コダック EasyShare CX7330 Zoomについて


CX7330

トイデジカメ価格のマジデジカメ

☆ジャンク度☆
不具合なし
撮影可能


CX7330
 レチナの名を冠した3倍ズームレンズ。


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 3.1MEGAとKODAKのロゴが誇らしい。


CX7330
 大きなコマンドダイヤルが目を引くボディ上部。


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 起動に表示する「EasyShare」のロゴ。
 縦位置で撮影した画像は自動的に縦位置に表示する。


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 十字キーは往年のソニーのようなプッシュ式。
 

 本カメラのことはインターネットでも調べたのだけれどもよく分からない。いや、CX7330というデジカメはコダック等のコンテンツで紹介されている。何でも2004年当時のコダックのデジカメのラインナップでは最も廉価な300万画素級デジカメで、海外では随分普及したそうだ。これの日本版が本体のみ50台、プリンター「EasyShare プリンタードック PD−22」とセットで50台の計100台だけがコダックのオンラインショップで発売されたらしい。この販売台数はライカやアルパなら大変な数字である。メニュー等は当然日本語化されているだろうから、採算が取れるのどうか不安だ。お値段は本体のみが14800円とトイデジカメ並み。ちなみにプリンタ付だと26800円。このプリンタはL判しか印刷できないようで用途はかなり限定されるだろうな。「EasyShare」と言うのはコダックのデジカメとPCやプリンタを接続する規格らしい。カメラ側にShareというボタンが有って、この用途は何だろうと思っていたのだけれども、どうも画像をEasyShareで選択すると自動的に選択された画像がプリントアウトされるようなのだ。これはどういうことになっているかと言うとプリンタ側がドッキングステーションになっていて、PCを関せずカメラから簡易な操作でプリントアウトが出来ると言う仕組みだそうだ。
 さて、限定100台と言うのは廉価クラスのデジカメとしては少なすぎる。コダックのデジカメはDC210AにしろDC280Jにしろ広角側に強いレンズを持ち、独特の色再現が美しいカメラであったが大柄なボディや大雑把な操作系で日本にはイマイチ定着しなかった。アイコン主体のメニューはユーザフレンドリーかつグラフィカルで面白かったのだが。もっとも、作っているのはチノンなのだから、その辺りのさじ加減は出来たのであろうけど要は北米の需要がそうであったのだろう。なので一時期日本のデジカメ市場から撤退したコダックが、再び日本でデジカメを展開させるには慎重になったようである。そこでとりあえず廉価な物件を日本国内で限定発売してみたということなのだろう。ところで拙僧の個体なのだが、外観・機能はCX7330と同じというかボディにもCX7330と記載されているのだが、ボディーカラーがゴールドなのである。正確に言うと薄いシャンパンゴールドなのだが、数々のコンテンツで確認したCX7330は純然たるシルバーなのである。ゴールドモデルがあるという話はコダックのHPを初め見当たらなかった。もしかしたら、本カメラは限定で発売されたCX7330のボディーカラーを塗り替えて一般発売された物なのかもしれない。勿論、以上は拙僧の全くの想像なので根拠は無い。しかし、100台しか売られなかった物件が拙僧の手元にしかも色違いで有るというのも不思議な話なので、あながち無い話ではないだろう。尚、本カメラの名誉のために言っておくが、オンラインショップで14800円と言うトイデジカメ並みの値段で発売されたが、AVOXやD’zginのように画像が明後日の方向に歪んでしまうようなことは無く、ちゃんと写る。それも結構綺麗に写るのだ。この点については後述する。
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 大きさは手のひらに入るほどでかどが丸くて愛らしい。左端向かって反り上がった突起物があり、スリットの入った透明樹脂が張り付いていてグリップを形成している。決して構え辛いカメラではない。本カメラの大きな特徴はそのゴールドカラーだが色見は押さえ気味で安っぽくない。もっとも、塗装自体はお金がかかっているようには見えず、何れ擦り切れて下地が見えてしまうだろう。三河人は金好きで、軽ワゴンからセルシオまでロゴやモールがゴールドにペイントされた三河仕様というのがあるが、案外本カメラの前オーナーもその辺りが気に入ったのかもしれないな。レンズは光学3倍ズームの「RETINAR」。