コニカ Q−M100Vについて


Q_M100V

☆ジャンク度☆
なし
撮影可能


Q_M100V Q_M100V
 レンズに沿ってスライドするメインスイッチ。


Q_M100V
 レンズ名は期待のヘキサノンの名を冠す。


Q_M100V Q_M100V
 野暮ったいデザインといい、どうも現場監督のイメージを思い浮かべる。


Q_M100V
 背面のボタンは大きく押しやすい。


Q_M100V Q_M100V
 カメラ側で設定できる項目は極端に少ない。
 諸設定はPCにつなげて行うようだ。


Q_M100V
 この小さなボタンが液晶ビュワーのボタン。


Q_M100V
 画像再生中。


Q_M100V Q_M100V
 再生時に設定できる項目も少ない。
 しかし、これで充分なのだ。


Q_M100V Q_M100V
 電源は単三型電池4本を使用。
 記録媒体はコンパクトフラッシュ。



 無骨で気の利かないデザインと大柄なボディ、それにグリップを覆ったラバー辺りから一見工事現場カメラのようなイメージを持ってしまうが、こいつは普通の108万画素級デジカメだ。「現場監督」で名をはすコニカから送りだされたカメラだから、デザイン的にもそういう血脈を引いているのかもしれないな。実際、本カメラから派生した本物の工事カメラのDG−1というのがこの後に登場した。
 108万画素というと中途半端な気がするけど、本カメラの登場した98年頃と言うのはコダックのDC−210AZoomとかニコンのクールピクス600とか意外と多い。拙僧のHPでは、こういった130万画素に満たないメガピクセル級デジカメは85万画素級デジカメのカテゴリーに入れさせて頂いている。当時は下に85万画素級のキヤノンのパワーショットA5とかエプソンのCP−500といった市場があって、それらよりは高品質な画像を提供し、130〜150万画素級デジカメよりは2〜3割安いメガピクセルそこそこのデジカメと言うのがそれなりに存在意義があったのである。いや、本当に存在意義があったのはかはコンテンツの最後で判断しよう。
                   ☆               ☆
 実際に撮影に使ってみよう。大柄なボディと紹介したが、フィルムカメラだってオリンパスのμとかリコーのR1みたいな特別なカメラを除いたらそれほど変わらない大きさなのである。現在のデジカメがあまりにもコンパクトなのでそう思ってしまうのだ。兎に角、そのボディマスとグリップ形状はホールディングには良好であり、この辺りのデザインはカメラメーカーとしてのコニカの技が生かされているのではと感じる。
 レンズに沿って湾曲したスライドスイッチをスライドさせるとレンズカバーが開き、撮影可能状態となる。起動時間はこの時代のデジカメとしてはかなり早い。但し、やはりこの時代のデジカメの傾向としてデフォルトで液晶ビュワーが表示されないようになっている。こういうのは内部スイッチか何かで記憶して欲しいと思うのだけれども、オリンパスも相当長い間、電源ON時に液晶ビュワーOFFがデフォルトだったから色々と事情があるのだろう。
 まず、光学ビュワーで撮影する。露光を示すビープ音などは無く、「チッ」という僅か機械音で撮影が完了した事が伝わる。記録時間はスーパーファインモードで7秒ほどかかるがこれは時代的にしょうがないだろう。困ってしまうのは撮影した画像のプレビューがなされないことだ。記録時間が長くても、撮影した画像が表示されればそれで納得できるのに惜しい。そもそも、撮影画像がすぐに見れるのがデジカメの最大の利点なのだからこれは改善して欲しかった。紹介し忘れたが本カメラは半年ほど前にコニカが発売したQ−M100のマイナーチェンジモデルである。マイナーチェンジといっても受光素子がまるで変わっているので画作りも全く異なるのであろうが、外観や操作系は殆ど踏襲されているようだ。ユーザーからの提案で改善できなかったのであろうか?
 次に液晶ビュワーを使用しての撮影なのだけれども、この液晶ビュワーはいただけない。粒子が粗い上にそのカクカクとした追随性はまるでデジカメ創成期のQV−11並で、これで正確なフレーミングをするのは結構な作業である。同世代のファインピクス700がずーっとまともな液晶ビュワーを持っていたのだから、これはちょっとコストダウンにも過ぎただろう。また、これはコストダウンによるものなのか解らないのだけれども、本カメラで液晶ビュワーで設定できる項目は非常に限定されている。撮影時は「露出補正」と「明るさ」と「連射/デジタルズーム」の3種類。再生時も「プロテクト」と「削除」と「サムネイル表示」の3種類。こういったプリミティブな操作系と言うのは清く好ましいものだけれども、パワーショットA5の緻密に階層化されたメニューに比べると対照的である。ただ、本カメラはPCに繋げるとホワイトバランスやセルフタイマーのインターバルなどかなり細かな設定が出来るらしい。ジャンク本体ではホワイトバランスの設定も出来ないけれども、拙僧にはそれでも充分だ。
 肝心の画像は上手く露出が決まればクラス並みには満足な物である。どうも色の乗りが濃い場合と薄い場合があるのだけれども、どうしてそうなるのかは解らない。ラチュードは狭く、簡単に白とびがする。この辺りのサジ加減の具合はファインピクス500に比べると一歩譲るようだ。
 ちょっと致命的な欠点はAFで、特にマクロモードでよく外すようだ。例えば花を写そうとするとバックの葉っぱにフォーカスが合ってしまう。液晶ビュワーでピントの具合を確認する事は不可能だから困ったものだ。
                   ☆               ☆
 本カメラは108万画素級デジカメとしてはよく出来たほうでライカ判換算で39mmF2.8のヘキサノンもそれなりにパワーを秘めているのではと想像される。ただ、登場当時に新品で購入する意義があったかどうかは微妙なところだ。直接のライバルはフジのファインピクス500になるだろうがこれが定価ベースで約7.5万円。対する本カメラは約7万円だ。これが実売ベースでどのくらいの価格差があったかどうかは解らないけれども、恐らく5000〜10000円位の差があったと思われる。これで本カメラは108万画素でファインピクス500は150万画素。ファインピクス500も薄らでかくて気の利かないデザインだけれども、基本ベースを傑作機、ファインピクス700としていて、内部機構がデチューンされていて処理が遅かったりするけど画像処理は若干チューニングされていて逆光などもファインピクス700より良かったりするから、同じ単三型電池使用デジカメとしては強烈なライバルなのである。スマートメディアと言うのは今となっては難点だけれども、もし、拙僧だったら少しお金を払ってファインピクス500を買ってしまっただろうな。
 勿論、それはジャンク1000円で遊ぶ今となっては、あまり重要でない話なのだけれども。

 では、撮影結果を見て頂きたい。

(了:2008/8/30)

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