パナソニック ルミックス DMC−TZ3について


DMC-TZ3
グロテスクの一歩手前でバランスと保つパッケージング。

☆ジャンク度☆
電源不良(?)
撮影可能


DMC-TZ3 DMC-TZ3
 ライカ判換算で28〜280mmF3.3〜4.9の光学10倍ズームレンズ搭載。
 お好きな方は嬉しいバリオエルマリート。

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 内蔵式レンズキャップは何かと便利である。

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 パナソニックらしい品の良い仕上げ。
 手振れ補正を搭載してもグリップの効果は期待したいところだ。

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 操作系もこなれている。

DMC-TZ3
 専用電池はグリップ側に格納。
 適度な重さがホールディングに貢献する。

 本カメラを拾い上げてから、もう3年近くが経つ。デビューが2007年だから手に入れたのは登場から1年経っていないくらいだ。ジャンク駕籠に転がっていたのである。幸いにもバッテリーは入っていたので、手持ちの怪しげな汎用充電器で充電すれば使い物になるのである。ちょっと考えれば、この光学10倍ズーム手振れ補正機能搭載720万画素級デジカメは兌換性があるので、さっさと売りさばいてしまうのが賢い選択である。しかし、どうにも尻が重いので今では大した価値にはならなくなってしまった。もっとも、問題も有って電源ONが不安定なのである。時折、電源ONしてもON/OFFを繰り返して電源OFFになってしまうことがある。とはいえ、毎回電源が入らない訳ではないので注釈を入れれば拾った価格に利ザヤをかけてさばくことはできた。コスイ商売とお思いかもしれないが、拙僧だって完全ジャンクを拾うリスクを覆っているのである。兎も角、今となっては拾った価格で引き取られれば御の字である。
 第一印象は「肥えたルミックス」という物であったが、筐体に「10x」と書かれているから只者ではないと分かる。かつてのコンパクトデジカメであれば、デジタルズーム併用の水増し値がギラギラとしステッカーで張られていたものだが、最近ではメーカーも節度が見れてそのようなことはなくなった。鏡筒には「28mmWIDE」とあるからライカ判換算で28mmの広角から使えるズームなのだろう。「MEGA O.I.S」の意味は分からないがメガピクセル機で手振れ補正機能を搭載していると想像される。しかし、今どきメガピクセルは当たり前すぎて素性が分からない。パナは500メガピクセルとか700メガピクセルとか具体的な数値を記載しないのだ。これは奥ゆかしいとも思えるのだが、素性の知れないジャンクを拾う拙僧のようなダラシナイ者にとっては都合が悪い。メーカーの姿勢としては良いことだと思うのだが。
 拾い上げた当時はTVCMがまだやっていた。なんとキャッチコピーは「きみまろズーム」。主なターゲットは年配主婦層で旅行などのイベントで高倍率ズームレンズの普及を狙っていたようだ。拙僧の記憶が正しければ、当時は(今も?)韓流ブームで韓国へ向かう熟年女性層は目立っていた。立ち入り制限されたロケ地にも高倍率ズームは役に立つだろうが、成田空港で遠く離れた韓流スターを出待ちする熟年女性にも、あわよくばの希望を抱かせるには十分だっただろう。薄暗い空港建屋内でも手振れ補正が功を奏す。無論、背面の大型液晶ビュワーは老眼が進んだ目にも憧れのスターの血行の良い姿を眺めるにいい塩梅である。28mmの広角も景福宮の池で記念撮影するのに都合がよい。閔妃暗殺など知ったことではないな。
 高倍率ズームレンズ搭載コンパクトデジカメのパイオニアといえば2001年4月に登場したオリンパスC−700UZである。それまでにも高倍率ズームレンズを搭載したデジカメは存在したが、大柄だったり高額だったりして気楽に手が届くものではなかった。いくら手振れ補正機能がついていても15万円もしたらムービーカメラに目が行く。なので、とにかく画角がほしいパパ&ママにヒットしたようだ。200万画素級で始まったC−700UZだが、後裔機のC−720UZでは300万画素化し、更に完成度を増したC−730UZでは子供の運動会のような「肝心な場所」でも綺麗に写すことができた。その間にパナソニックが立ち上げたのがDMC−FZ1である。フィルムカメラでは考えられない35〜420mmF2.8相当の明るい光学12倍ズームレンズに手振れ補正を搭載し、エルマノックスめいた直線基調のかっこいいデザインは男子心をつかむに充分であった。実際にはオートカメラであり、小さい受光素子で実現したイメージサークルの小さいズームレンズで撮影した画像は感心したものではなかった。標準的なサイズの受光素子で、マルチモードAEにマニアル露出も可能なC−730UZに比べると画像もカメラとしての基本性能もかなり見劣りするものだった。とはいえ、DMC−FZシリーズは相当売れたようである。ただ、その戦闘的なルックスが男子受けはしたものの、女性が持つのには物騒と思われたようである。遠くの韓流スターを大伸ばしで切り取る肉食的なオーラはなるべく発したくないのが大和撫子心というものだ。そういうわけで普通のコンパクトカメラの顔をした高倍率ズーム機が欲しいのである。