レチナの文字が見受けられるのはうれしい。焦点距離はライカ判換算で37〜111mmでF値はF2.7〜4.6。旧世紀のコダックデジカメを愛する物からすると平凡な焦点距離だが、このコンパクトなボディに搭載するとなると常識的なレンズになるのだろう。5種類のシーンモード(オート、スポーツ、夜景(スローシンクロ)、遠景、マクロ)に動画モード、それに3種類のカラーモード(カラー、セピア、モノクロ)を搭載し、それなりに遊べるが基本的にはプログラムAEのみのファミリーカメラである。マクロは広角側で13mm、望遠側で22mmまで寄れる。草花をクローズアップ撮影するには充分である。電源は単三型電池2本、記録媒体はSDカードだが16MBのメモリを内蔵する。         
 インターフェイスはボディ上部の大型のコマンドダイヤルとプッシュ式十時キー、それに2つのコマンドボタンで行う。撮影で重要な操作はコマンドダイヤルとレリーズボタンで行うことになるだろう。ボディに半分埋め込まれたコマンドダイヤルはクリックが固く、指の油加減によっては滑ってしまう。滑り止めの溝がきってあるので爪で弾いてやるといいだろう。ただ、クリックに節度が無いのでシーンモードとシーンモードの中間にダイヤルが止まってしまうことも有る。コマンドダイヤルは電源ONも兼ね、その他に前述のシーンモードのイメージが印刷されている。コマンドダイヤルをOFFからオートに回してやると電源ONし、コダックのロゴと日の丸に「EasyShare」の文字が浮かぶ。起動にやや時間がかかるのが本カメラの欠点らしい欠点だな。よほど、「EasyShare」というのはコダックのステイタスなのであろう。その後、画面には解像度(画面の大きさ)が3つの☆で表示され、「オート」というシーン名と「通常の撮影に使用」というシーンモードに対する説明が数秒間表示される。これは他のシーンモードでも表示され、実にユーザーフレンドリーである。この辺りは往年のコダックデジカメのインターフェイスを継承しているのであろうな。電源ONから実際に撮影可能状態に至るまでには結構時間がかかる。特に室内だとフラッシュにチャージするらしく起動はかなり緩慢だ。また、電池にシビアで、他のカメラで通常に使用できる電池を詰めたら電池不足を表示した。電源ONしても光学ファインダー横のLEDが赤く点灯し、レンズが伸張しなければ電池切れということらしい。
 液晶ビュワーは小さめだが、その代わりに光学ファインダーが付いているので、その方を評価したいと思う。晴天下でも実用になる。但し、表示はそれなりに綺麗だが厳密なピントの確認が出来るほどではない。本カメラは絞る傾向にあるので殆どパンフォーカスに見えてしまう。とは言え、欠点と言うよりは一般の普及クラスのデジカメ並みといったところだろう。液晶ビュワーを使用した撮影で重要となるのはマクロ撮影だろうが、流石に近接撮影となると前後のボケはそれなりに確認できるので大きな欠点とは言えないだろう。それに、マクロ撮影なら撮影結果を再生・拡大してピントの確認を行うと言うのが一般的なデジカメの運用方法だろう。また、縦位置で撮影した画像は再生時にも縦に再生されるなど意外に凝っている。
 レリーズボタンの操作感も節度と言う面では誉められたものではないが、レリーズをして露光が完了するまで待たされることも無く普通のデジカメとして扱える。当たり前のようだが同じ価格帯の300万画素級デジカメにAVOXのようなカメラがあるのだ。それに画が綺麗なのだ。正確的な被写体再現という観点からするとイマイチノイジーというかエッジがナローでないのだが色が綺麗なのだ。特に空の色がコダックしているのと肌の階調が豊かなのである。これはフジのそれとはまた違って、やはりコダックの色と言うことなのだろう。旧世紀のコダックデジカメの色調に惚れていた拙僧は嬉しい限りである。これだけで本カメラは手に入れる価値がある。
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 コダックのデジカメというと日本では消滅してしまったと思いきやどっこい生きているようでうれしい限りである。風邪の噂では二焦点のデジカメなども発売して日本メーカーの万能カメラとは一線を隔しているようだ。残念なのは三河のような地方ではコダックのデジカメを扱う量販店など無いことだ。
 本カメラのようなちゃんとしたデジカメがこのような価格帯で販売されたのには意味がある。北米と言うのは我々が思っているほどずっと貧乏で購買力が無く、彼らがSEARS等で購入できる価格帯のデジカメと言うのは本当のお気の毒と言った感じであったが、2004年に至ってようやく実用になるデジカメが手に渡るようになったのだろう。

   では、撮影結果を見て下さい。

(了:2009/3/29)

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