カシオ エクシリム EX−V7について


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 独自なスタイリングを努力しているが・・・。

☆ジャンク度☆
「レンズエラー2」発生
撮影可能


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 何とか個性的なスタイルを目指していると思わせる。


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 動画にも適したレンズだそうだ。

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 この薄いボディに光学7倍ズームと手ブレ補正が。

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 ボディ上部はレリーズボタンのみを配置。


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 シーンモードはベストショットにまとめている為、意外とシンプルな操作系。


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 ズーミングレバーを親指で操作する背面にするか、人差し指で操作する上面にするかは悩みどころだ。


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 「レンズエラー2」は本カメラのメジャーなトラブルらしい。
 大きな充電池を使用


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 本カメラは内蔵メモリを搭載しており、このような画像が残っていた。

 皆さんもそうだと思うのが、本コンテンツも他の方のコンテンツを参考にして独自の解釈や切り口で構成している。拙僧の思い込みばかりで、正確とあまりにもかけ離れているのは無責任だろう。ところが、2003年頃までに登場したデジカメのコンテンツは沢山あるのだが、それ以降のデジカメの情報は意外に少ないのである。デジカメが普及が進み、個別の差異が少なくなったのと、デジカメを買う行為が大した話題では無くなって、ワザワザHPやブログで紹介しないのだろう。それで拙僧も困ってしまうのだが、幸い本カメラはユニークなアクセントを持っているので話のタネが見つかる。それは光学高倍率ズームレンズと薄型ボディの組み合わせだ。コンパクトボディと高倍率ズームレンズの組み合わせはデジカメらしい発展で、オリンパスC−700UZが走りだと思われる。それ以前にも高倍率ズーム搭載カメラは存在したが、ボディが大きかったり高額だったりしたので、実質的にコンシューマ層を開拓したのはC−700シリーズだと言っていいだろう。当時の視点からしてもC−700系はそんなにコンパクトではないのだが、単三電池使用でマニアル露出モードを搭載したカメラなら多少大きくても構わないという風潮であった。C−700系は手ブレ補正を搭載していなかったが後裔のパナソニックのDMC−FZシリーズやキヤノンのパワーショットSシリーズでは手ブレ補正をしっかり搭載している。それでも、受光素子の小ささから画質がイマイチだったパナと比べてもオリンパスは善戦したようだ。
 高倍率ズームレンズ搭載機は一つのジャンルの形成に成功したようで、現在でもカメラ売り場の一端を賑わしている。大抵の場合は一眼レフより3割ほど小さなボディに手ブレ補正+EVFの組み合わせが一般的である。常識的なコンパクトカメラのボディに高倍率ズームレンズを搭載したのがパナのDMC−TZシリーズである。キミマロズームというのは、かつてのセンセーショナルな浜アユ起用とは正反対のアンファッショナブルだが、それなりに売れたようだ。本カメラは一歩進んで屈曲型ズームレンズを採用している。レンズが伸長しないので高倍率なのにレンズがにょきにょきと生えてこないのが不思議な気がする。それでいてCCDシフト光学手ブレ補正を搭載して厚さは約25mm。今どきのスリムボディに比べると少々大振りだろうが、何と言っても38〜266mmをカバーするズームレンズを搭載しているとはパッと見は想像できない。実際、本カメラが光学7倍ズームレンズを搭載しているのに気付いたのは、拾い上げてバッテリーに充電してからだ。
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 手に取ると案外重さがある。外観はスリムデジカメだが、やはり光学7倍ズームレンズとCCDシフト式手ブレ補正機能の重さなのだろう。こういう手に感じる存在感は心地よいものである。電源スイッチを兼ねたレンズカバーをスライドさせ起動する。この辺りのデザイン的な処理はサイバーショットやらのライバル達を髣髴させるが、似た機能を持つ以上致し方ないだろうな。
