キヤノン IXYデジタル10について


IXY10
直線基調が美しいプチクールスタイリング

☆ジャンク度☆
不具合無し
撮影可能


IXY10 IXY10
 フラットなボディパネルがシンプルかつ美しい。

IXY10 IXY10
 スクエアのシルバーと円で構成したブラックのモノトーンが映える。

IXY10 IXY10
 直線基調が薄型ボディに映える。

IXY10 IXY10
 オーソドックスな操作系。
 光学ファインダーが嬉しい。

IXY10
 バッテリーが小型で持ちがイマイチなのが数少ない欠点である。

 最早、歴史の波に消えようとしているがIXYの起源はAPSコンパクトカメラにあった。今でもチェキやナチュラを使うようなカメラ女子も、APSは知らないかもしれない。いや、デジ一眼(レフ)の撮像素子のサイズを表す規格の一つとしては認識しているだろう。新規格のAPSフィルムに対応した小型(当時)コンパクトカメラとして登場したのがIXYだった。直線基調のスクエアボディが、当時クールとされたサッカーのナカタとオーバーラップしてヒットしたのである。デジカメ時代になっても、キヤノンはIXYライクなスタイリングのカメラを出していた。しかし、代表的なパワーショットA5にしてもパッと見はそれらしく見えるが、手に取るとデカい図体が美的感覚を阻害していた。IXYデジタル(初代)の登場は旧世紀末の2000年である。APSのIXYに比べると大柄だが、当時はデジカメと言えば薄らデカいソープケースめいたものが普通だったから、随分とスマートに見えた。実際に良く売れたようである。フィルム時代のブランドをデジカメ化した例ではμデジタルと並ぶ成功であろう。
 IXYデジタル(初代)の成功以降、ほぼ勝ちっぱなしのキヤノンに迷いが生じたのがIXYデジタル400/500である。ぼちぼち、ライバル達もスリム化・小型化が謙虚になったのだが、従来機に比べて大して小型化していないボディが、エッジを丸めた事によって更に鈍重に見えていた。同クラスでは比較的大型の1.8型撮像素子を採用し、絵作りでこだわりを見せたのかもしれないが、IXYデジタルはスタイリングが命なのである。その反動なのか、見事にフラットで薄型になったのが本カメラである。シルバーとブラックのモノトーンも面構えを精悍に見せている。
                         ☆               ☆
 本カメラのオーソドックスな雰囲気は心地よい物である。手振れ補正機構は非搭載だが、光学ファインダーを搭載しているのも保守的な雰囲気が出ていてよい。本カメラの登場時に兄弟機としてIXYデジタル90が登場しているが、こちらは液晶ビュワーが大型の代わりに光学ファインダーを非搭載としている。光学ファインファーなんて使わないと思うかもしれないが、室内でライトを用意するのも面倒でスローシャッターを切りたい場合などに便利だ。もっとも、手振れ補正機構があればよいという見方もあるだろうが。
 本カメラは顔認識AFを搭載し、同時の9つの顔を認識するそうだ。AFモードを伝統的なAiAFから顔認識AFに設定変更が可能なのである。ただし、大々的に顔認識AFを謳ったファインピクスF40fdと比べるとレスポンスは今一歩である。  キヤノンらしく、本カメラも完成度が高い。唯一不満なのは小型のバッテリーの持ちがイマイチなことだ。

 では、撮影結果(三河散歩編)を見て頂きたい。

(了:2012/5/19)

クラデジカメ系列メニューへ戻る
「意してプラカメ拾う者なし」へ戻る

inserted by FC2 system