ソニー サイバーショット DSC−P1について


DSC-P1
この横になった海坊主スタイルはデジカメの代名詞となった。

☆ジャンク度☆
不具合無し
撮影可能


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 大きく右にオフセットされた3倍ズームレンズ。
 サイバーショットPシリーズ一員としての大きなアイデンティティの起源になった。

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 ボディ上部から見るレイアウト。
 モノクロ液晶パネルの搭載が時代を感じる。

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 程液晶ビュワーの出来は標準以上である。

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 光学ファインダーを装備。
 モノクロ液晶パネルと組み合わせて、液晶ビュワーを消した状態で撮影できる。

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 プッシュ式十字キーを主要とした操作系。

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 大きさの割に持ちの悪いバッテリーは当時としては致し方なしか。
 メモリースティックというのは、運用面で足を引っ張る。

 2000年の旧世紀末、デジカメがウすらデカいソープケースのようなスタイリングで許された時代が終わろうとしていた。2000年5月にキヤノンから初代のIXYデジタルが登場している。200万画素級の撮像素子に光学2倍ズームレンズと、数値的なスペックは抑え気味であったが、いよいよ、キヤノンがデジカメ大戦に全面的に突入する狼煙と言えよう。同年の9月には300万画素級で光学2.5倍ズームを搭載したクールピクス880がニコンから登場する。後に繋がるニコンのコアモデルの基幹となったカメラだ。そして、同年の10月に本カメラが登場する。一時期はデジカメの代名詞となったDSC−Pシリーズの原点である。
 特徴的なスタイリングはカメラを正面に見て右端にオフセットしたレンズと、その鏡筒の縁に合わせたボディサイドの曲面である。拙僧は「すねて横になった海坊主」だと思っているのだが、市場の評価は好調で、しばらく先までソニーのサイバーショットと言えば、このDSC−Pシリーズを思い浮かべた。もっとも、実際にDSC−Pシリーズが大ヒットしたのは、本カメラより後裔機のサイバーショット DSC−P2かもしれないな。基本的なスタイリングを継承しながら、DSC−P2は大幅にコンパクトになった。また、本カメラが搭載する液晶モノクロパネルを排除した。つまり、液晶ビュワーを表示したままでも、十分に運用できる稼働時間を得ることができるようになったのだろう。本カメラのモノクロ液晶パネルには「撮影画素数」「バッテリー残量インディケーター」「撮影枚数」「撮影可能枚数インディケーター」「フラッシュモード」「マクロモード」と、撮影に必要な情報を全て表示していた。これにより、液晶ビュワーを非表示として光学ファインダーでの撮影を可能としたのである。これは、初期のデジカメが電気食いなのに対し、バッテリーの持ちが悪く、電気を喰う液晶ビュワーを非表示にして電気消費量を減らし、稼働時間を増やす工夫なのである。当時は、そういう運用は割と普通だった。この業界では重鎮のスパタ斉藤氏のコンテンツでは「以外にバッテリーは良く持つ。フル充電で1時間以上持つ」という趣旨を記述しており、当時のデジカメの稼働時間の少なさを鑑みることが出来る。
                ☆           ☆
 型番の「P」には「小型(Protable)」、「遊ぶ(Play)」、「楽しさ(Pleasure)」の意味をこめているようだ。小型というのは微妙だが、当時のライバルがクールピクス880やオリンパスのC−3030だから、ひとまず小型と言っていいだろう。「遊ぶ」「楽しさ」については、フィルムカメラでは考えられないパッケージングとスタイリングで。デジカメ時代の新たな遊びの可能性は示していると思う。
 電源はボディ上面のロック付きスライドスイッチにて行う。ボタンの長押しとどちらが節度があるかは微妙だが、拙僧はあまり好みではないな。電源ONから撮影稼働状態になるまでに5秒近くかかるのは時代的に致し方なしか。レリーズボタンの押下から、実際に画像の記録を始めるデュレイは短い方だと思う。記録から撮影稼働状態になるのに2秒弱かかるが、世紀末のカメラとしてはサクサク動く方であろう。
 操作系は合理化がなされる前のクラシックな思想に準じている。具体的には小さなボタンが多く、煩雑な印象を受ける。もっとも、拙僧などはマクロモードやフラッシュモードが独立したボタンになっていて好印象だ。ちょっと頂けないのはプッシュボタンを兼ねた十字キーである。この頃のサーバーショットの操作系に準じているのだが、拙僧はどうも苦手だ。ただ、本カメラの物はそこそこの節度を保っており、それほど不快な印象ではなかった。初期のモデルなのでコストダウンや合理化が進んでいない分、いい部品を使っているのかもしれないな。なにせ、定価ベースで99800円のカメラである。いかに当時のデジカメが高かったのかが忍ばれるな。
 レンズはライカ判換算で39〜117mmF2.8〜5.3の光学3倍ズームレンズと搭載する。当時も既にソニーはカールツアイスと提携しており、サイバーショットのシリーズにも、既にツアイスのブランドを冠したレンズを搭載したカメラは有ったが、本カメラはツアイスを名乗っていない。これに334万画素級の撮像素子を組み合わせる。当時は、まだまだベーシック層は130万画素級の撮像素子だったりしたから、相当奢ったスペックである。撮影画像は色ノリがあっさりしており、DSC−P2がギラついた画像を殺意するのに対照的である
                ☆           ☆
 この当時、ソニーは伝統的に創出型の戦略を取っており、時には失敗作もユーザーの責任において市場実験していた。何時からか、その攻めの姿勢は緩慢化し、次第に失敗もしないが独自のソリューションには至らない普通のデジカメメーカーになってしまった。今のアップルやサムソンの革新的な製品は、本来ソニーから創出すべきニーズだったのである。
 オリンパスとの接近のニュースの一方、内政的な問題も散見するので心配になるが、是非、世界のソニーとして確固たる基盤を形成してもらいたいものである。

 では、撮影結果を見て頂きたい。

(了:2012/12/21)

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