                ☆           ☆
 手に取ると3倍光学ズームレンズを搭載したノーマルなルミックスより2周りは大きい。しかし、デザイン基調は統一されており、柔らかなグリップのカービングや滑面のシルバーとマット面のディープブルーのツートンの組み合わせも上品である。グリップの突起はホールディングの向上と同時に口径の大きいレンズ口とのバランスを取っているのだろう。実に調和がとれている。背面にはセンター付き十字キーの他にディスプレイモードキーとファンクションキーの2つしかボタンが無い。ボタンが多いだけで嫌な気分になる女性の心理をよくわかっている。かといって操作性は犠牲になっていない。撮影の諸設定はセンターキーによって階層メニューを表示して行うが、実に生理的にわかりやすいデザインである。それも弄りたくないならモードダイヤルで「かんたんモード」をセットすればよい。メニューが制限されて悩まずに済む。本カメラはボディ幅があるのでボディ上面にモードダイヤルを置くのは容易だったようだ。特徴的なのは「インテリジェントISO感度モード」である。これは被写体の動きを感じて自動的に感度を調整するするモードでクレバーなブレ補正を実現している。シーンモードは「SCN1」と「SCN2」の2つが用意されている。20種類のモードから2つを選択し、プリセットのように設定するものである。拙僧はシーンモードを殆ど使わないので重要性はあまり感じないが、使う方には便利だろう。
 受光素子は720万画素級。もはや無敵である。レンズはライカ判換算で28〜280mmF3.3〜4.9の10倍光学ズームレンズ。若干暗いが、強力な光学手振れ補正がものともしない。シリーズファーストモデルのDMC−TZ1は35〜350mmの望遠に寄ったレンズだった。カメラ趣味物は広角側の拡張を望むのだがメーカーは望遠側の充実に向き気味である。技術的にも望遠側に伸ばすのが楽な気がするのは55mmとか58mmとかの標準レンズを知っているからなのだが、フィルム時代からコンパクトカメラは望遠側を充実した方がユーザーに受けたそうだ。確かに28mmという焦点距離は記念撮影では一歩踏み込まないと被写体が小さくなってしまうし、かと言えカメラが近づくと被写体も緊張しがちである。初期のコンパクトカメラは最短撮影距離が長めとあって使いづらい一面もあった。しかし、寄れるのが身上のコンパクトデジカメであるから長所は生かされる。本カメラが登場した2007年と言えばデジカメは普及し、ターゲットである熟年女性層もフィルム時代には考えられないほどショット数は増えて、28mmの広角も違和感は無く使えるのではないだろうかと思う。無論、ガジャット好きにも好感触だ。
 ズーミングはボディ上部のレリーズボタンを同心とするレバーで行う。最短から最長までは4〜5秒で素早い。レスポンスも素早い。マクロモードで広角側で5cm、望遠側で2cmまで寄れる。中々立派な数値だ。しかもマクロモードでも無限遠まで合焦するのだから、パナソニックだけあって隙が無い。感度もISO1250まで設定できてシーンを選ばない。測光モードも「評価測光」「中央重点測光」「スポット測光」から選べる。更に秀悦なのはフラッシュモードや測光モードと言った諸設定の他に、ズーム位置まで電源OFF時に覚えているのだ。いつ出てくるともわからない韓流スターを成田で出待ちするにはもってこいである。
                ☆           ☆
 普通のコンパクトカメラの顔をした高倍率ズームレンズ搭載機としてはカシオエクスリムEX−V7もあるが、あちらは屈折光学系がアダになったのか画質面では芳しくない。最新モデルは知らないが、この当時に28mmをカバーする高倍率ズームはファインピクスS6100fdとか仰々しくなりがちだったから本カメラのアドバンテージは高い。
 機能的にも至れり尽くせりで死角なしである。ポケットにはちょっと嵩張るだろうが、女性のハンドバックなら常備携帯しても気にならないのではないか。DMC−FZ1はギミックが売りみたいのところがあったが、本カメラは実用性充分である。
 我々のようなM1M2層は「きみまろズーム」に挫けそうになるのだが。

 では、撮影結果(キッズ・チアリーディング編)を見て頂きたい。

(了:2011/3/19)

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