キヤノン パワーショットA200について


PowerShotA200

☆ジャンク度☆
不具合なし
撮影可能


PowerShotA200 PowerShotA200
 レンズはライカ判換算で39mmF2.8の単焦点。
 レンズカバー付き。


PowerShotA200
 爪を押し下げて電源ONする。


PowerShotA200 PowerShotA200
 ボタンは多いが単機能化されておりマニアルを読まなくても自然に使える。
 液晶ビュワーに並んでいる3つの四角が3点AiAF測距エリア。


PowerShotA200 PowerShotA200
 扱いやすいボタン。


PowerShotA200
 ボタンは弾力性のあるゴム製だが大きさも充分で使いやすい。


PowerShotA200 PowerShotA200
 廉価機ほど多機能を唄いたがる。
 

 久々に見るキヤノンらしいアバンギャルドなルックスが目立つコンパクトデジカメだ。IXYに騙されているが、キヤノンの普及機と言うのは時折センスの曲がったカメラを出すのである。当初は200万画素級のパワーショットA20を単純に単焦点にして電源を単3型電池2本にしたものだと思ったが、より小型の受光素子を搭載し、徹底したコスト削減の上に成り立っているようである。ちなみに姉妹機として120万画素級のパワーショットA100が存在する。
                  ☆               ☆
 レンズはライカ判換算で39mmと少し標準側に振ってある。非球面レンズを含んだ5群5枚のシンプルな構成のレンズだが、単焦点レンズはシンプルなほうが良い。明るさはF2.8で立派な物である。実際、室内でも大抵の場合はフラッシュを使う必要は無い。なので、電源OFF毎にフラッシュモードがリセットされてしまうのは残念だ。ちなみにフラッシュのチャージはあきれるほど時間がかかる。最短撮影距離は5cmと立派でキヤノンのコンセプトが分かる。これは常識的な乾電池型バッテリーを採用したメモカメラなのだ。スナップから草花の接写までそつなくこなす。恐らく、広角側に無理に広げなかったのは接写による歪みを無くす為だったのだろう。勿論それだけではあるまいが。
 非同心円としたレンズの周りのリングの爪を下に下げるとレンズのカバーが開き撮影モードになる。このリングのデザインは嫌いな人には全く受け付けられないだろう。このリングを貼り付けた羊羹というのが本カメラの外観である。このリングは工夫されていて、下に2回下げると動画撮影モードになり、上に跳ね上げると電源OFFになる。キヤノンらしいよく考えられたギミックだ。気をつけなければならないのは、本カメラは21世紀カメラとはいえ基本的にはこなれた技術で構成されているため、リングの押し下げは約1秒ほど続ける必要がある。これをやらずにただリングの爪を弾くだけではレンズのカバーは開くが本体は起動しない。初めは拙僧も壊れているのかと思ったが、クラデジカメを扱うには焦りは禁物である。液晶ビュワーが表示されると画面中央に3つの四角が横一列に並んでいる。これはキヤノン独自の3点測距AiAFの指標でこれはパワーショットA20では現れず、パワーショットA40になって現れる物だから本カメラの技術のベースはパワーショットA40からなっているのであろう。尚、測距点は中央1点を選択することも可能らしいが拙僧はやったことが無い。普及期ながら高度なノイズレス機能を搭載し良好な画像を得ることが出来るそうだ。拙僧の目にはよく分からないが。実際、本カメラの登場した2002年の6月と言うのは130〜200万画素のデジカメは成熟しており、まあ、稀には明後日のホワイトバランスを弾くカメラも無きにしも非ずであったが、晴天下の被写体を撮影する分には大抵綺麗に写るので画質の点で特筆すべきことは無い。違うのは電源起動やAFのレスポンスやインターフェイス周りとコンセプトなのである。後、本カメラの場合は4倍デジタルズームが出来るとか、専用カードプリンタにPCレスでプリントできるとか、画像エフェクトが出来るとかいろいろ機能が付いているようだけど、何れも付加価値というほどのものでもない。そんな物は無くても、本カメラはメモカメラというコンセプトを充分満たしている上、キヤノンらしく操作系もこなれているのでマニアルが無くても本来の性能を充分発揮できるだろう。
 まあ、それでは身も蓋も無いから撮影に使ってみよう。ボタンは多いほうだが単機能に徹しているので感覚的に身に付く。いちいち階層メニューを掘り起こさなくて済むのは快適だ。ボタンはキヤノンらしい弾力のあるゴム製だが、本カメラのボタンは比較的大きいので操作は不快ではなかった。液晶ビュワーは晴天下でも見辛いことも無いが、折角の単焦点レンズなので光学ファインダーを使うことに躊躇するべきではないだろう。本カメラは2002年半ばに発売されたカメラにしては電池の持ちはイマイチなので省エネにもなる。液晶ビュワーを消していても撮影した画像はプレビュー表示されるので便利である。AFユニットは決して高度なものではないと思われるが単焦点レンズだからなのかストレスは少なく確実に合う。また、合焦してからの記録は素早くメモカメラとしては適切である。本カメラは基礎的なテクノロジーは最先端ではないが割り切りと工夫で快適な撮影を提供する。これは普及機の提供としては良心的な手段であろう。
                  ☆               ☆
 当時なら、グロテスクな外観と大柄なボディが気にならない方ならお勧めできただろう。販売価格は拙僧も覚えていて2万円+α。これに単3型充電池と充分なコンパクトメモリを組み合わせれば3万円前後とお買い得であったはずだ。もっとも、拙僧が選んだのは棚ずれ品の120万画素級デジカメにパワーショットA10に32MBのメモリが付いた特価品だった。本当に物撮りがしたい場合は広角で寄れるより、やはり望遠側が必要なのである。

   では、撮影結果を見て下さい。

(了:2009/5/22)

クラデジカメ系列メニューへ戻る
「意してプラカメ拾う者なし」へ戻る

inserted by FC2 system