リコー DC−2Eについて


DC2E
仰々しい液晶ビュワーがチャームポイント。

☆ジャンク度☆
無し
撮影可能


DC-2E DC-2E
 追随製も良く見やすい液晶ビュワー。

DC-2E DC-2E
 ボタンが多いところから小型のDVDプレイヤーかPDA端末に見える。

DC-2E DC-2E
 電源スイッチとリンクしたレンズカバー。
 ライカ判換算35mmF2と明るく使いやすい単焦点。

DC-2E
 記録画像の削除は1枚づつ行う。

DC-2E DC-2E
 廉価機だが中々良い面構えである。

DC-2E
 撮影モードと再生モードの切り替えを兼ねたスライド式電源スイッチ。

DC-2E
 内蔵メモリのデータとPCカード内のメモリのデータの転送時に使われると思われる。

DC-2E
 この時代、光学ファインダーは重要だ。

DC-2E
 電源は単三型電池4本。消耗は激しい。

DC-2E
 ボディ裏面には三脚座とPCカードエジェクトレバーが。

DC-2E
 「RICOH DIGITAL CAMERA SYSTEM」のロゴが眩しい。

 本カメラはリコーDC−2Lの2焦点レンズを広角側35mmのみの単焦点とし、フラッシュと音声記録を廃止した廉価版41万画素デジカメである。最も、同じ2MBの内蔵メモリを搭載しながら撮影可能枚数が増えている(エコノミーモードで38−>41枚)ので、中身は色々変わっているのかもしれない。とは言え、撮影画像を見ると飛びぬけて変わっている風にも見えないので基本的にはDC−2Lを踏襲したオペラグラスタイプのカメラである。サイズも変わっていないようだ。どの位値段が下がったのかと言うと、標準で液晶ビュワーを搭載した本カメラの定価ベースの価格と液晶ビュワーを未搭載のDC−2が同じ価格だと言う。
 発売が1996年6月と言うから黎明記のデジカメと言えるだろう。同時期にカシオもQV−10の廉価版のQV−10Aを出している。徐々にコストが下がって一般層にも手が届くようになった。それでも定価ベースで69,800円と言うからヨドバシで標準ズーム付きのF60(当時)に手が届く価格帯であったわけだ。当時の拙僧はスズキの400ccインパルスで山河を謳歌していたからカメラ事情はしらない。リコーも初代のDC−1は板ガムタイプの専用電池を使用していたが、DC−2になってからは汎用性の高い単三型電池を採用した。お陰で稼動状態にあるDC−1を探すのはほぼ不可能だが、DC−2以降のリコーのデジカメは現在でも運用可能だ。但し、時代的に電池の消耗は激しいので注意。
 レンズは前述の通り単焦点でライカ判換算で35mmF2である。フラッシュは省略されてしまったがレンズが明るいのと、そもそもこの頃の受光素子は明るいところより暗いところの方が得意なので室内撮影でも然程苦労しないだろう。オペラグラススタイルと言われたパッケージングは慣れるとしっかりグリップできる。撮影スタイルは110判ポケットカメラやミノックスを思い出す。ただ、レンズが右端にオフセットされているので右手指が写りこんでしまう。本カメラの液晶ビュワーは明るさの調整も出来て晴天下でも見易く、追随性も良いのでQV−10の様にカクカクせず快適である。ただ、それでも指が写りこんでいるのは撮影中には気づき辛いので注意が必要だろう。最短撮影距離はレンズ前1cmとかなり強力なマクロ撮影が可能である。カメラの構造と相成ってマクロ撮影はし易い。AFには一抹の不安があるがリコーDC−2Lの時よりはフォーカスを外している画像は少なかった。実際にAFの精度が上がっているのかは分からない。ちなみにMFも可能である。
 記録画像はファイン、ノーマル、エコノミーの3種類のグレードから選択が可能で、それぞれ2MBの内蔵メモリでは10枚、20枚、41枚の画像が撮影できる。ちなみにDC−2Lではノーマルで19枚しか撮影できない。拙僧の見た限りではファインとノーマルの差は感じられないのでノーマルで撮影しても問題ないだろう。記録媒体はコダックの初期のデジカメの様にPCカードメモリを使用する。手元にあるDC50ズームが認識可能なスマートメディアアダプターが本カメラでは使用できなかった。しょうがないので内蔵メモリのみで撮影したがストイックな撮影スタイルを強いられる。ちょっと困ってしまうのが拡張子がj6iという独自のフォーマットのファイルで画像を記録してしまうところだ。一応、Jpegに準拠しているらしいのだが勿論そのままでは標準的なビュワーソフトでは開けないので変換する必要がある。幸い、これはVector等でフリーソフトが簡単に入手可能である。特徴的なのが画像サイズが788X670とエプソンのCP−100やフジのDS−8のような35万画素カメラよりも少し大きい点である。これは41万画素という一回り大きい受光素子を搭載しているから当たり前なのだけれども、実際にディスプレイに表示すると数字より効果は大きい。尤も、何故か横に間延びしたハイビジョン画像になってしまうのだけれども、これはフリーソフトの変換の問題なのだろうか?
