ニコン クールピクスL22について


COOLPIXL22
単三電池2本使用の1400万画素級廉価デジカメ。

COOLPIXL22
 ライカ判換算で37〜134mmF3.1〜6.7の光学3.6倍ズームレンズ搭載。

COOLPIXL22 COOLPIXL22
 微妙なカービングがグリップを形成する。
 残念ながら、この個体は電池蓋が破損している。

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 ほどほどの薄さを保ち、シンプルなボディ上部。


COOLPIXL22
 液晶ビュワーは大きく、視認性は申し分ない。

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 シンプルな操作系はユーザーを悩ませない。

 本カメラは2010年に登場している。この頃になると、取り立てて芸の無いコンパクトデジカメは、当たり前すぎて個人レベルのコンテンツやブログには登場しないので、情報源が限られる。出てくるのはメーカーのオフィシャルサイトかセラーの物である。それでも、流石のITmediaで、簡単な説明がなされていた。本カメラの立ち位置は「ニコンで最も廉価なクラス」であろう。電源は単三型電池を採用し、アルカリ電池でも40枚程度の撮影ができるそうだ。撮像素子は1400万画素級だから中々のパワーである。また、液晶ビュワーも巨大で、視認性は申し分ないだろう。こういう、パワーソースを安普請なプラボディに組み合わせるというのも、5Lクラスのパワーソースを大衆車に組み合わせる、マッスルカーのようなジャンルを形成しているのかもしれないな。
 手に取るとかなり軽い。いや、案外重さを感じるかもしれないが、それは単三電池2本の重さであろう。ボディはかなり絞り込まれて単三電池の存在を忘れる程だ。フロントパネルは巧みにカービングしてグリップを形成している。クールピクスLシリーズは生い立ちからして、単三電池仕様の廉価モデルとして登場した。初代のL1こそ、フラットフェイスだったが、2代目以降はカービングしていて、電池室のふくらみを残してボディをシェイブし、電池室部をグリップとしてスタイリングをきめている。
 撮影に使ってみると、やはり進化したとはいえ乾電池仕様のデジカメというのはチョット動きに重たさを感じるな。立ち上げでフラッシュをチャージし始めると、かなり時間がかかり、敵の奇襲攻撃に対する即応戦では効果は限定的である。かといって、電源を入れっぱなしにすると、直ぐにスリープモードに遷移し、そのスリープモードから復帰するのにまた時間がかかる。最も、気になるのが記録時で、これは1400万画素級の撮像素子に対し、安普請なSDカードを投入しているからなのかもしれないが、撮影後の記録時間にかなり時間がかかるので、続けザマに敵を射撃する場合には復数のカメラを携帯した方が良いだろう。ちょっと、呆れるほどのインターバルだ。
 AFやAEはほどほど満足である。そもそも、高いカメラではないので過度の期待はナンセンスである。顔認識AFはかなりあてになる。拙僧の進行間射撃がそこそこ決まるのも、この辺りの技術が冴えているのだろう。ただ、やっぱり撮像素子のレスポンスがイマイチ遅いのか、拙僧の素早く構えてレリーズし、素早くカメラを被写体の外へ向けるというような撮影では、明らかに撮影画像がブレていた。こういう時には不思議なことに被写体だけはシャープに写っていて、アウトフォーカスの部分が流れたりするのだが、これはこれで一興な画像である。無論、ちゃんとしたホールディングで撮影した場合にはパリッとした画像になる。不思議とポートレイトを撮ると安物コンパクトデジカメの割には背景がボケたりして好印象である。ラチュードはそんなに広くないと思うのだが、ソフトウェアが良くできているのか、被写体の明暗に差があっても、かなりは吸収するようだ。無論、撮像素子にキャパシティも一昔前の物に比べれば、相当進化している。但し、完全な強い晴天下では飽和するのか、ちょっとオーバーな画像になる。その辺りが、この廉価撮像素子の限界なのかもしれないな。
 液晶ビュワーは大きく、晴天下でも見え辛くなったりしない。進化だなあ。進化と言えば、電装系がエコならしく、電池の持ちはすこぶる良い。恐らく、本当にアルカリ電池でもそこそこ稼働するのではないか。この辺りも技術も明確に進歩しているのだろう。
                         ☆               ☆
 本カメラは立ち位置としてオリンパスの安カメラブランドのFEシリーズ 髣髴させるが、流石にニッコールを搭載しただけあって、レンズをケチっている風は見えない。案外、内蔵したチップセットは同じなのかもしれないが、ニコンの手がかかっているから、安定的な画像を生み出す。インターバルに時間がかかるのがネックだが、それでも単三型電池の気さくさを求める方はいるのであろう。恐らく、国内よりも海外の方がニーズがあると思うのだが。
 拙僧の個体が記録にやたら時間がかかったのは、「BSS」をONにしたからかもしれないな。「BSS」は「ベストショットセレクタ」の略であり、一度のレリーズで複数の画像を撮影し、もっともブレの少ない画像を選択するモードだ。これは、かなり初期のクールピクスから伝統的に継承している機能である。その他にも、電子式手ブレ補正機能や、手ブレや被写体の動きを自動的に検知してブレを軽減する 「モーション検知」 を搭載し、ブレを押さえているが、逆に言うと機械式の手振れ補正機構は非搭載ということだ。勿論、廉価なカメラだし、何せ非常時にはアルカリ電池の使用も可能とするから、何かと燃費やコストのかかる機械式手ブレ機構は非搭載なのだろう。
 クールピクスというと、時折素晴らしい写りをするものの、条件が悪いとすぐ諦める傾向があったものだが、流石にこの世代だと踏ん張るようである。被写体を追い込む様な撮影には向かないが、のんびり記念撮影するには良いのだは無いだろうか。
 しかし、本個体は電池蓋が破損してたとはいえ200円である。それで1400万画素級なのだから、日本のカメラは安いなあ。

 では、撮影結果(知立祭り編) を見て頂きたい。

(了:2013/5/5)

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