ペンタックス オプティオS5iデジタルについて


OptioS5i
カードサイズのオプティオSが500万画素になった

☆ジャンク度☆
不具合無し
撮影可能


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 いぶし銀のコンパクトボディ。


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 SMC銘が嬉しい、ペンタックズームレンズ。
 鏡筒基部に4つも「PENTAX」のロゴがエンボスされているのは、逆に安っぽく感じるなあ。

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 小さなグリップがついた。
 シンプルなボディ上部がスリムさを強調。


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 ボタン類は小さいが、ボディに傾斜を作ったり、出っ張りを大きめにしたりで、操作系は良好。

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 液晶ビュワーの大きさは上旬的だが、見え具合は良い。
 光学ファインダー付きが嬉しいところ。


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 液晶ビュワーに表示する諸情報は豊富。
 円形十字キーを中心とした操作系は良好。

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 電池蓋は開けやすくなった。

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 下面からみてもスリムさが目立つ。

 本カメラは2003年に登場したオプティオSの延長上にあり、撮像素子を500万画素級にしたものである。オプティオSの実現したコンパクトなボディは画期的であった。当時の専用電池型使用の同クラスというと、キヤノンではIXYデジタル30であり、オプティオSのコンパクトさが目立つ。良く知られることだが、カシオとのコラボで実現した。大まかにボディをカシオが担当し、レンズユニットをペンタックスが担当していたとされる。カシオからはエクスリムEX−Z3として登場したが、オプティオSとは性格付けが異なっている。オプティオSはコンパクトさを強調し、当時世界最速を誇ったのに対し、エクスリムEX−Z3はスリムながらもやや大型の液晶ビュワーと専用電池を採用し、ボディも最小に拘らず、使い勝手に重心を置いたパッケージングになっている。基本コンセプトはエクスリムEX−Z40に踏襲しているので、ご一読頂きたい。
 使用感はオプティオSやオプティオS4を踏襲しているのだが、本コンテンツでは改めて感じたことと、差異について簡単に紹介したい。登場は2004年の秋である。当時としてもコンパクトさは引き立っていたが、既に屈曲光学系で大型液晶ビュワーを搭載した、スタイリッシュなソニーのサイバーショットTシリーズが登場していたので、インパクトは若干薄れていた。それでも、ジャンク方面ではちょいちょい見かけるので、評価の高さを感じる。
 レンズはライカ判換算で35.5〜107mmF2.6〜4.8で、何だか端数が気になるが、ペンタックスらしい真面目な姿勢を感じる。これに500万画素級撮像素子を組み合わせる。最短撮影距離は18〜50cmと標準的だが、スーパーマクロモードを搭載し、6cmまで寄れる。レンズの焦点距離は実測値で10mmに固定となるが、ライカ判換算70〜80mm相当だろうか。かなり遊べるモードである。PFモードの他に、MFモードも搭載するのがペンタックスらしい律義さを感じるな。フォーカシングは十字キーで行うが、中心部を画面全体に拡大してフォーカシングをサポートする。正直なところ、液晶ビュワーの精度がそれほどでもないので、MFは使いやすくは無い。特別、本カメラの液晶が劣っているわけではないのだが。フォーカスポイントは7点だが、任意で49点から選択できる。
 電源ONから3秒強で撮影可能状態に遷移する。本カメラの特徴である、スライド格納式ズームレンズのギミックで、やや時間はかかるのだろう。気になったのは動作音が結構するのだが、これが経年劣化によるものなのか本来の仕様なのかは分からない。この種のこの朴とデジカメは7年もしたら製品寿命は終えていると理解するのも仕方ないだろうな。インターフェイス周りが素っ気ないので、かえって我々のようなオールドスタイルには心地よいのだが、実は21もの撮影モード(露出モード)を搭載し、更にデジタルフィルターモードでは「白黒、セピア、赤、桃、紫、青、緑、黄、ポスタリゼーション、スリム」と10種類のフィルターモードを搭載している。初心者やアート志向のニーズもがっちり対応しているのだが、それが表にでないところが何とも謙虚で素敵である。緑色の「QUICK」ボタンを押下するとワンタッチでグリーンモードに遷移する。これはいわゆる「初心者用オートモード」である。ルミックスで言うハートに相当するが、あのダイヤル式のセレクターではポケットやウェストバックの中で勝手に移動してしまう時が有るので、本カメラのボタン主体の操作系の利点もあるな。操作ボタンやレバーは小型だが、ボディに傾斜を持たせたり、突起を大きくして思ったほど操作性は悪くない。クールピクスSシリーズのズーミングレバーはやり過ぎだろう。
 外観では小さなグリップを付けて、フロントパネルに上下に段が付いた。他にもレンズ鏡筒基部のリング部がメタリックになっている。これらは装飾的な意味合いは強く、操作性の向上にはつながっていない。特にメタリックは安っぽく見えてマイナスだと思う。とはいえ、完成度のが高かった初代オプティオSの外観を、更に特徴を加えるのは難しかったのだろう。外観は変えない方がよかったと思うのは、我々ジャンク拾いの戯言で、300万画素級のオプティオSから500万画素級の本カメラに買い替える需要を啓発するには、何かしらの外観上の変化が営業的に必要だったのであろう。
                ☆           ☆
 ペンタックスは、その後HOYAの参加にくだり、今はリコーの一部門になっている。採算性の見込めるヘルス・メディカル部門はHOYAに取られてしまったから、今後のブランドの維持が不安であるが、デジ一眼レフのKシリーズは根強い人気があるから、今後も持続してもらいたいものである。
 執筆時のニュースとしてはコダックがポジの生産を終了してしまうようだ。ますます、伝統的な光学・感材メーカーの名が先細って行くのは寂しい限りである。

 では、撮影結果を見て頂きたい。

(了:2012/3/8)

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