リコー キャプリオR7について


CaplioR7
キャプリオブランドの最後の後継者

☆ジャンク度☆
不具合なし
撮影可能


CaplioR7 CaplioR7
 コンパクトボディにライカ判換算で28〜200mmの光学7倍ズームレンズを搭載。
 勿論、手振れ補正機構付き。

CaplioR7 CaplioR7
 撮像素子は800万画素級で近代戦闘に耐える。


CaplioR7 CaplioR7
 大振りなレンズが印象的。


CaplioR7
 大きく見やすい液晶ビュワー。

CaplioR7 CaplioR7
 ジョイスティックが印象的。

CaplioR7
 バッテリーはパナソニックのルミックスFXシリーズと共通。

 拙僧とリコーのすっかり忘れていた縁を思い出した。拙僧は新宿でも結構治安の悪い場所にある専門学校を卒業した後に、リコーの代理店で働いていたことがある。別にカメラとは関係ない。半導体の商社だったのだが、ソフトウェア事業部があり、そこのビジネスソフト部門に入ったのである。ところが、入社して1週間で直属の上司がトンずら、次に上司とされた人間には「社長に何を言われたか知らないが、俺は部下を持つつもりはない。好きにしろ。」と言われ、好きにさせて貰った。その時にUNIXの勉強をしたのが、その後の10年間くらいの飯のネタになったのだから、有意義であった。そんな会社に愛着は湧かないから1.5年ほどで辞めることになる。その数年後に、テナントが入っていた荻窪のビルに行ったら別のテナントが入っていたから潰れたのだろうか。あの自由人な社長と取り巻きが少しは困ったのならいい気味である。思い出したのは、そこの出来ない営業マンが取引先で厄介な約束をしたらしくて、リコーのコンパクトカメラを社員全員に売りつけに来たのだ。無論、あっしは買っていない。あっしがカメラ民族としての自覚も無く、元気にスズキGSX400Rインパルスで第三京浜を往復していた頃だ。バトラックスの高い方が買える値段は大金である。どうかというと、やはり出来ない営業マンが義理で買っていた。営業マンというのは大変な仕事だなあ。
 最近のリコーの話題はペンタックスの買収である。買収と言うと、我が国では何となく負のイメージがあるが、ペンタックスのコンシューマー向けカメラ部門がひとまず継承していくのだから、我々としては拍手を送りたいものである。早々、リコーの公式HPにはペンタックス製品のバナーを用意している。扱いは大きくはないが、これから本格的に統合していくのであろう。サムソン辺りに喰われなくてよかった。リコーは二眼レフで、ペンタックスは一眼レフで、戦後から高度経済成長期の立ち上がる日本を支えた盟友であるから、これからも存在感を発揮してほしい物である。
                ☆               ☆
 デジカメ世界大戦の初頭から参戦していたがのリコーである。パイオニアとなったカシオのQV−10が25万画素級で100枚近く撮影できる低画質だったの対し、リコーは41万画素級の高画質のDC−2Lで対抗した。前者が回転レンズ型で液晶ビューカムの流れをくむのに対し、リコーはオペラグラス型のボディに開閉式液晶ビュワーを搭載し、携帯端末のようであった。実際、リコーは事務機器の大手であるから、コンシューマーだけではなく、ビジネスモデルとしての展開を期待していただろう。実際、続くモデルではパソコン通信との接続が可能にったり、タッチパネルで文字を書き込める機能を搭載している。あまり知られていないが、いわゆる「工事カメラ」もリコーは取り込み、現場監督のコニカが足踏みをしているうちに、基盤を固めたようだ。しかし、そういうオフィス・ビジネス方面はパイが限られもするから、一般ユーザー向けに裾の根を広げたいと思ったのだろう。もっとも最初にキャプリオ銘を与えたキャプリオRDC−i500は、それまであった携帯端末タイプのデジカメを踏襲したもので、取り立てて新たな市場を開こうという趣向は感じない。多分、RDC−7等と言った味気ない呼び名では売りづらいと営業サイドから言われたのだろう。だが、キャプリオ銘のカメラはコーギャルに迎合しようとして失敗したWiiのコントローラーめいたRR10とか、異色の高レスポンス(当時)だがルックスが激しくイモっぽいRR30とか、とても市場に好意的に受け入れられていなかった。キャプリオRシリーズの方向性が定まったのはキャプリオRXで、これはルックスは三重県なのだが、ライカ判換算で28〜100mmと、当時は珍しい広角側28mmのズームレンズを搭載した。広角で接写に強いキャプリオブランドの成立である。この頃にはキャプリオはRシリーズとGシリーズと工事カメラの三系列を立てていた。基本的にはGシリーズが上位で普及クラスのRシリーズという位置づけである。これはフィルム時代のGRシリーズとRシリーズを思い出すが、キャプリオには、そこまでの明確な差別化は無いようだ。
 キャプリオRシリーズが明確なポリシーを持つのはキャプリオR3からである。これはそれまでのイモっぽいルックスを一新しており、常識的なコンパクトカメラながらライカ判換算で28〜200mmの光学7倍ズームレンズを搭載した。かつて、そのようなズームレンズを一眼レフで使おうとしたら、かなり嵩張るからデジカメ時代の福音である。本カメラは、そのR3の系列を踏襲する。また、21世紀早々に興ったキャプリオ銘を与えられた最後のカメラとなった。
 本カメラは28〜200mmの高倍率光学ズームレンズを踏襲し、撮像素子に800万画素級を奢っている。レスポンスもそこそこ良いので近代の戦闘にも耐える。高感度での撮影ものノイズは少なく、夜間でもそれなりに明るければ夜景の手持ち撮影も可能だ。飛びぬけて素晴らしい点も無いのだが、オールマイティに使えるカメラである。
                ☆               ☆
 やはり感心するのは28mmから始まる光学6倍ズームをこれだけ小さなボディに収めたことである。フィルム時代に38〜150mmなんていうコンパクトカメラもあったが、望遠時にはびっくりするほどレンズが伸長するし、明るさは望遠側でF13とか実用に難のあるものだった。それに比べると、確かに撮像素子の面積がライカ判フルサイズに比べて遥かに小さいので有利だと分かっていても、大したものだと感心してしまうな。
 気になったのが、撮影に同行して1週間もしないうちにペイントの一部分が剥がれてしまった事だ。拙僧などはジャンクで数百円で拾ったのだから大して気にしないが、新品で数万円で購入したのだと落胆するだろう。こういうのはブランドイメージにもつながるので、あまりお金をケチってほしくないな。

  撮影結果(2011年上海編)を見ていただきたい。

(了:2011/8/19)

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