☆ジャンク度☆
不具合なし
撮影可能
ライカ判換算で28〜140mmF3.3〜F5.1の光学5倍ズームレンズを搭載する。
1200万画素級ハニカム撮像素子と組み合わせて、圧倒的な破壊力を実現する。
標準クラスのコンパクトデジカメとしては、ややもっさりしている。
しかし、有り余る画質の為の機能を搭載する。
大型で見やすい液晶ビュワー。
多彩な諸情報を表示する。
ローリングセレクタと併用してバーチャルコマンドダイヤルを形成する。
xDピクチャーカードとSDHCカードの両方に対応。
本カメラの登場は2008年である。なんでもファインピクスが登場して10周年を記念した、気合の入ったモデルである。ちなみに、ファインピクスシリーズは1998年に登場したファインピクス700から始まっている。それ以前からフジフィルムはクリップイットというシリーズを立ち上げていた。35万画素級の時代である。それなりにフォロワーを形成していたのだが、あまりメジャー路線に向かないと判断したらしく、ファインピクスシリーズを立ち上げている。ちなみに、イメージキャラクターは結婚前の藤原のりかさんだ。フジフィルムの気合を感じるなあ。
ファインピクスFシリーズはファインピクスF401から始まったシリーズで、フジフィルムのコンパクトデジカメとしては中核・スタンダードの位置づけとなっている。かつてはトイカメ寸前の廉価機から、デジタル一眼レフまで幅広く隙間なく展開していたフジフィルムの陣営だが、現在では整理統合が進んでいる。特に主軸をプレミアムな方向にシフトしており、最近でもレンズ交換式プレミアムカメラのX−Pro1が注目の的になっている。共通するのは撮像素子のこだわりであり、フジフィルムは(元)感材メーカーとして、初期のころから色の再現性やダイナミクスレンジ、高感度の強さを売りに出していた。これは、世界的にも稀な自社開発の撮像素子の採用が下支えになっている。本カメラも、そのファインピクスらしいスーティーな面を踏襲している。
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諸元を簡単に紹介するとレンズはライカ判換算で28〜140mmF3.3〜F5.1の光学5倍ズームレンズでフジノン銘を奢っている。これに1200万画素級撮像素子を組み合わせるから打撃力は強力である。勿論、撮像素子はフジフィルム肝いりのハニカムCCDである。「fd」の名を冠する通り、顔検出AF/AEを初めとした「顔キレイナビ」を搭載する。また、CCDシフト式手部手補正機構も搭載し、サイドアームズとしては申し分ない。重要なのは記録媒体がxDピクチャーカードに加えSDHCカードの使用も可能になった。これはファインピクスF40fdあたりから実現しているが、フジフィルムやオリンパスのデジカメにとって、xDピクチャーカードは1利無しだったから、これは福音だ。お得意のダイナミクスレンジはAUTOの他、100〜400%の間で補正する。この辺は良くわからないのだが、実際に撮影画像を見ると、陰影の差があっても、かなり健闘した画像になっているので効果があるのだろう。ISO感度はフルサイズで最高ISO3200、300万画素級モードの制限つきだとISO12800まで拡張可能である。すげえや。無論、ノイズが乗ったり制限はあるのだろうが、我々は別に印刷原稿にする訳ではないので使い様だろう。
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400%のダイナミクスレンジなどと聞くと本カメラの素性の良さが返ってぼやけてしまうのが残念だ。本カメラはスナップのゲリラ戦に効果的な優秀なカメラである。とにかくレスポンスがよく、顔認識AFがすこぶるあてになる。似たような顔認識AFを搭載した800〜1000万画素級デジカメは珍しくもないが、本カメラの精度の良さは2歩も3歩も進んでいる。登場した2008年の時点で、すれ違いざまの娘さんを歩留まりよく撮影できるカメラは稀である。ロープーのレポートを見ると露出補正の煩雑さなどが挙げられているのだが、そういう用途には違うカメラがいくらでもある。電撃作戦に堪えるのはオートで歩留まりの良いカメラだ
。実は伝統的なファインピクスのような例のない鮮やかの発色やナチュラルな諧調といった画質面での破壊力はイマイチなのだが、柔軟な運用が可能である。
そんな実戦向きのカメラは手元に残したいのだが、やはり資金難で離れていくのである。