ニコン クールピクス7900について


Coolpix7900
クーピースタイルの正常進化 

☆ジャンク度☆
電池蓋ロック破損
撮影可能



Coolpix7900 Coolpix7900
古参兵には嬉しいニッコールブランド。


Coolpix7900 Coolpix7900
彫が美しい「COOLPIX」のペットネーム。
枝番が本カメラが700万画素級であることを示している。

Coolpix7900 Coolpix7900
効果的なグリップなのだがデザイン的な評価は低い。


Coolpix7900 Coolpix7900
少々のレイアウト変更はあるが、基本的には従来のクールピクスを踏襲したインターフェイス。


Coolpix7900 Coolpix7900
階層メニューも親切で見やすい液晶ビュワー。


Coolpix7900
光学ファインダーの搭載はこだわりを感じる。


Coolpix7900 Coolpix7900
残念ながら電池蓋が破損している。
専用電池は当時の小型クールピクスに広く使われていた「EN−EL5」。

 2006年に本カメラとよく似たカメラを紹介している。クールピクス7600である。驚くことに新品で買ったのだ。拙僧にとっては極めて異例の事件である。そこではクールピクス7600は本カメラの機能を限定し、液晶ビュワーを小型化して、更に電源を単三型電池2本使用にした廉価モデルだとしている。今回はそのベースとなった本カメラが手に入ったことにより、それが正しかったかどうかを確かめることができそうだ。
                    ☆             ☆
 外観はクールピクス7600とさして変わらず、クールピクス775から続くクーピースタイルの正当な後継者である。薄型の専用電池を採用しているので若干薄くグリップも小ぶりのようだ。ボディシェルは金属製であり、その感触は満更でもない。ニコンがナイスグリップと呼ぶこのグリップだが、光学ファインダーを覗いて撮影する場合、格別に効果的である。本カメラは手振れ補正機構を搭載していないが、ISO400までゲインアップできるので、広角側F2.8なら相当スローなシャッターもきれる。もし、ぶれてしまってもカメラがプレビュー時に指摘するので撮影しなおせばよい。クールピクス7600ではISO200までにダウングレードされていたので晴天下でも被写体ブレすることがあった。
 モードダイヤルもクールピクス7600はボディ背面であったのに対し上面である。ボタン類のレイアウトも少々異なっているが、「センター付き十字キー」+「MENUボタン」+「再生ボタン」+「削除ボタン」+「ズーミングボタン」で構成しているのは変わらない。これは初期のクールピクスの操作系とは異なるがクールピクス3100辺りのものから継承されているようだ。十字キーの上にはフラッシュモード、右には露出補正、下にはマクロモード、左にはセルフタイマーを割り振っていて、撮影時に頻繁に設定する項目はストレスなく行える。電源OFF時にも設定を覚えているのはスナップ撮影でフラッシュを焚くようなミスを防げて嬉しい。液晶ビュワーもクールピクス7600と比べると大型で、あまり液晶ビュワーの大きさに拘らない拙僧にとってもメニューの文字が大きいのはありがたい。メニュー表示時にズーミングボタンの左側を押下すると実に親切なヘルプを表示する。これを見ているだけでも時間がつぶせるな。ただ、そのズーミングボタンが小さいのが気になる。レイアウトに余裕があるのでもう少し大きくても良かったと思う。液晶ビュワーが比較的大きいと言っても同世代のライバルたちは更に大きい液晶ビュワーを搭載しているのだ。しかし、なんといっても光学ファインダーを搭載している。パララックスも大きく、大してあてになるわけではないのだが、拙僧のようなニコン保守派に取っては嬉しいものだ。
 撮像素子は1/1.8型と大き目な710万画素級。レンズはライカ判換算で38〜114mmF2.8〜4.9と数値的には平凡だが、EDレンズを搭載したズームニッコールレンズだから侮れないはず。最短撮影距離は30cmでマクロモードなら広角側で4cmまで寄れる。測距点はオートで5点、マニアルだと99点が選べるが、まずオートか中央1点しか使わないだろうな。モードダイヤルに用意している4種類のシーンモードの他に階層メニュー化には12種類ものシーンモードを搭載している。13.5MBの内蔵メモリで4枚の画像が撮影できる。
 起動には6秒ほどかかり、素早い方ではない。ズーミングやフォーカシングも平均並みと思える。但し、クールピクス7600では中々合掌しなかったマクロモードもスマートに合焦するので何かしらのコストがかかっているのだろう。実は本カメラの売り顔認識AFなのだが、どういうわけだか階層メニューを掘り下げないと現れない。実際、拙僧は使わないので気づきもしなかったのだがニコンも自信がなかったのだろうか?
                    ☆             ☆
 無論、美しい画像を撮影する。ただ、日陰では色がくすんでメリハリが無くなるようだ。クールピクス7600程ではないにしろ、曇り空だとシャッターが遅くなって手ブレが起きやすくなる。本カメラはあまり売れた形跡がないのだが、登場時の直接のライバルとしてファインピクスF10と衝突したのは不運だった。ファインピクスF10は日陰や曇り、夜景ですらビビットな画像を得られ、ISO800までのゲインアップでシャッタースピードも稼げるから本カメラは分が悪い。画素は100万画素ほど本カメラの方は多いが、そんなことは大して画像に影響を与えない。デジ画像は発色とシャープネスとダイナミクスレンジで決まるのだ。
 伝統的にニコンは普及クラスのカメラに弱い。どうもカジュアルに撮影を楽しみたい層のツボに狙いを定めるのが苦手のようだ。そのニコンもキムタクを起用するようになってからは器用な立ち回るようになる。

   では、撮影結果(岡崎桜祭り編)を見て頂きたい。

(了:2011/04/20)

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