ペンタックス オプティオS4について


OptioS4
最小最軽量マシンにさらに磨きがかかった。

☆ジャンク度☆
不具合無し
撮影可能


OptioS4 OptioS4
 「スライディングレンズシステム」でボディ幅よりも長いレンズを格納。

OptioS4
 ライカ判換算で35〜105mmF2.6〜4.8の光学3倍ズームレンズを搭載。

OptioS4
 ボディ上面はシンプルな配置。

OptioS4 OptioS4
 電源ボタンも押しやすくイルミネーション付き。
 何故か前オーナーが新幹線のステッカーと貼っている。

OptioS4 OptioS4
 ボタン類は適度な大きさと節度を保っており、操作しやすい。

OptioS4 OptioS4
 小型だが見やすい液晶ビュワー。
 バーチャルダイヤルで撮影モードを選択。

OptioS4
 電池蓋が開け辛いのが数少ないウィークポイント。


 ペンタックスが商売的にも市場認知としても初めて成功したのはオプティオSだろう。カシオとのコラボレーションだったが世界最少・最軽量を謳ったコンセプトは分かりやすく、金属ボディに包まれた名刺大のボディは充分に魅力的だった。そもそも、コンパクト・軽量ボディはMXやオート110などペンタックスの十八番であったのだ。本カメラは初代のオプティオSの撮像素子が400万画素級になり、正常進化したものである。
                ☆           ☆
 本カメラは基本的にオプティオSのコンポーネントを継承しているので、詳細はオプティオSのコンテンツを参照していただくとして、変わった点と改めて気づいた使用感を紹介させていただくことにしよう。
 操作上の変更点は少ないが、大きく変わったのは十字キーである。このプッシュ機能付き十字キーがジョグスティックタイプから円形ボタンタイプに変更なった。ジョグスティックタイプは小さいくてクリックの節度が無く、操作に慎重を迫られたが、円形ボタンタイプになって操作性はかなり向上した。十字キーの上はセルフタイマーと連射の切り替え、下は撮影モードの仮想ダイヤルの呼び出しを割り当てている。疑問なのは露出補正が左右に割り当てているのだが、これを押下しても液晶ビュワーに+1とか−1.5とか表示しないのだ。どうなっているのかというと、液晶ビュワーの下の方にある枠の中に緑色のポイントが移動するのである。これは感覚的に気づきやすいものではない。拙僧は気づかず、アンダーな画像を生産してしまった。ポインターによる表示そのものは予め知っていれば感覚的にわかりやすいのだろうが、数値により表示も併用してほしかった。液晶ビュワーの物も若干大きくなっているらしいのだが、違いは殆どわからない。見栄えは良いが晴天下では見えづらくなるが、これは本カメラの特定の欠点ではない。むしろ、光学ファインダーを搭載しているから活用も可能だ。
 レンズはオプティオSを継承したライカ判加算で35〜105mmF2.6〜4.8と、このサイズながら健闘した明るさである。もっと大振りなオプティオM20は暗いレンズを搭載している。マクロモードでズーム全域で18cmまで寄れるのはご立派。スーパーマクロモードを搭載しており、焦点距離が63mmに固定となるが6cmまで寄れる。余談だが、同じレンズを搭載するエクスリムも同様なのだが、後裔のペンタックスブランドでないレンズになるとまるで寄れないレンズになってしまう。
 起動から撮影に至るまでのレスポンスは良好で近代的な戦闘に耐えるものである。但し、記録には時間が掛かるようで、レリーズ後のプレビューに一瞬間を置くほか、レリーズ後直ぐに電源を切ろうとすると液晶ビュワーに記録中の旨の表示が出ることがある。別にシャッターチャンスを逃すわけではないので大した欠点だとは思わない。少々残念なのが感度の上限がISO200相当までなのだ。もうひと頑張りしてISO400まで対応してくれれば若干明るいレンズと相まって室内なのでも粘ったであろう。もっとも、クールピクス7600のように簡単にシャッター速度が遅くなることもなく、そこそこの明るさがあれば気になることはない。
 本カメラの最大の欠点は電池蓋である。電池蓋を開くにはボールペンのような突起物でロックを解除する必要がある。フィルムコンパクトカメラにもそのような方式の物は存在したが、デジカメは電池を交換する頻度は高いので煩雑に思う。バッテリーは小型で予備を持ち歩くのは容易だが、交換の為にわざわざボールペンを持ち出さなければならないのは面倒だ。但し、小さなバッテリーながら持ちは良い。恐らく、ペンタックスに省エネの技術があるのだろう。もう一つの欠点は再生モードでの起動が出来ないのだ。再生モードにするためには、一度起動して再生ボタンを押下する必要がある。再生時にレンズを伸長させたくない欲求はあるのでこれは残念である。これは後裔機になっても改善していない。(補足:ちくわいぬ殿より、オプティオシリーズは再生ボタンを押しながら電源を入れると、再生モードで起動すると指摘有り。ご指摘ありがとうございました。陳謝)
                ☆           ☆
 主要カメラメーカーの中でもペンタックスは最後にデジカメ戦線に参戦した。旧世紀にも若干のモデルを発売していたが、実験的な要素も強かったのか市場には殆ど日の目を見ないママ、忘れ去られようとしている。本格的な量産モデルであるオプティオシリーズが登場したのは新世紀になってからだ。これはいかにも腰が重い。ペンタックスはAPS登場の時に不参戦を表明し、結局心細くなったのかエフィーナシリーズを立ち上げ失敗している。これに懲りてのデジカメ参戦の見送りだったのかもしれないが、他社のアドバンテージの差を埋めるに相当苦労したようだから、これは明らかに失策だった。結局、ペンタックスはHOYAの傘下になってしまう。
 いまだにペンタックスSPをメインにして撮影している拙僧にとってはペンタックスの身売りは悲しい出来事だが、最近のメーカーHPを見ているとポップカルチャーをイメージした中々キャッチ―で魅力的な構成となっており、差別化路線が明確で好印象を持つ。
 モード系やガーリー系の方に支持されるペンタックスの未来の姿も良い物だ。幸い、ペンタックス原理主義者の方には645Dの選択肢が残っている。

 では、撮影結果(岡崎散歩編)を見て頂きたい。

(了:2011/5/9)

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