フジフィルム ファインピクス4500について


Finepix4500
フジにしては気の利いたデザイン。現在のフジカハーフと言ったら言い過ぎか?

☆ジャンク度☆
不具合なし
撮影可能


Finepix4500 Finepix4500
 レンズはライカ判換算で36mmに相当するの単焦点。絞りはF2.8とF9.8の2段切り替え。
 拙僧は「フジノン」というブランドに弱い。頭にスーパーとかEBCとか色々冠するんだけど、なにか社内命名規約とかあるんだろうか?EBCってのはコーティングらしいのだけれども。
 この、アルミ面一のレンズカバーがファインピクスシリーズの悪夢の元凶となる。


Finepix4500
 フジ独自のハニカムCCDを謳っております。


Finepix4500 Finepix4500
 シンプルなボディ上面。
 フラッシュ設定ボタンが独立しているのは大きく評価したい。


Finepix4500
 背面レイアウトは平凡だけど、使い勝手を良く考えた結果だと思うな。


Finepix4500 Finepix4500
 このメニュー階層レイアウトは多くの標準以下のクラスのファインピクスで共通だ。


Finepix4500
Finepix4500 Finepix4500
 パッケージングは先行販売されたファインピクス40iと殆ど変わらない。
 つまり、音楽再生機能を排除してカメラとして組んだのが本カメラと言うことなのだろう。


