キヤノン パワーショットA20について


PowershotA20

☆ジャンク度☆
無し
撮影可能


PowershotA20
 グリップのロゴと色が本カメラのアイデンティティとなっている。


PowershotA20 PowershotA20
 ライカ判換算で35〜105mmの3倍ズーム。
 当時標準的な2.1メガピクセル。


PowershotA20 PowershotA20
 シンプルなボディ上面。


PowershotA20 PowershotA20
 まだまだ、電池食いで光学ファインダーが活躍した。


PowershotA20 PowershotA20
 液晶ビュワーの周辺に配置されたボタン。
 コマンドダイヤルの位置も適当。


PowershotA20 PowershotA20
 記録媒体はコンパクトフラッシュ、電源は単三型電池4本使用。



 それまでガリバーIXY型外装に専用電池を電源としたパワーショットA5シリーズに替わって、Aシリーズを正式に入門機として位置づけ登場したのがパワーショットA10/A20だった。パワーショットA10は130万画素級のより普及機として位置づけられ、パワーショットA20は当時一般的であった200万画素級の上級入門機として位置づけられた。
 拙僧が初めてデジカメを購入したのはパワーショットA10である。後裔機のパワーショットA30/A40が登場した時に型落ちで安く買ったのだ。32MBのメモリ付きで約2万円。恐らく、もう数千円プラスでパワーショットA20のセットが買えたと思うのだが、当時の拙僧はそれほどデジカメに熱を入れていたわけではなく。なんとなく一台は欲しいと思っただけなので価格しか見ていなかった。熱を入れていたのはネオパンFにイルフォードのRCペーパーだったのだ。結果的にこれは正解だった。その後、新品で買ったパワーショットA10は1年ほどロクに使わなかったのだが、HPを立ち上げるにあたり、その物撮りの実力に気づくことになる。そうなると、もっぱら撮影は640x480で行ったから折角の130万画素も無用の長物だったのである。もっとも、ライカ判換算で35〜105mmF2.8〜4.8の3倍ズームレンズはなかなか優秀だったが、マクロモードで広角側16cm、望遠側26cmというのは他社のライバルに比べても物撮りに向いているとは言いがたかったが、なにしろ奇のてらったところが無いカメラで使いやすく、ワークホースとして重宝した。もっとも、三脚ごと倒すことは数十回。タフなカメラであったが、とうとうズームがおかしくなって処分したのである。
 そういった訳で拙僧にとって思い出深いパワーショットA10なのだが、その素性のよさから後裔機のパワーショットA30/A40も手に入れてしまった。そして、とうとう本カメラ「パワーショットA20」も手に入れてしまったのである。これは完全にアホだな。
 当時は使い勝手の良さも現在のレベルで見れば性能的には見劣るのは致し方ない。一連の本カメラも含め、パワーショットは簡単に言うと専用電池でデザイン性に特化したIXYデジタルを常識的な単三型電池4本にしボディを常識的なコンパクトカメラの形にしたものである。現在の目で見ると大柄なボディも当時としてはコンパクトな方であった。また、実際に手にすると実に手にフィットする。これにはグリップの形状などが大きく関っているのだろうが、キヤノンの人間工学の賜物だろう。拙僧などはなで肩のボディ形状といい600系EOSを思う。AFのスピードのもたつき、レリーズ後のタイムラグなどはその時代によるものなので欠点とは言えない。この時代、動くものはデジカメでは撮れないと言われていたのだ。本カメラの欠点はその小さなボタンである。特に電源ボタンの操作性が悪い。これは意図して誤動作を防ぐためなのだと思うのだが、ぐーっと押し込まないと電源が入らないのである。ただ、パワーショットA50のようなそれまでのカメラに比べてメニュー等は分かりやすく操作系はよく考えられている。ジョグダイヤルには再生とオート撮影モードとマニアル撮影モードとパノラマ撮影モードが割り当てられている。マニアル撮影モードとはいっても弄れるのはホワイトバランスと露出補正くらいだが、マニアルモードのホワイトバランスを蛍光灯にしてブツ撮り用のマニアル撮影モードとデイライト下の通常撮影用のオート撮影モードに切り替えられる。これは実際には便利であった。
 諸設定のメニューは階層化された物ではなく、例えばサイズはラージ(1600x1200)、ミドル(1024x768)、スモール(640x480)、圧縮率はそれぞれ3段階に設定できる。これは実用的で使いやすい。AFはオートボーイ時代から継承された3点AiAFで外しは少ない。このクラスの入門機で3点AFというのは贅沢だが液晶ビュワー上ではそれは分からないので、後裔機のパワーショットA30/A40ではフォーカスエリアが表示されるようになった。
 この時代らしく、感度はISO100が標準で自動的にISO150までゲインアップされるが、薄暗いところではホールディングが重要になる。また、ISO100でも晴天下では最速1/1500でもオーバーになってしまうが、この辺りは致し方ないだろう。心なしか本カメラよりパワーショットA10の方が白く飛んでしまったカットは少ない気がする。とはいえ、受光素子が130万画素級と200万画素級と異なる以外、パワーショットA20ではより高精度なホワイトバランスの演算をしている他、デジタルズームが7.5倍とパワーショットA10の6倍を上回っているくらいで運用面は殆ど変わらない。
 パワーショットA10を処分して数年経っての使用だったが、全く違和感は無かった。もっとも、感動もない。しかし、よく出来たカメラだと思う。突飛の無い、入門機・実用機としてはそれでいいのだ。

 では、撮影結果を見て頂きたい。

(了:2009/9/5)

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