 電源ONから撮影可能状態になるまでは実測4秒ほどである。この個体は起動時に「レンズエラー2」を表示するのでちゃんとしたコンディションの物なら2秒弱で撮影可能になるのではと思う。レンズがにょきにょき伸長するわけでもないので起動は速やかな印象である。外観からは普通の光学3倍ズームコンパクトデジカメにしか見えないのに光学7倍ズームレンズを搭載しているのだから大したものだ。焦点距離はライカ判換算で38〜266mmと立派である。開放値がF3.4〜5.3と少々暗いが、それはオリファルコンで出来た手ブレ補正が百難を隠す塩梅なのだろう。ズーミングは広角側から望遠側まで4秒弱かかるが、良好なベンチだと思う。ちょっと気になるのがコンパクトデジカメのズーミングレバーは、ボディ上面にレリーズボタンを同軸とした左右に動くレバーか、ボディ背面の左右に分かれたシーソースイッチの形が多いと思うのだが、本カメラの場合はボディ背面に上下に動くスライドスイッチとなっている。右手親指で操作するそれ自体は問題ないのだが、モードダイヤルとのクリアランスが狭いので手元をよく見ないとズーミングの際にモードダイヤルに触れてしまうかもしれない。そのせいなのか、拙僧の個体にはモードダイヤルを固定したと思われるテープの粘着の跡がくっきりと残っている。面白いのがズーミングに合わせて液晶ビュワーには焦点距離を表すインディケーターと最短撮影距離を表示するのだ。それによると、広角側では30cm、望遠側では1.4mまでAFが対応する。すこぶる物足りない数値だが、フォーカスモードにマクロモードを搭載しており、マクロモードの場合は広角側は10〜40cm、望遠側は1〜1.5mまでの接写に対応してる。もっとも、マクロモードが階層メニューの下に潜り込んでいるのは少々頂けないと思う。並みのオートカメラなら十字キーの空きに割り振るところなのだろうが、本カメラはマルチモード優先AEモードにマニアル露出モードも搭載しているので空きが無かったのだろう。フォーカスモードにはMFモードと無限遠モードも搭載している。MFモードでは十字キーの左右でフォーカシングを行う。その際、液晶ビュワーには中央部が拡大されフォーカシングをし易くしている。ちょっと不満なのはインディケーターが最短撮影距離と1mと無限遠(∞)しか表示していないことである。せめて5mがあればスナップに有効だと思うのだが、広角側では1mと無限遠の間隔はかなり狭いし、そもそも本カメラのAFは素早く正確なのでMFの意義はそれほど強いとは思えない。いや、レスポンスが良すぎるのでもしかしたらシャッター全押しの時はスナップモード(パンフォーカス)で撮影しているのかもしれない。いずれにしろ素早い撮影が可能でスナップに接写に心地よいものである。フォーカスモードやフラッシュモードを電源OFF時にも記憶しているの素晴らしい。カシオには撮影好きのデザイナーがいらっしゃるのだろう。
 手ブレ補正も単純にCCDをずらして揺れを少なくしているのではなく、被写体が動いているかを感知し、感度を上げてシャッター速度を稼ぎ、被写体ブレを防ぐハイブリットな仕組みとなっているらしい。メカニズム的には正確に理解しているわけではないのだが、街中で素早く望遠側にズーミングして慌ただしく撮影しても大抵の場合はちゃんと写っているので効果はあるのだろう。やったことはないが、運動会のようなシーンにも対応できそうだ。もし、AFに不安があるならMFで置きピンしてもいい。なんだか使い応えのあるカメラだなあ。露出モードもプログラムAE(標準)モードの他に絞り優先AEモード、シャッター速度優先AEモード、マニアル露出モード、カシオの肝いりのベストショット(シーンモード)、easyモードを搭載する。easyモードというのはパナソニックでいうところの「かんたんモード」であろう。表示するメニューが制限されて分かりやすくなっているようだ。
 気になったのは大型液晶ビュワーで再生される画像が、やや荒っぽいところだ。撮影中のプレビューがもやっと見えたのでピンボケしているのかと思ったら、実際にはちゃんと撮れていることが何度もあった。
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 本カメラが700万画素級の高画素であるなどということは、あまり重要ではない。写りに関してはレンズパワーにそれほど奢っていないのか平凡な印象であるが、手軽さとのバランスを考えるとそれほど欠点には至らないだろう。写りにこだわりたいのなら見てくれも充分な他の選択肢がある。常識的なボディに高倍率光学ズームレンズと手ブレ補正の組み合わせはパナソニックのルミックスDMC−TZシリーズを思い出す。あちらは28mmから始まる10倍ズームで絵作りも良さそうだが、やはりレンズに力んでいる印象はぬぐえない。
 世間の目もあるから見てくれはファミリーセダンで実は6気筒ツインターボという事情もあるだろう。車だとオヤジの脂汗が垣間見れてしまうが、カメラだと罪が見え辛いのが幸いか。

   では、撮影結果も見ていただきたい。

(了:2011/3/10)

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