ニコン クールピクス5200について


E5200
 何故か専属モデルに好かれている

☆ジャンク度☆
不具合なし
撮影可能


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 クーピースタイルの正当な後継者。


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 「ニッコール」の名が嬉しい光学3倍ズームレンズ。

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 小ぶりだがグリップは効果的でホールディングはしっかり。


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 シーンモードは数は少なくてもコマンドダイヤルで設定できたほうが使うと思う。


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 ズームはシーソーボタンで行う。


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 光学ファインダーの搭載は嬉しい。
 操作系はクーピーを継承している。


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 バッテリー室とSDカード差込口が別なのは芸が細かいかも。


 

 21世紀になってもニコンはキヤノンの後塵を浴びていた。キヤノンと言うのはIXYデジタルシリーズのことである。ヒデのIXYには惨敗したと思われるクールピクス775で始まるクーピースタイルを頑なに継承した他、クールピクス2500やクールピクスSQのようにスバイルスタイルに活路を見出そうとした。
 本カメラはクーピースタイルを継承したもので、直線で構成された前板は右端でなだらかに張り出して効果的なグリップを形成している。ちなみにニコンではこれを「Nice Grip」と呼んでいるのが微笑ましい。受光素子は500万画素級で意外なことにボディは金属製である。多分にIXYデジタルを意識しているだろう。後発だがIXYデジタル60が直接のライバルになるだろうな。
 レンズはズームEDニッコールで38〜114mmF2.8〜F4.9である。マクロモードで広角側4cmまで寄れるのは寄りに強いクールピクスの伝統を踏襲している。望遠側の最短撮影距離がニコンのHPにも掲載されていないのは不思議だ。
 内蔵メモリを16MB搭載しており、500万画素モード・画質ベーシックで8枚の画像を記録できる。カードを忘れてしまったという時でも心の平静を保てる保険となる。こういうところでもIXYデジタルに対向しているのかもしれないな。
                     ☆                 ☆
 手に取った感じは適度に重さがあっていい具合である。アルミ製の外装も手の感触にいいし高級感がある。やはりグリップの効果は高く、右手でひょいっと持ち上げるのも安心だ。クールピクス3100と比べてもだいぶ小さくなったグリップだが、ニコンとしてはこだわりたいところであろう。長徳氏に「あらゆる購買層が全く魅力を感じない」と言わせたクーピースタイルだが、拙僧の専属モデル兼姪の6歳はいたく気にいている。彼女に渡しても安心なのは、やはりグリップによる良好なホールディングが小さな手にも有効だと思えるからである。
 電源ボタンは小さく凹んでおり、我々アジア人は不便でない物の不器用な北米人がちまちまと押す姿を思うと微笑ましい。起動はオープニングをアニメーションにしなければ素早く、待たされる感じはしない。フォーカシングも素早く確実に合う。マクロモードのときはややもたつくが、他のカメラに比べても格段に遅いという事は無いだろう。むしろ、かつて数値上では寄れてもフォーカスがあてにならなかったクールピクスシリーズが飛躍的に精度が向上したのが嬉しい。
 15種類のシーンモードを搭載するが、よく使う「ポートレイト」「遠景」「スポーツ」「夜景ポートレイト」「動画」はコマンドダイヤル上に用意されており、拙僧のような不精でも使い勝手がある。こういうのは階層化したメニューを掘り下げてまで使いたくない物だ。「SET UP」もコマンドダイヤルに用意されており、撮影に関する項目はMENUボタン、カメラの諸設定は「SET UP」と住み分けがなされているのは好感触である。ただ、「SET UP」の際、センター付き十字ボタンの右ボタンで階層メニューを掘り下げ、上下ボタンで任意のメニューを選択し、右ボタンで決定し階層メニューを戻る操作になっているのだが、折角のセンター付き十字ボタンなのだから中央のリターンボタンで決定した後、速やかにルートメニューに戻るといいと思う。そうでないので、3つの階層を掘り下げた場合にルートメニューに戻るのに2回左ボタンを押下しなければならない。
 ズームはカメラを構えて右手の親指ボタンの当たる位置にシーソーボタンがある。小さく押し辛くみえるが、案外操作性は良好である。
 センター付き十字ボタンは上ボタンがフラッシュモード、右ボタンが露出補正、下ボタンがマクロモード、左ボタンがセルフタイマーに割り当てられている。素晴らしいのは電源OFFかでもフラッシュモードを記憶しているのだ。これで街中スナップで不要にフラシュを焚いてしまう事故が避けられる。こういう配慮の無いカメラが多すぎるのだ。画素数が1000万画素級なのよりよっぽどありがたい。マクロモードも記憶しているのは痛し痒しかも知れないが、操作系が一貫しているのは親切だろう。
 液晶ビュワーの下には「ゴミ箱」「MENU」「再生」の各ボタンが配置され、「ゴミ箱」ボタンを押下すると撮影モードでも最新撮影画像を削除できる。今撮った画像が明らかに失敗だったと分かれば即座に削除できるのだ。これは実際に使ってみると極めて便利である。驚いたのがAFエリアの選択で「マニアル」にすると撮影時に液晶ビュワーにカーソルを表示し、十字ボタンで画面の隅々まで99ヶ所のフォーカスエリアを選択できるのだ。これはマクロ撮影に効果的だろう。「オート」だと5ヶ所から自動選択されるが、これでもほぼ外すことはない。
 バッテリーはIXYデジタル60よりもかなり大型な事もあってかなり持つ。とても安心できるだろう。
 本カメラの難点として指摘されがちなのが当時としても液晶ビュワーが小さいことだ。しかし、拙僧からすれば欠点とは思わない。そもそも、このクラスのコンパクトデジカメで撮影時に詳細なピント合わせをするのは不可能だし、実際にピントが合っているかどうかは再生モードにしてズームアップするのが適当だろう。フレーミングがあっていれば上等である。大きな液晶ビュワーは汚れも付くし、光学ファインダーやボタン類の省略と引き換えにしても欲しいとは思わないな。
                     ☆                 ☆
 ISO64と低い感度ながら雲天下でもそれなりに撮影できたのはオート感度が有終なのだろう。写りは勿論素晴らしい。
 撮影すると良さがわかるのだが、液晶ビュワーの大きさだとか見た目スタイリッシュなフラットボディに負けて正当に評価されないのが悲しい。キムタク効果以降、ニコンも商売上手になったが、拙僧個人としては実直な作りの枝番4桁時代のクールピクスに惹かれるのである。
 IXYデジタル60に比べると随分コンテンツ作りに熱が入ったが、半官贔屓なのとニコン者の底辺として思い入れが出てしまうのであろう。

   では、撮影結果(花菖蒲・動物園編)を見て下さい。

(了:2010/8/7)

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