キヤノン パワーショットS2ISについて


PowerShotS2IS

☆ジャンク度☆
不具合なし
撮影可能


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 手ブレ補正機能付きライカ判換算で36〜432mmF2.7〜3.5とは立派。


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 500万画素級撮像素子と光学12倍ズームレンズが自慢。


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 高く跳ね上がるフラッシュが効きそうである。


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 ダイヤルやレバーが目立ち、軍艦部という形容が似合う。


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 操作系は機能が独立しているので使いやすい。


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 動画撮影のショートカットキーはキヤノンの動画撮影の自信が現れている。


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 EVFとバリアングル液晶ビュワーでフレキシブルな撮影が可能。


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 キヤノンの上位機としては珍しい単三型電池使用。
 

 オリンパスがコンパクトデジカメのボディに高倍率ズームレンズを搭載したC−700シリーズを登場させてから、高倍率ズーム機というジャンルが開拓された。いわゆるデジカメ時代のブリッジカメラだな。それ以前にも高倍率ズームを搭載したデジカメは有ったのだが、高額だったり大振りだったりして広く浸透したとは言えなかった。カメラとしての基本機能をどのレベルに位置づけるかは各社温度差があったが、共通する定義は「コンパクト」「10〜12倍の高倍率ズームレンズ」「EVF」「手ブレ補正機能」であろう。このうち、オリンパスについては、「手ブレ補正」を搭載せず、代わりにシャッタースピードが一定以上に遅くなると感度をゲインアップさせてブレを防ぐ機能を採用していた。これは手ブレは気合で防げても被写体ブレは防げないという点からは意義があると思われたのだが、メカニカルな魅力には欠け、評価は今一歩だったようである。ルミックスFZシリーズの「アユはブレない」には勝てなかったわけだ。
 本カメラを一言で言えば「万能機」である。キヤノンの公式HPによると本カメラの登場は2005年の5月である。ライバルはパナソニックのFZ5、コニカミノルタのZ5辺りになるのであろう。ライバル達に比べてキヤノンが圧倒的に意識したのは保守的ともいえる程のカメラとしての基本性能だと思う。ライバル達に比べて大柄なボディもEOSやキヤノン製デジカメの上級機を扱ってきたユーザーにとっては何の違和感も無く扱えるだろう。大きなコマンドダイヤルや分かりやすい位置のMFボタン、マクロボタンなど、カメラで撮影するということが分かっている方なら本カメラでの撮影は容易に移行できる。本カメラの最大の魅力は蓄積された豊富な技術力を持つキヤノンが大体な感じで作っているところである。その点、ある機能に特化したライバル達に比べると鷹揚で裾の根が広いカメラなのである。それでいて、ステレオ音声の動画機能やバリアングル液晶モニターなど、分かりやすいアピールも忘れないところなどしたたかな点だ。
 本カメラの多彩な機能を全て紹介することは困難である。何故なら拙僧が使わないし興味も無いからだ。なので拙僧が扱った範疇のみ紹介し、詳しく正確な情報は他の方々のコンテンツに譲らせていただく。
                  ☆            ☆
 レンズはライカ判換算で36〜432mmF2.7〜3.5でフィルムカメラなら後頭部を殴られたようなパワフルなレンズだ。これをパワーショットA10並みのコンパクトカメラサイズのボディに搭載する。ライバル達に比べると幾分大柄だがフィルム時代のコンパクトカメラがズームレンズ時代になると最早コンパクトでなかった頃に比べると充分コンパクトであろう。勿論、グリップや各部インターフェイスのデザインは考えられており、ホールディング、操作感は抜群である。ズーミングはレリーズボタン前のレバーで行い深く傾けると速く、浅く傾けると遅く焦点距離が変わる。広角側から望遠側までの移動は1秒で行われるそうだが、実際そのくらい速い。また、特筆すべきはそのマクロ機能で通常のマクロ撮影モードでも広角側で10cmまで寄れるのだが、スーパーマクロ撮影モードにすると広角側で0〜10cmまで寄れるのだ。0cmと言うのも凄いなあ。
 フレーミングは軍艦部に位置するEVFとバリアングル液晶ビュワーで行う。EVFは随分と良くなった。技術の進化もあるかもしれないが、拙僧がこういうファインダーに慣れてきたと言う事かもしれない。MF時に中央部が拡大されるが、残念ながらこういったファインダーでマニアルでフォーカシングできるほど進化していない。まあ、EVFでもAFが当たったか外れたかは分かるので良しではないか。しかし、困ったのは撮影後で、撮影画像がプレビューされるのだけれど、その時に同時にヒストグラムとか諸情報が表示されるのでただでさえEVFの中の小さな画像が更に縮小されてしまって、こうなるとピントが合っているかどうかすら分からない。どうも、拙僧はプレビュー時にヒストグラムが仰々しく表示されるのを好まないのだけれども、ちょっとした高級機になると必ず搭載される機能なので需要はあるのだろう。もしかしたらプレビュー時に諸情報を表示しないモードがあるかもしれない。しかし、その設定を探すことが億劫になってしまうメニューの階層構造はちょっと問題かな。また、EVFはだいぶ改善されたとはいえ、レリーズ後に大小のデュレイが発生するのでレリーズボタンを押すまではピントが合っていたのに実際の画像を見たら合っていなかったというケースは往々にあるのでいかがな物かと思う。バリアングル液晶ビュワーはその仰角が変えられるのでローアングルや逆に頭越しの撮影に便利である。アキバのラジオ会館の前で人垣越しに声優系アイドルのライブを撮影するのに便利だろう。しかも、EVFを使用するときは液晶ビュワーを裏返しにしておけば液晶ビュワーを鼻の脂で汚さずに便利である。液晶ビュワーを裏返しにしてたたむと自動的にEVFモードになるなど気が利いている。液晶ビュワーはちょっと小ぶりだが、バリアングルという長所の為なら問題にはならないだろう。
 撮影モードはカスタムを含めたマルチモード+シーンモードで大盤振る舞いである。ポートレイトや遠景といったメジャーでコマンドダイヤル上に現れているモードのほかにスペシャルシーンモードといってパーティやらスノーやらナイトスナップやらときめ細かなシーンモードが用意されている。もっとも、あきれるほどのシーンモードの数々と言うのは上級機のみならずクールピクス7600のような普及機でもあったから、デジタルの世の中ではちょっとさじ加減の異なる撮影モードの10や20を搭載するのはたいした手間ではないのだろう。フラッシュは勝手に立ち上がって光ったりしないので誉められた物である。
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 こういったブリッジカメラの類と言うのはフィルムカメラではつかの間の夢だったのだけれども、現在のこの種のデジカメは光学24倍ズームとからしい。月とか鳥とかの方々に好評だそうだ。今なら高度な手振れ補正も搭載しているだろうから、多分かなり使えるのだろう。ただ、拙僧個人はどうもこういう高倍率ズームカメラの需要は少ない。本カメラを入手したのは結構前だったのだが、画像を調べたら2008年の名古屋場所が写っていた。今回、本カメラを持ち出したのも2011年の名古屋場所だから、そのくらいしか出番が無いのである。

   では、撮影結果を見て下さい。

(了:2011/8/22)

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