オリンパス キャメディア C−21について


C-21

☆ジャンク度☆
不具合なし
撮影可能


C-21
 レンズバリアを下げ、撮影状態にしたところ。


C-21 C-21
 シンプルなボディ上部。
 撮影枚数などの液晶パネルが位置する。


C-21
 直線を基調とした清楚なデザイン。


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 あまり扱いやすいとは言えないボタン。


C-21
 この液晶ビュワー切り替えボタンの操作性は最悪。


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 撮影時に右側にモード切替のメニューが表示される。
 情報メニューは左側に表示される。


C-21
 再生時には諸情報が表示される。
 

 旧世紀の1999年にオリンパスから発売されたコンパクト単焦点デジカメが本カメラである。ライバルはエプソンCP−800Sあたりだろう。噂によると双方とも三洋がベースになっているらしいが。1999年と言うとオリンパスからは名機C−2000シリーズが登場した年で逆に言うとそれだけ古いカメラだな。
 当時、200万画素級デジカメとしてはクラス最小のコンパクトを誇っていたらしい。単三型電池2本を使うことを考えれば現在でもコンパクトに思われる。本カメラが登場した頃、普及機でもフィルムカメラではフジのティアラやオリンパスのELLEなどスタイリッシュなカメラが店頭に並んでおり、性能は良いんだからデザインは気が利か無くてもしょうがないジャンというデジカメ界でもぼちぼちスタイルが重要となってきた。外装は肌理の細かい梨地の金属ボディで、当時、フィルムカメラで流行った高級単焦点コンパクトカメラを意識したらしい。GR−1とかTC−1の路線だな。実際には折角の金属製ボディもプラスティックの様な質感で必ずしも成功しているとは限らない。この評価にはオリンパスも憤慨したようで後にチタン使用のモデルが登場する。このモデルも持っているので何れ紹介したい。それでも直線を基調とし、レンズカバーを下ろして起動するギミックなどデザインに気を掛けた形跡がある。何ていったって定価8.9万円ベースのカメラである。何れにしろ一年後にはIXYデジタル(初代)が出てクールなコンパクトデジカメの方向性と言うのは決定的に決まってしまう。
 こういう高級路線の単焦点モデルはレンズが優秀なのが必須だが、本カメラはどうなのであろうか?ライカ判換算で38mmF2.4と言うレンズは当時としては明るいレンズで解像度も高いらしい。絞りは開放とF8の切り替え式で制御はシャッター速度で行うようだ。レンズの解像度と言う点ではCP−800Sでは明らかにパワー不足であったから。良い物が付いていると考えていいかもしれないな。
                 ☆             ☆
 では、撮影に使ってみよう。レンズはカメラを構えて左端にオフセットされており、レンズ上部のレンズバリヤを下げる事によって電源がONし、撮影可能状態になる。正直言ってここまで端っこにレンズが追いやられると、注意しないと特に縦位置で撮影すると指が写りこんでしまう。この時、液晶ビュワーが何も表示しないので壊れているのかと思ってしまうが、この時代のオリンパスのデジカメは液晶ビュワーOFFがデフォルトなので、液晶ビュワーを表示したい場合は液晶ビュワーの上にある小さな銀色のボタンを押下する必要がある。これが押し辛く非常に手間だ。このボタンは撮影中にもダブルクリックすることで直前に撮影した画像を呼び出すことが出来るのだが、操作のし辛さは特筆ものである。液晶ビュワーはこの時代のものとしては、ちょっと暗めだが割とまともな物が付いている。マクロモードで撮影したいと思い、マクロスイッチを探したが見当たらない。なんとマクロモードは液晶ビュワー内の階層化されたメニューから呼び出すのだ。液晶ビュワーの右端にはメニューが縦に並んでおり、十字に配列されたコマンドボタンでメニューを選択し、左右のコマンドボタンで項目を選択するのだ。メニューは上から露出補正、フラッシュモード、マクロ・目測モード、etcetcと並んでいるのだが、フラッシュモードとマクロモードくらい独立したボタンを設置して欲しい。ちなみに撮影距離は通常モードで0.6m〜無限大。マクロモードで0.15m〜0.6mである。その他、高級機らしくマニアルフォーカスで0.2m、2.5m、∞が選べる。本カメラのメモ・スナップという用途では2.5mは使えるかもしれない。
 旧世紀のデジカメとしてはAFは速い。「カチッ」という動作音が1秒、その後1秒後に「ピッ」というアラームが聞こえる。AVOXの安カメラのように動作音がしてから露光まで時間がかかると言うことは無いので、画像がシュールに歪むということは無い。ただ、動作音だけで「ピッ」というアラームを聞くまでレリーズボタンは押しっぱなしにしないと、画像は記録されないようだ。液晶ビュワーをOFFにしても撮影画像はプレビュー表示され2秒ほど表示される。撮影2秒、記録2秒というのはこの時代のデジカメとしては大した物である。ISO感度も100(AUTO)、200、400と選べる。暗い場所ではゲインアップし、レストランで料理などを撮影するのに便利だろう。流石に400ではノイズが目立つが、縮小してコンテンツに表示するような使い方では問題ないと思う。その他、ホワイトバランスなど様々なプロパティが設定でき、オリンパスが高級機として押すのも分かるが、これらは電源をOFFすると全て忘れてしまう。折角の多彩な機能なのだから保持して欲しい物だ。そうでなくても本カメラのボタンはデザイン優先で押し辛いのである。
 前述の様に解像度は高く、なかなかの物である。これは中身は同じらしいCP−800Sと比べれば分かる。しかし、色彩現にはちょっと癖があると思われる。特に赤だ。ドカティを写した画像を見ると分かるのだが、本来の艶っぽい所が無くなってぼてっとした赤になってしまうのである。反対にアジサイといった寒色系は心地よい色を見せるようだ。また、時代の割にはラチュードも豊富な様である。
 気になるのが電池のもちで、ほぼ満タンのエネループを入れたが10枚くらい撮影したところですぐにエンプティの表示が現れるのである。かといって撮影は続行できて、それから50枚くらい撮影しても電池はなくならないから、電池にシビアと言うより神経質なのだろう。
                 ☆             ☆
 高級デジカメとして登場した割には市場の評価はイマイチだったようである。そもそも、当時のデジカメは性能の割りに高かったし、もう一声、外装や機能を盛り込んでワンクラス上を狙うと言うのは筋としては良かったのかもしれないけど、本カメラはちょっと使い憎すぎる。なんでも1年後には3万円台で売られていたらしいが、そのくらいが丁度本カメラのアイデンティティが生きる価格帯ではないかな。

   では、撮影結果を見て下さい。

(了:2009/5/22)

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