フジフィルム ファインピクスF50fdについて


FinepixF50fd
顔綺麗ナビに1200万画素級撮像素子が組み合わさったハイパワーオーソドックスモデル。

☆ジャンク度☆
液晶ビュワーにシミ有り
撮影可能


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 ライカ判換算で35〜105mmの光学3倍ズームレンズを搭載する。

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 ファインピクスもスタイリッシュになってきた。

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 残念ながら、液晶ビュワーにシミ有り。

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 オーソドックスな操作系。


 本カメラは2007年10月に登場したスタンダードクラスのボディに最強クラスの1200万画素級撮像素子を組み合わせたハイパーコンパクトカメラである。当時、ファイピクスの主要モデルは上級機のSシリーズ、スタイリッシュな屈曲光学系薄型機のZシリーズ、オーソドックスなスタイリングのFシリーズを展開していた。同時期のZシリーズだとファインピクスZ100fdが800万画素級撮像素子を搭載していた。Fシリーズが始まったのはファインピクスF401からだが、割とモデル間にブレのあったポリシーを改めたのはファインピクスF10である。そもそも、高感度に強いのがファインピクスの特徴だったが、コンパクトデジカメにしては大型のバッテリーを採用し、タフネスをも売りとしていた。反面、やや厚ぼったいスタイリングになってしまったのは否めない。これは実際に使い込むと、ホールディングも良好で使いやすい物だったのだが、浜アユのルミックスに比べるとアピール力は下回った。それに手振れ補正機構が非搭載だったのもガジェット好きの琴線に触れなかったようだ。手ブレ補正の効果を否定するわけではないが、本当に暗い場所では被写体ブレを避けることはできない。それならば実用的な高感度モードの方が遥かに効くのだが、そういう見た目に地味なのはパブリシティや店頭でも今一つ響かなかったようだ。その後、ファインピクスF30では若干ボディが薄くなり、ファインピクスF31fdではフジフィルム自慢の顔綺麗機能「顔キレイナビ」を搭載した。ファインピクスF40fdでは更にボディは薄くなり、本カメラに至ってはライバル並みの薄さを実現している。金属製ボディで質感を保ちながらも、エッジは丸まって女子受けを狙った形跡があるのが逆に惜しい。本カメラはイージーだけが売りのオートカメラではないからだ。
 本カメラは人並みのオートカメラではない。なんと、シーンモードやプログラムAEの他に、シャッター速度優先AEや絞り優先AEのモードも搭載するのだ。これはこのクラスのコンパクトデジカメ、例えばルミックスでは有りえない。ニコンだとクールピクスP5100 だとか、上位のクラスのカメラに限る。なかなか立派な物である。これで、フォーカスを3mに固定したスナップモードでもあれば、更に芸人受けすると思うのだが、流石にそこまでの芸は無いようだ。しかし、本カメラのレスポンスは素晴らしく、AFも正確なので歩きながらすれ違う娘さんのスナップ写真を撮ると言った近代の戦闘に十分に堪えるものである。良くできているのがフジフィルム自慢の顔認識機能でる。これは最大10名分の顔を最短で0.05秒で認識する本物の戦闘機のレーダーのような高性能を誇っている。拙僧のような乱れ打ちではフレーミングが斜めになるようなカットが多数なのだが、それでもちゃんと顔にフォーカスが合っているのは素晴らしい。ちゃんとテストしたわけではないが、横顔でもそれなりに効果があるように思える。それで、自動的に写った顔を綺麗に画像処理するから、これは完ぺきなポートレイトカメラである。おそらく、フジフィルムも想定している、女子同士の旅で集合写真を撮るようなシーンにぴったりだ。
 もう一つのポリシーは高感度である。本カメラは最高でISO6400まで対応している。もっとも、ISO6400モードでは300万画素級、ISO3200では600万画素級に画素数を制限する。正直なところISO6400モードの画質は大雑把な拙僧の目から見ても辛いものが有る。ISO1600を超えるモードはおまけみたいなもので、実用的なISO1600モードが使えると思った方が幸せだろう。フジフィルムもそれが分かってか、ISO感度オートモードも最大ISO1600までアップするモード、ISO800までアップするモード、ISO400までアップするモードと、ISO感度オートモードだけでも3種類も用意している。この辺りはフジフィルムの拘りを感じることが出来る。フィルムメーカーならではの拘りかもしれないな。そういう意味で言うと、ファインピクスが伝統的に搭載している「スタンダード」と「クローム」モードも踏襲している。
 レンズはフジノンブランドを与えたライカ判換算で35〜105mmF2.8〜5.1。これに1200万画素級撮像素子を組み合わせる。無論、光学手振れ補正機構も搭載するが、意外なことに、本カメラと同時期に発売となったファインピクスS8000fdとZ100fdがファインピクスシリーズでは初の手振れ補正機構の搭載となった。それまでは手振れ補正機構が未搭載だったわけで、セールス的には苦しい展開だったろうと予想がつくな。
 難点はボディが薄くなったからバッテリーも薄くなり、ファインピクスF10の異例なタフネスに比べると人並みになった。それでも、NP−40を使うようなカメラに比べれば十分な作戦行動が可能である。
                         ☆               ☆
 割とモダンなデジカメはネットでもソースが限られる場合が多い。デジカメが人の心を打つような珍しい存在ではなくなったからだ。特に、エクシリムの普通のタイプなどはガジェット好きに響くものはないから、コンテンツを探すのも一苦労だ。しかし、本カメラの情報は溢れている。やはり1200万画素級というマッスルパワーと光学手ブレ補正機構の組み合わせが花咲いたのだろう。
 もっとも、それで期待の女子層を取り込んだかどうかは別である。スタイリングには、どこかフジフィルムらしい野暮ったさが残る。まあ、それも我々、老富士月交巻百姓にとってはキュートな物である。フジフィルムと女子の関係はコスメの世界で既に親密なのだからな。

 では、撮影結果(安城七夕編) をご覧頂きたい。

(了:2011/10/19)

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