どうやら本カメラはミノルタとコニカが合併してバタバタした辺りで発売されたようだ。拙僧はこういうコンテンツを作る時には一応ネット上で情報を集めるのだけれども、本カメラに関してはどうも400万画素級の前モデル「F100」の上位機種ということでF300独自のユニークな機能というのはあまり見つからなかった。とは言えF100の事まで調べるのは億劫なので本コンテンツはいつもより更に独断と偏見で構成させていただくので、資料的な情報を求めている方は他を当たっていただきたい。これがミノルタらしいややこしいカメラなのだ。
電源スイッチはコマンドダイヤルを兼ねており、バックの中で勝手に起動すること仕切りである。せめてロックがあれば良いのではと思うのだが如何な物だろうか?そして被写体にカメラを見ると愕然とする。AFポイントがピカピカとランダムに画面上を走り出して定まらないのだ。しかもたちの悪いことにフォーカスロックが出来ないのである。これを「ワイドフォーカスエリアの自動追尾AF」と言うのだが、これで思い出すのはミノルタのブリッジカメラのAPEX105である。あれも撮影者の意思に反してズーミングする癖のあるカメラだったが、そういう発想がミノルタには抜けきれないのであろう。この狐火のように定まらないAFポイントに拙僧は付き合ってみた。いらいらはしたが概ねフォーカスを外すことは無かったようである。これに比べたらフルオートシーンセレクタなど可愛い物である。似たような機能はペンタックスやらで経験済みだ。これらもきっとマニアルに設定できるのであろうが、拙僧は意地でオートで使ってみた。
暗所では被写体を見やすくするために「モニター自動感度アップ機能」というのが付いているらしい。拙僧の撮影シーンではそれは感じられなかったが良い機能だ。そういえば液晶ビュワーの見栄えで不満は無かった。また、32MBの内蔵メモリを搭載しているそうである。あと、変な機能としてはユーザーが録音した音をシャッター音にする機能があるそうである。まあ、マニアな方はX−1のシャッター音とか録音するのだろう。
受光素子は500万画素級、ライカ判換算で38〜114mmF2.8〜4.7のズームレンズを搭載する。広角側で明るいが、動画モードでナイトムービーモードというのがあるそうだ。マクロモードで20cmしか寄れないのは標準的で面白くない。光学ファインダー付きで液晶ビュワーは前述の通り一寸お金がかかっている。
画質モードは「スーパーファイン」「ファイン」「スタンダード」「エコノミー」から選べるが、スーパーファインにすると拡張子がTIFFになってしまうのが困ったものだ。また、画像記録時にボイスメモを記録することが出来る。拙僧は、この機能を外す方法が分からず苦労した。
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変なところに凝っているためカメラとしての正統な評価が曇りがちだが、2002年の時点で実売7万円前後とは贅沢なカメラだっただろう。実際に綺麗な画像を再現する。オリンパスの廉価機FE110と比べて撮影したが、FE110では時折みせるAFの外しだとかブレだとかは見られなかった。基本性能は良いのに妙な技術でユーザーを困惑させることが度々あったミノルタだが、それも無くなってしまった。惜しい話だ。
では、
撮影結果を見て頂きたい。
(了:2009/8/26)