、そのスタイリングは悪くは無い物の、ライバル達に比べて格別なアドバンテージを持つものではなかった。いわゆる、「クラスで5番目か6番目にカワイイ女子(キャプリオのスタイリングは男性的な物であるが)」という月並みな立ち位置だ。そもそも、リコーのベーシック〜スタンダードクラスのスタイリングというのは褒めたれたものではない。
 そこでリコーはフィルムカメのGRシリーズの視点に戻ったようだ。拙僧の記憶が正しければ、開発に深くかかわった長徳氏がリコーに提示したスタイリングは「R1のスタイリングを踏襲し、プロトタイプのようなイメージを残す」というものだった。これが「大人の道具」のイメージを髣髴させ、その評価はGRデジタルの例を挙げるまでも無く成功した。そこでベーシッククラスのRシリーズの本カメラにも、その手法を用いている。どうも、そのソリッドな方向性は全モデルのR8から開花したようなのだが、拙僧は手にしたことが無いので本カメラから読み取ることにしたい。
 ボディサイズはイタズラに小型化を狙った物ではない。むしろ四角い直線基調のボディは、過去のR7に比べて大きくなっているだろう。お蔭で不自然なく、大型液晶ビュワーの搭載を可能にしている。外装は恐らく金属製で、ボディ上面以外はマット時になっている。「R10」のロゴも浮き上がったモールドとなって手抜きが無い。カメラを構えて最も注目となるボディ上面はヘアライン加工がなされていて、高級感を与えている。「7.1xOPTICAL WIDE ZOOM LENS」の文言は刻印である。こういう宣伝文句のようなセンテンスは控え目にするのが常套なのだが、刻印とすることでクールな雰囲気を漂わせることが出来た。ボディのエッジは立っていて、特にシーンモードコマンドダイヤルの切り立った鋭いエッジはシャープでアクセントになっている。どこか、プロトタイプのクレイモデルを髣髴させ、この点は成功しているだろう。
 操作系では「ADJ/OK」のプッシュボタンを兼ねた十字キーがタッチングの節度も良く優秀だ。これに「MENU」ボタンと「Fn(ファンクション)」ボタンが、インターフェイスの主となる。この「Fn」ボタンにはシーンモードによって様々な機能をカスタマイズして割り当てることが出来るらしいのだが、拙僧には難しいのでトレースできていない。「オート撮影モード」「My1モード」「My2モード」では、このボタンを押下するとフォーカス/AEポイントを移動選択することが出来る。基本的にはAFはオートであてになるので、物撮りのマクロ撮影くらいしか用途は浮かばない。本カメラの特徴的な機能として電子式水準器が取り上げられるようだ。これは液晶ビュワーの下部に左右の傾きを表すインディケーターを表示するものだ。スナップで斜めフレーミングをするような拙僧には、あまり有効ではなく、正直撮影時にはそんな機能が付いていたとは気づかなかった。
                    ☆             ☆
 実際に手に取ってみよう。このクラスのカメラとしてはやや大きいボディだが、前述の通り、シャープなスタイリングがむしろ高性能を期待させ、好印象だ。ラバー地のグリップの形状も指にフィットし、フィルム時代のRやGRでの精錬された経験が活きているようだ。電源ボタンは限りなく小さいが、少し窪んでいて思ったほど抵抗感はない。電源ONから撮影可能状態に至るまでは2.5秒ほどで、標準的だろう。
 実際の撮影はどうであろうか。先に結論を言うと、2008年登場のカメラとしては、少々使い勝手に問題がある。別に画質が悪いとかそういう事ではない。そもそも、本カメラは7.1倍ズームレンズが気を吐いているが、価格的には実売5万円程度でハイクラスのコンパクトデジカメではないのだ。キャプリオR7はそういうカメラだった。それが、高級感や高性能を感じさせるクールなスタイリングなので過度に期待してしまう。
 まずはレスポンスに問題がある。拙僧の戦闘はスナップの撮り逃げである。起動は並みで良いが、瞬時に被写体にレンズを向け、レリーズ後は速やかに何もなかったような顔をする。この時間が3秒にもなれば、敵の狙撃兵に眉間を撃ち抜かれてしまうのだ。本カメラはレリーズボタンを押下してから実際の画像を記録するまでに、2008年のカメラとしては標準以下のデュレイが発生する。なので、レリーズボタンを押下し、撮影が完了したと思い銃口(レンズ)を下げると、そこにはレンズを下に向けた過程で写された流れ模様の被写体の下半身が写りこんでいるのだ。何せ、スタイリングが速そうなので誤解してしまう。ちゃんとした画像を写そうとしたら、被写体に向って2秒はレリーズボタンを押下しながら銃口を向けなければならない。これは、相手が警戒心の強い幼児だったりすると確実に気づかれる。
 また、AFはあてになるのだが、AEは天候によってやや不安定な傾向にある。これは、露出の問題と言うよりも画像処理の問題なのかもしれないが、晴天下で妙にコントラストが高いヴィヴィットな絵を作るかと思えば、ちょっと雲がかった空の下では実にフラットな発色になってしまう。また、露出がオーバーになってしまうこともあれば、アンダーになってしまうこともある。拙僧は3〜5回ほどしか戦闘に使っていないが、その法則性はとうとう良くわからなかった。
                    ☆             ☆
 リコーのカメラのスタイリングは、フィルムカメラ時代から奇抜な物が多かった。例えば、古くはリコレット、大ヒットしたリコーオートハーフ、近未来的なスタイリングのリコーオート35など、その数は豊富だ。リコーオート35などは、その未来を先取りしすぎて、ちょっとプロトタイプそのままを思わせるものがある。リコーの戦闘的なスタイリングは古くから伝統的に継承されてきたのであろう。
 それゆえに、カメラとしてのパワーがイマイチなのが実に惜しい。

   では、撮影結果(田原祭り編)を見て頂きたい。

(了:2013/2/24)

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