東芝 PDR−M25について


PDR_M25

よく出来た廉価デジカメ

☆ジャンク度☆
不具合なし
撮影可能


PDR_M25 PDR_M25
 ボディ中央部に位置した河豚の口のようなレンズが愛らしい。
 丸っこい左右対称のボディはロールフィルム時代のクラシックカメラを髣髴とさせる。


PDR_M25
 液晶パネルで撮影モードを表示させる良い時代のカメラ。
 こういうところはお金を削っていない。


PDR_M25 PDR_M25
 シンプルなコマンドダイヤル。
 撮影モードは液晶ビュワーにも表示される。


PDR_M25
 スライドスイッチで起動。


PDR_M25 PDR_M25
 十字キーはプッシュタイプ。光学ファインダーが嬉しい。
 ズームボタンは親指で操作。


PDR_M25 PDR_M25
 シンプルな操作系。
 電源は単三型電池4本、記録媒体はスマートメディア。

 東芝がデジカメを作っていたことはそろそろ忘れられようとしているのだろうか?デジカメ黎明機から2003年辺りまで東芝のデジカメは作られていた。もっとも、あのメーカーのデジカメにもこのメーカーのデジカメにも何らかの東芝の部品が使われているのは間違いないだろう。2003年と言うと主流は300万画素クラスだったがぼちぼち500万画素級コンパクトデジカメも登場し始めたころで、このあたりでデジカメの一つの時代が終わりかけていた頃のようだ。そういえばエプソンがコンパクトデジカメを止めてしまったのもこの頃である。
            ☆           ☆
 東芝のデジカメと言うのは手堅い印象がある。末期のものは明らかにIXYの影響下にあったが、ユニークな機能やデザインのモデルもある。例えばキヤノンの明るいズームレンズを搭載したりタッチパネルで操作ができたりと、まあ固い頭をフル回転したアイデアではあった。本カメラは普及機としてやはり手堅くまとまっているが、レンズはボディ中央に河豚の口のように膨らんだ基部に置かれ、長編は短いが厚みがあり、ボディさいどは半円を描いており、どこかロールフィルム時代のクラシックカメラに見え無くもない。ボディに厚みがあるのとボディサイドが円弧を描いているためホールディングは良い。
 ボディ上面にはモードダイヤルとレリーズボタン、それに3つのコマンドボタンとコマンドダイヤルが配置されている。液晶パネルは撮影枚数のほかフラッシュモードやマクロモード、電池残量や画質モードなど撮影に必要な情報は全て表示されているので液晶ビュワーで確認する必要はない。また、3つのコマンドボタンはマクロモード/セルフタイマー、フラッシュモード、画質モードを選択でき、これらのコマンドボタンとモードダイヤルで大抵の撮影はできるだろう。モードダイヤルはマニアル撮影モードとオート撮影モード、それに再生とセットアップモードが割り当てられている。マニアル撮影モードといっても、操作できるのはホワイトバランスと露出補正だけだ。ボディ背面にはプッシュ式の十字キーとズームボタン、画像削除ボタンが配置されている。ボディ上面に比べ、主に諸設定を行う操作系がボディ背面には与えられている。
 スライド式の電源スイッチで電源をONするとレンズが5mmほど伸長し、約5秒で撮影可能状態になる。21世紀デジカメとしては少しまどろこしいかもしれない。伸長したレンズは広角でも望遠でも殆ど長さは変わらないので取り回しはいいだろう。ただ、単三型電池を4本も使っているので若干重さが気になるが、これは時代的には仕方が無いことだろう。階層メニューからISO100、200、400が選べるがオートが無い。出来ればゲインアップを行うような賢さが欲しかった。ちなみにISO400で撮るとノイズが走ると言うか硬調な画像となる。
 特別豊かな階調と言うわけではないがそれなりに解像感の高い画質をえて、みずみずしい花びらなども再現する。ただ、ラチュードが狭いと言うわけでもないのだろうが、特に明るいシチュエーションでハイキーになってしまう傾向にある。拙僧はそれは特に問題だとは思わないが、逆行時に盛大にハレーションがでるのは問題だと思った。レンズの問題だろうか?
 ちなみにレンズはライカ判換算で38〜114mmF2.9〜F6.9とF値はかなり中途半端である。通常で40cm。マクロで8cmまで寄れる。
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 タイミング的にライバルはファインピクス2600Zであろうか。数値上はほぼ同じでファインピクスの方が電池は2本で駆動しボディもかなり小さい。ただし、本カメラは実売で3万円、ファインピクスは4万円だったそうである。手堅い技術でコストを下げた本カメラを選ぶか、より高い技術力で小型化を実現させたファインピクスに1万円余計に払うかは難しい問題だな。

   では、撮影結果を見て下さい。

(了:2009/5/13)

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