フジフィルム ファインピクスF440について


FinepixF440

ファインピクスの一時代を築いたスクエアボディ

☆ジャンク度☆
不具合なし
撮影可能


FinepixF440 FinepixF440
 ライカ判換算で38〜120mmF2.8〜5.5の光学3.4倍ズームレンズ。
 電源OFF時にはレンズにカバーがかかる。


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 グリップ部のスライドで電源ONする。


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 あちこち塗装が剥げているのは気になるところだ。


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 光学ファインダー付き。


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 爪付き変形十字キーの節度と操作感が馴染めないのだけれど。


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 小型の専用バッテリー「NP−30」は意外に持つ。
 記録媒体はxDピクチャーカードである。


新世紀になってファインピクスの枝番は4桁の数値からアルファベット+3桁の数値に変わった。これは「3桁目の数値が7なら縦型モデル」より、個別のキャラクターをイメージしやすくなったといえよう。Sが付くのが上級モデル、Fが付くのが中級スタイリッシュモデル、Aが付くのが普及モデルとなる。本カメラは200万画素級デジカメのファインピクスF401の延長上にあたる。F401は例のハニカム撮像素子なので2倍の400万画素級を髣髴させる400番台だが、本カメラは正真正銘の400万画素級モデルである。本カメラの姉妹機の500万画素級撮像素子搭載モデルはF450だから、F4xxシリーズはスクエア型スタイリッシュボディを意味する枝番なのだろう。F4xxシリーズはF401から300万画素級のF410になり、単4電池2本使用でコンパクトになったF420になって、更にコンパクトに引き締まった本カメラに至っている。
              ☆              ☆
 ファインピクスと言えばハニカム配列の撮像素子だが、本カメラは従来型の正方配列の撮像素子を搭載する。下位のモデルに従来型撮像素子を与えるのはファインピクス30iにも見られたが、本カメラがコストダウンの為にハニカム撮像素子を見送ったのかは分からない。レンズはライカ判換算で38〜120mmF2.8〜5.5の光学3.4倍ズームレンズでF420より望遠側が伸びている。レンズを伸長するとボディサイズより長いが、これはペンタックスのオプティオSに似た光学系を退避する仕組みを組み込んでいるようだ。手ブレ補正機構は搭載していない。ハニカム撮像素子は感度を高くできるのが特徴なのだが、本カメラは従来型撮像素子のせいか標準感度がISO80になっている。オートでも感度はISO200モードまでしかゲインアップしないため、望遠側では手ブレを意識たほうがいいだろう。
 ボディ正面のグリップを兼ねたスライドスイッチで電源ONする。ストロークが短いのでμデジタルより素早い起動が可能である。スライドと同時にレンズが伸長するのは小気味よく、ボタン式の電源ボタンを押し続けるよりクレバーに思える。ボディ上面はレリーズボタンのみを配置し、シンプルである。複数のコンパクトデジカメを使っていると、レリーズしようとして電源ボタンを押下してしまう場合があるから都合がよいだろう。人に頼んで撮影してもらう時も誤動作や注意が防げる。背面のスライドスイッチにて「再生モード」「ムービー撮影モード」「スチル撮影モード」を切り替える。主な操作は左右ボタンと上下移動のシーソースイッチを組み合わせた変形十字キーで行う。左右にマクロモードとフラッシュモードを割り当てるのは問題ないのだが、上下に操作するシーソースイッチはファインピクスに幅広く採用する操作系なのだが、他社のデジカメにはない操作感覚なので迷う。特にズーミングは節度もいまいちで感心しない。電源OFFでもマクロモードやフラッシュモードを覚えているのは使い勝手が良い。
 変形十字キー以外の操作ボタンは3種類あり、「フォトモード」「メニュー/OK」「ディスプレイ/BACK」を割り当てる。「フォトモード」は画素数・感度の他、「F−B&W(モノクロ)」「F−クローム」「F−スタンダード」を選択する。「F−クローム」は、いわゆるベルビアのようなコントラストの高い画像を味付る。「メニュー」ボタンの押下でセルフタイマーや撮影モード、露出補正等の諸設定を行うメニューを起動する。撮影モードは「オート」と「マニアル」の他に「夜景」「スポーツ」「人物」「風景」の4つのシーンモードを用意する。「マニアル」と言っても設定できるのは露出補正やホワイトバランス程度である。「ディスプレイ」ボタンの押下で液晶ビュワーの非表示や縦横3分割フレームのフレーミングガイドの表示を行う。この種のガイドはファインピクス1500の時代から存在する。
 電源であるNP−30は小さなバッテリーだが意外ともちは良く、120枚程度の撮影には堪えた。
              ☆              ☆
 お洒落にまとめたカメラだと思うのだが、ネット上のレビューを読むと全モデルのファインピクスF420に比べて連射機能は省略され、動画機能も大幅にスペックダウンとなったようだ。確かにバッファリングはプア―で撮影間隔は空いてしまう。それに、この個体はワインレッドのペイントがあちこち剥がれて、こういうところでもコストダウンが影響しているのかとも思う。
 作り出す画像は美しいのに仕上げが雑だと惜しい。

   では、撮影結果(三河散歩編)を見て下さい。

(了:2011/6/28)

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