                 ☆              ☆
 では撮影してみよう。
 ボディ後部の電源スライドスイッチを「記録」側にスライドするとレンズカバーが待避しレンズが露になって撮影可能状態になる。このとき、ボディ上部のモノクロ液晶パネルに撮影可能枚数やバッテリー容量インディケーター、画像のグレードモード等を表示する。このまま光学ファインダで撮影も可能だが、モニターボタンの押下で液晶ビュワーがONになるので電池の残り具合と相談しながら使用する事になるだろう。このとき、液晶ビュワーには「撮影できます」の表示と共に照度が暗い場合には「スローシャッター」の警告を表示する。このとき、「記録モード/消去」ボタンを押下すると「ノーマル」「連射」「文字」モードに遷移する。「DATE」ボタンと「RA」ボタンの意味は分からない。「DATE」と言うくらいだから日付を変更できるのだと思うのだけれど、やり方はわからなかった。このとき、「△」若しくは「▽」ボタンを押下するとMFモードになりマニアルフォーカスが可能である。フォーカシングは緩慢な為、多少根気は必要だが、これは液晶ビュワーによるフォーカスが掴みやすいのも相まって実用性は高いと思われる。尤も、MFモードからAFモードへの遷移の方法は分からなかった。まあ、電源をOFFすれば初期状態に戻る。「+/−」ボタンの押下で露出補正も可能だ。
 レリーズボタンの押下でフォーカシングを行い画像を記録する。レリーズボタンには節度が無く、いわゆる半押しにするフォーカスロックは出来ないか非常にやり辛いと感じた。ちなみにDC−2ではフォーカスロックは出来ると書いてあるのでおそらくで出来るのろう。フォーカシングそのものは素早く、記録もデータ量が少ないせいかそれ程待たされる事は無い。1〜2秒ほどプレビューを表示して次の撮影が可能である。もしかしたらPCカードのスピードによっては待たされるかもしれない。
 電源スイッチを「再生」側にスライドすれば撮影画像を液晶ビュワーに表示する。このとき、「△」や「▽」ボタンを押下すれば撮影画像を送り、「記録モード/消去」ボタンとレリーズボタンの押下で画像を削除する。メニューからは1枚ずつしか削除できないが、ボディサイドにある小さなフォーマットボタンをボールペン等で押下すれば全ファイルの削除ができる。やや、煩雑な操作なので、何れにしろ内蔵メモリのみで10〜20枚程度の画像しか撮影出来ないので1枚づつ削除しても問題ないであろう。ファイルの削除はPCへの画像データ転送ソフトでも行える。
 PCへの画像データ転送は専用ソフトDU−2W、或いはDU−4Wで行う。或いは本カメラに対応しているリコーのソフトは他にも有るかもしれない。DU−2WはDC−1シリーズ及びDC−2シリーズに対応し、DU−4WはDC−1、DC−2、DC−3、DC−4シリーズに対応している。カメラからPCへの画像の転送の他、PCからカメラへの画像の転送も可能である。但し、前述の通り画像フォーマットは*.j6iという独自の必要がある。
                 ☆              ☆
 PDA端末を基調としたパッケージングの為、撮影後の再生や削除、或いは撮影時の諸設定は常識的なカメラとは異なる操作感覚である。AFが苦手な被写体もMFが出来るので実用性は高い。ホワイトバランスが不安定なのか、色再現は独特の癖と言うか明後日の方向に飛んでしまう傾向はあるけれども、時代的には本カメラの特別な欠点とは言えないだろう。何しろ、1cmまで寄れるマクロは愉快だし画像も数多のオモカメよりは実用になる
 今ではPC接続キットを手に入れるのが困難であろうが、何かの拍子にPCカードが手に入れば現在のノートパソコンでも運用は可能なはずである。DC−2Lの廉価版の位置付けだが、実際にはAFや撮影枚数など改良も見受けられ実用性は上がっているだろう。機会があれば楽しんでいただきたい。

   では、撮影結果を見て下さい。

(了:2009/10/19)

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