フジフィルム ファインピクスV10について


FinepixV10
素材削りだし感のヘアライン加工したフィニシングが美しい

☆ジャンク度☆
不具合無し
撮影可能


FinepixV10 FinepixV10
 レンズ銘のプリントが擦り切れて消えてしまった。
 顔認識AFの搭載も特徴である。

FinepixV10 FinepixV10
このグレイは見る角度によって重みが変わって美しいですよ。
トップカバーのメタリックもアクセントになっている。

FinepixV10 FinepixV10
 操作系は従来のファインピクスを踏襲している。

FinepixV10 FinepixV10
 本カメラの最大の売りは、縁まで迫った大型液晶ビュワー。


FinepixV10 FinepixV10
 この液晶ビュワーは優秀ですよ。
 操作系のデザインは従来と変わらないですが。



 ファインピクスVシリーズが何時頃勃興したのかは、拙僧も良くわからない。多分、本カメラが最初であろう。登場は2006年でスタンダードクラスならタフネスバッテリーを搭載したファインピクスF10/11、ロワークラスなら単三型電池で運用性の高いファインピクスA500の時代である。本カメラの特徴はファインピクスF401を髣髴するスクエアボディに、背面の枠ギリギリまで面積を占めた大型液晶ビュワーである。これは最近の2010年以降のデジカメと比べてもインパクトがあるな。                        ☆              ☆
 撮像素子は510万画素級のハニカムCCDである。ハニカムCCDと言えば出力データの倍増が売りだったが、この頃には止めてしまったようだ。そうでなくてもメモリ単価が高いxDピクチャーカードを採用しているので、撮影枚数を気にせずに大きな画像ファイルを作るのもしんどいしね。レンズはライカ判相当で38〜130mmF2.8〜5.5の光学4.4倍ズームレンズを搭載。広角側の38mmを物足りないと思われる方は多いだろう。前年の2006年には浜アユのワイドレンズを搭載したルミックス DMC−FX01が既に登場している。望遠側の130mmというのも、あまりなじみのない数値である。本カメラは印刷が擦り切れているのだが、「FUJINOIN LENS」とだけ書かれていたようで、「EBC」とかそういう冠は無いようである。
早速、手に取ってみよう。フジフィルムはデジカメに真四角に近いボディデザインを与えるのが好きで、古くはファインピクス1500とか、例には事欠かない。無論、セミモダンカメラであるからサイズはぐっと引き締まっている。フロントパネルは鈍いグレーにヘアライン加工を施してあり、角度によって濃度が変わって見えて質感が高い。「FinePix」のイタリックのロゴが浮き出ているのも高級感を感じるものだ。事実上、このロゴの出っ張りが軽いグリップを形成する。ボディ上面にはメタリックのアクセントをつけており、なかなか美しいデジカメである。ただ、レンズ銘板や操作系の表示は並みのファインピクスと同様で、レンズ銘板やボディ角に位置するスチルモード/ムービーモード選択スライドスイッチの印刷はちゃんと擦り切れて消えている。この辺に手を抜くのは如何なものかと思うのだが、そういうベースとなる印刷の強度を上げるのはかなりお金がかかるのだろうか。裏面に目を移すと、やはり大型の液晶ビュワーが目立つ。おかげで操作系はボディ上面と液晶ビュワーの下に一列に追いやられてしまった。しかし、操作性はそれ程、難点があるわけでもない。メニューのデザインは従来のファインピクスを踏襲している。個人的にはシーソー式のズーミングボタンと、それを組み合わせた十時キーは好きではないのだが、撮影に不満がある程ではない。それほど合理的なインターフェイスではないが、基本的にはオートカメラなので大きな問題にはならないだろう。
 カメラを片手で構えると自然に液晶ビュワーに指紋がつく。そうなると両手の人差し指と親指で摘まむように構えることになるが、コンパクトデジカメの構え方としては普通である。本カメラの売りは「使い物になる」高感度モードである。ISO感度の設定が「オート」でもISO640までゲインアップするが、マニアルではISO1600まで設定が可能である。無論、ノイズは乗るがライバル達のISO400モードに迫る程に綺麗な画像を写しだす。その高感度モードを利用した「NP&フラッシュモード」が自慢である。これは単純にノーフラッシュ撮影とフラッシュ撮影の2枚を連続撮影するものだ。「NP」は「ナチュラルフォト」であろうか。丁度、フジフィルムからは高感度フィルムによる自然光の撮影を売りにした「ナチュラフィルム」とカメラの「ナチュラS」が少し前に登場している。フジフィルムとしてもデジカメで自然光撮影を売りにしたいところだな。
 トリミング・回転といった画像編集機能やゲーム機能を搭載する親切ぶりである。しかし、本カメラのスイートポイントは起動やレスポンスが速い事である。交差点の向こうで発見した綺麗な娘さんをすれ違う前に撮影できる高レスポンスは、同時にライバル機と同時に撮影したが、抜きに出ている。ランタンが眩しい日没後でも合焦に待たされない。これは2007年登場時のコンパクトデジカメとしては凄い事である。反面、ウィークポイントは薄型のバッテリーを採用している為、持続性に劣ることだ。同時期のスタンダード機、ファインピクスF10/11が大型バッテリーを採用してタフネスを売りにしているので目立つ。バッテリーはNP−40で、ペンタックスのオプティオSなど幅広く採用されたもので、入手は安易である。しかし、このバッテリーは膨らんでいるものも多く、場合によってはバッテリー室から抜けなくなる可能性がある。
                       ☆              ☆
 本カメラは手振れ補正機構など派手なギミックは搭載していないが、パッケージングがユニークで中々よいカメラである。レスポンスも速いので近代的な戦闘にも耐える。残念なのは、やはりxDピクチャーカードを採用することだろう。現在、入手にはそれなりにコストがかかるが、128MBの物なら比較的安価なのではないだろうか。それでも、2GBのSDカードが400円以下で転がっているのを見かけると複雑だが。

   では、撮影結果(三河散歩編)を見て頂きたい。

(了:2012/2/9)

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