オリンパス C−860Lについて


C-860L

☆ジャンク度☆
不具合なし
撮影可能


C-860L C-860L
 オリンパスらしいカプセル型ボディ。


C-860L
 兎に角、似たような外観のカメラが多い。


C-860L C-860L
 C−820L(D−320L)時代から変わらない外観。


C-860L C-860L
 左右に五つのコマンドボタン有り。


C-860L
 背面には液晶ビュワー表示ボタンとカーソルボタンがある。


C-860L C-860L
 案外みやすい液晶ビュワー。


C-860L C-860L
 オリンパスらしいスポット・ESP測光の切り替え。

 ジャンク籠を覗く趣味のある方なら本カメラによく似たカメラを見たことがあるに違いない。オリンパスはこれと同じ外観のカメラを中身を微妙に替えて発売していた時期があった。本カメラの場合、拙僧が把握する限りは85万画素級のC−820Lを端にしているが、その前の内蔵メモリ式デジカメも、その後のヒット作であるC−900シリーズでも同様であった。C−820Lなどは海外版のD−320Lに日本語のマニアルを付けて売っていたりしたから余計ややこしい。兎も角、オリンパスはこの形、つまりカプセル型で短焦点、コークボトルの様なえぐれたボディのカメラを標準デジカメとして位置づけたようだ。初期のD−320Lについては拙僧のコンテンツにもまとめてあるのでどのように変わったのか見ていただきたい。何れにしろ、オリンパスの黄金時代の初期にあたるデジカメである。
 まず、本カメラの前にC−830Lという130万画素級のカメラが存在したようだ。拙僧も持っていた筈なのだが、何分似たようなカメラが幾つも転がっていたため処分してしまったかもしれない。D−320L(C−820L)を持っている拙僧はよく知っているが非常にプリミティブなオートカメラで、ユーザーの意思を反映させることが出来る項目は非常に少なかった。この辺りはキヤノンパワーショットA5と好対照である。本カメラは表示すら英語だったC−830Lの表示を日本語化し、様々なマニアル機能を加えたカメラと言うことらしい。加わったマニアル機能はホワイトバランス、露出補正、スポット測光/ESP測光、ISO感度設定(100〜500)等で言ってみればこれらの機能はC−830Lには付いていなかったのだ。スポット測光/ESP測光に切り替えられるのがオリンパスらしいところだな。機能を加えると言ってもボタンレイアウトはC−820L時代から変えることが出来ないからカメラを構えて一番左のボタンをメニュー切り替えボタンとし、押す毎に設定モードがシーケンシャルに切り替わるようになっている。例えば押す順番にホワイトバランス、露出補正・・・最後に連射モードと言った具合だ。項目設定は背面の+/−ボタンで行いレリーズボタンで決定する。レリーズボタンで決定を行うと通常の撮影モードに戻ってしまうので、複数の項目設定をしたい場合は何度もメニューを表示することになってしまうな。さて、メニューに加えられた連射モードだけれども、拙僧の記憶ではC−830Lでは一番右側のボタンで切り替えられた気がする。っと、言うのもD−320Lの連射モードは1つの画面を9つに切り分けて連射画像を記録するものだったのに対し、C−830Lは普通のちゃんとした(?)連射だったので感心した記憶があるのだ。この点は手元に現物が無いので余談としたい。
                ☆               ☆
 次は本カメラの仕様を紹介しよう。レンズはライカ判換算で36mmF2.8の単焦点。撮影範囲は50cm〜∞、マクロモードで10cmまで寄れる。但し、この液晶ビュワーでマクロの焦点が合っているかどうかを確認するのは至難である。AFはよく効く。レンズバリアを開くと数秒で撮影可能状態になる。光学ファインダーを使った撮影ならフィルムコンパクトカメラに近い撮影開始が可能であろう。起動時間がぬるいフィルムコンパクトカメラもあるのだ。但し、記録にはそれなりの時間を要する。液晶ビュワー非表示だと、撮影画像のプレビューも表示されないので赤色のLEDランプの点滅でビジーを判断することになり、これは少し使い辛いだろう。液晶ビュワー非表示でもプレビュー位は表示するべきだな。晴天下で暗くなりがちな液晶ビュワーもフレーミングをする程度には問題は感じなかった。ただ、殆どパンフォーカスなのかどこにピントが合っているかは殆ど分からない。
 電池の消耗にはシビアで、本カメラで使えなくなった電池を他のデジカメで使うことが可能だった。日本語化や可能となった諸設定の他、カメラとしての基本性能は変わっていない気がする。
                ☆               ☆
 肝心の画像だが、マクロ撮影では柔らかなエッジを表現する物の、スナップや遠景では被写体の再現性はイマイチで、具体的には解像力に問題があると感じられる。640x480位に圧縮するとピンとくるのだが、これは明らかに解像不足だろう。コンテンツ作成程度には使えないことは無いのだが、電池にシビアなので考えさせられてしまう。同じ130万画素級でもシャープな画像を提供するデジカメがある。
 本カメラの登場時はデジカメの画素数が300万画素級に手が届く頃で、オリンパストしては既存の資産で安価なデジカメを提供したかったのだろうが、同じ価格帯でファインピクス1500が並んでいると本カメラの立ち位置は厳しい。
 C−800シリーズに一時代を作り上げたという功績があるのは確かなので、後一歩本カメラで頑張ってしまったのが逆に残念だな。
 これで電池が持つとか記録時間が素早いとか押しがあれば別だったと思うのだけど。

   では、撮影結果を見て下さい。

(了:2009/5/15)

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