ニコン クールピクス4300について


E4300
元祖クーピースタイル直系としては最後のモデル

☆ジャンク度☆
不具合なし
撮影可能


E4300 E4300
 ニッコール銘が嬉しい光学3倍ズームレンズ。


E4300 E4300
 ニコンの良心、ナイスグリップ。


E4300 E4300
 わりとずんぐりしているが、ホールディングは良好である。


E4300 E4300
 操作系の合理化が球体然としているが、保守層には嬉しい。


E4300 E4300
 光学ファインダーを大切にしているのも、クーピースタイルの良いところ。


E4300 E4300
 専用電池「EN−EL1」は初期のクールピクスが幅広く採用したもの。
 記録媒体はコンパクトフラッシュ。


 新しいブログを立ち上げたこともあって、あまり感心を持ってもらえないクラデジカメのコンテンツはテージを提げたいと思っているのだが、どうも与太話が多くなってしまう。本カメラは本家ニコンのニッコール千夜一夜物語が取り上げている事なので、拙僧が無駄な知恵を恥ずかしくもなく展開するよりは、そちらの素晴らしいコンテンツをご覧いただき、ちょっとした補足だけにしたい。
 本カメラはニコンが本格的なコアクラスのデジカメとして送り出したクールピクス880の最後の直系モデルである。外観はクールピクス880を踏襲していて、バッテリーも同じEN−EL1を使用する。このバッテリーは形式名の通り、ニコンのデジカメ用専用バッテリーとして初期の物である。伝統的にこのバッテリーを使用するカメラは、汎用リチウム電池の2CR5を使用できる、勿論、ランニングコストが高いので、本気で2CR5を使う方は少なかっただろうが、当時はデジカメの電源として専用バッテリーと単三型電池のそれぞれの支持派は拮抗していたので、ニコンとしても折衷案を模索したのだろう。拙僧は何千円もする専用バッテリーは懐疑的に見ていたのだが、結局、このEN−EL1は200万画素級から800万画素級の高級機種まで幅広く採用したから、効率の良いバッテリーだと言えよう。
 登場は2009年9月であり、奇しくもオリンパスのC−4100と同時である。C−4100もヒットしたC−2000系ボディを踏襲して発展した熟成されたモデルであった。当時のニコンのラインナップは普及機は200万画素級のクールピクス2000、高級機はサイズの大きな500万画素級撮像素子のクールピクス5000/5700、その下は400万画素級のスイバル機であるクールピクス4500と、丁度ミドルレンジを担うスタンダードモデルに欠けていた。そのギャップを埋めるべく登場したのが本カメラである。ライバルのキヤノンのコアモデルであるIXYデジタルシリーズは、やっと300万画素級になったIXYデジタル320であり、画質的には出遅れていた。仕様的にはパワーショットS45に近いのだが、金属製外装で戦闘的なルックスのパワーショットS45に対し、本カメラのフレンドリーで安定的なルックスは、積極的にマニアル機能を使おうというアクティブな層には響きが弱い。基本的にオートカメラのクールピクス880と同じ顔をしているのでなかなか気づかなかったのだが、本カメラはマニアル露出が可能な作画派なのである。絞りは開放F2.8とF7.6の2段しかないのだが、充分である。絞りの範囲を制限しているのはニコンとしては理由のある選択であり、詳しくはニッコール一千一夜物語に詳しい。1/1.8型の撮像素子を謙遜しているが、ライバルに比べて劣る物ではない。
 問題は2点である。一つ目は露出がかなり遅くなる。ISO感度は400相当まで用意しているのだが、感度をオートにしてもゲインアップせず、頑なにISO100で露出を決めるので、ちょっと暗いアーケード程度で簡単に手ブレしてしまう。確かにISO400だとノイズが乗るのだが、手振れよりいいだろう。これは幅広いクールピクスシリーズで同様である。それでも本カメラはISO100が一番下だからいい物の、ISO50のモノだと晴天下でも被写体ブレするときがある。二つ目はマクロでフォーカスが合わない。ニコンが何といおうと、キムタク以前のクールピクスシリーズの多くのモデルは枝先の梅の花を合焦することが出来ない。数値上でいくら寄れても何にもならないな。更に加えると、露出補正や感度変更を2つのボタンの同時押しで簡単に設定できるそうなのだが、そんなことはさっきニッコール一千一夜物語を読むまで気づかなかった。感度変更はクリティカルなので、マニアルを読まなくても分かるようにしてほしい。
                     ☆                 ☆
 かなり辛い評価だが、2003年くらいまでのデジカメの使い勝手はそんなものだった。まだまだ、動くものは(コンパクト)デジカメでは撮れないと言われていた時代なのである。それにしても驚くのが、定価ベースで8.7万円と言うことだ。既に10年前のカメラなのだから、今の価値で測るのはフェアじゃないが、それにしても9万円に手が届くカメラなのだから、手にした時の相応の幸福感を演出する必要があったと思う。その辺が真面目なニコンにはよくわからなかったのだろう。ソニーやカシオのイイ加減な仕事に学ぶ点が多くあった。
 そういうニコンも現在では商売上手になったと思われたが、ニコン1はどなりますかねえ。

   では、撮影結果(花菖蒲・動物園編)を見て下さい。

(了:2010/8/7)

クラデジカメ系列メニューへ戻る 「意してプラカメ拾う者なし」へ戻る

inserted by FC2 system