Finepix4500
 ちなみに、拙僧は都合2台所有した。アホだな、がっはっは。
 

 ファインピクス700の登場でフジフィルムは当時のデジカメ戦況を一気に変えた。1998年頃までは不恰好な薄らでかいソープケースがスミアで縦に筋が入った画像や木の葉だかノイズだか解らないような画像を作り出しても、「俺ってITアイテムに敏感でWIREDだから」と下北沢で8000円で買った現地価格$10のボロの中古チノパンのポケットに無理やり突っ込んでいたのだけれども、ファインピクス700の登場で一気に藤原紀香にしてしまったのだ。とは言っても、専用リチウム電池はえらく高額だし本体も簡単に手が出せる価格帯ではなかった。なので電源を単三型電池に変更して、ボディを従来のソープケースライクな樹脂製に変更して、これぞフジのカメラと納得する気の利かないデザインのファインピクス500を世に出すことになる。ただ、このファインピクス500は拙僧も所有していたのだけれども、その動作の緩慢さは兎も角として、意外と使い応えのあるデジカメであった。いずれ紹介したい。
 その後、フジは短焦点レンズを搭載したファインピクス700にズームレンズを搭載したファインピクス600を世に送り出す。この辺りでふと我に返ったようだ。このままでは採番が訳がわからなくなってしまう。これは拙僧の全くの想像なのだけれども、かのホンダもカブのシリーズをA、B、Cと作ってD辺りでこれは収拾が付かなくなると気づいて、アルファベットと排気量を組み合わせた採番を採用したらしいから、あながち無い話ではない。この話は嘘ではないのだけれども、改めて正当性を調べたわけではないので聞き流していただきたい。
 そこでフジは千桁を画素数、百桁をボディ形式とした採番ルールを採用した。つまり、ファインピクス500は単三型電池を採用した普及期なので、その後裔機はファインピクス1500となり、ファインピクス700の後裔機はズームレンズ搭載となったけど、縦型のボディシリーズと言うことでファインピクス1700Zとなった。当然、縦型ボディの200万画素デジカメはファインピクス2700である。この採番規約は普及機がAシリーズ、標準機がFシリーズ、高級機がSシリーズに変更になるまで続いた。この間に、フジはFマウントのデジタル一眼レフカメラを出しているのだけれども、その件は少し忘れてほしい。
 さて、本カメラだ。上記のルールで言えばファインピクス4500と言うくらいだから500系の普及機で400万画素級でなければならない。ここが厄介なところなのだけれども、本カメラが発売に先行して、フジはファインピクス4700というカメラを発売した。当然、採番規約から言えば400万画素級ということになる。時代はキヤノンのパワーショットS20やカシオのQV−3000で、やっとコンシューマー向けデジカメに300万画素が手が届く頃だったから市場は燃えたようだ。しかし、暫くしてどうも具合が悪くなる。実はファインピクス4700は実際には200万画素級デジカメであり、独自のハニカムCCDの画像データ補完で400万画素モードになる代物だったのだ。ボディにはちゃんと4.3メガピクセルと書いてあったし、200万画素級デジカメとしては結構なお値段だったから、市場からはかなり怒られたらしい。現に、後期のモデルでは4.3メガピクセルの文字は消えた。拙僧の所有する固体にも書いてない。普通の200万画素デジカメとしては良く出来ているので、これはカメラにとっては一種の不幸だろう。フジは懲りてないと言うか、一度公にしてしまった以上、収まりが付かないのか、後裔の300万画素級デジカメもファインピクス6800Zなんて名前を付けている。
                  ☆              ☆
 フジのお家の事情はこの位にして、カメラの素性を紹介したいと思う。既に紹介したが本カメラに先行してファインピクス40iというデジカメが発売された。この採番は件の規約と全く関係が無いのが妙だけど、実は200万画素級単焦点カメラとしての機能のほかにMP3プレイヤーとしての機能が付いているのだ。拙僧は昆明〜北京位の移動時間がないと携帯音楽プレイヤーの必要性を感じないのだけれども、まあ、10代の頃にはブルーハーツを常に聞いていないと情緒不安定になったりしたから(嘘です)そういう需要が有るのは解らないでもない。ファインピクス40iはネットオークションでさばいた物から、素人修理で完全に破壊してしまった物まで述べ6台くらい所有していたけど、スーパーEBCフジノンレンズというのはまんざら冗談と言うわけでもなく逆光にも強く、描写もいい。フジは21世紀になって、ファインピクス40iのCCDをハニカムCCDじゃない普通の物にしてAFユニットを廃してパンフォーカスにした廉価モデルのファインピクス30iを発売したのだけれども、あれもレンズの素性がいいせいか、メタリックのぎらぎらした反射光の被写体も充分対応できた。正直なところ、この種のコンパクトデジカメなんて固定焦点(パンフォーカス)の方がレスポンスもいいし、多分電池の持ちもいいだろうし何かと具合がいいのではと思う。
 おっと、話をファインピクス4500に戻さなければならない。そういう訳でファインピクス40iは正統系ファインピクスに比べるとちょっと異質な存在で採番も異なった。パッケージングもMDプレイヤーを意識したものでフラットな面構えなど、ちょっと分厚いMDプレイヤーに見える。端的に言うと、そのファインピクス40iからMP3機能を廃して、純粋なカメラとして組んだのが本カメラらしい。詳細にスペックを見比べた訳ではないけれども、240万画素ハニカムCCD、ライカ判換算36mmの短焦点レンズ、単三型電池2本使用と共通点は多い、というか背面から見たら殆ど区別はつかないだろう。フロントパネルが、若干カービングしているのがデザイン上の違いだけれども、これは「こいつはカメラですよ〜、MPプレイヤーのオマケじゃないですよ〜。」というデザイナーのメッセージかもしれないな。
 電源をONするといちいち日付設定のメッセージが出てくるのが鬱陶しいけど、それは本カメラやフジの他のファインピクスに限ったことではないので目くじらを立てるのは止したい。ボディ上部のスライドスイッチをスライドすると電源ONになってレンズカバーが開くのだけれども、このアルミ一枚のレンズカバーが曲者で兎に角トラブルが多いのだ。これは本カメラに限ったことでなく、この種の構造になっている全てのファインピクスに共通する問題で、実に困ったものである。拙僧も、簡単に治るだろうとジャンクを拾ってきて半ダースは昇天させてしまったな。これは完全に設計ミスだと思う。こんなカバーなら無い方がましなのだけれども、ファインピクス700の時はレンズがむき出しであることを非難されていたみたいだからユーザーは勝手な者である。
 レリーズを押すと「ガガッツ」っというノイズと共にフォーカシングする。このノイズは別の固体や複数のファインピクス40iでも同様な次第だったので、これも仕様だろうな。液晶ビュワーは晴天下で見え辛いけど、この時代のデジカメとしては標準だろう。例によって合焦を確認できるような物ではないので、マクロ撮影モードで苦労するだろうけど、これはばっかりは何枚も撮影して運を天に任せるしかないな。マニアル撮影モードでも設定できるプロパティは「マクロモード」「セルフタイマー」「露出補正」「ホワイトバランス」「画像サイズ」くらいだけれども、この種のコンパクトデジカメとしては充分だろう。基本的にはファインピクス700時代から進歩していないけれども、マニアル撮影モードで撮影後にいちいち画像の記録の有無を聞いてくるような鬱陶しい真似はしないのでよしである。感度はISO200固定。出来ればISO400モードでもあれば使いかっても向上するのだけれども、そういう機能はファインピクスF401の時代までお預けである。
                  ☆              ☆
 手振れにさえ気をつければ簡単に綺麗な画像が出来る。こういったエントリーモデルはフジのお得意芸だろう。基本的に素性の良いカメラで文句のつけようが無い。
 ただ、あのレンズカバーは何とかするべきだったと拙僧は思うな。あれは確実に欠陥品である。

   では、撮影結果を見て下さい。

(了:2007/4/22)

クラデジカメ系列メニューへ戻る 「意してプラカメ拾う者なし」へ戻る

inserted by FC2 system